珍らしい1960年代ビクター真空管式Hi-Fi ステレオ Audiora STL-550 の修復修理ですが、
何故珍しいのかと言いますと、ステレオというのは左右分離して立体的に聞こえるものです。
しかしAMラジオ(昔は中波MWラジオ)でステレオ放送はまだ技術的に無理でした。
そこで2つの電波を使って試験的にステレオラジオ放送がありました。
例えば左チャンネルをNHK第1放送、右チャンネルをNHK第2放送、と言うように同時に放送しました。
しかし、これを受信するには2台のラジオなどが必要でした。
このステレオは1台でこれを可能にしたものなのです。中に2台の受信機が組込まれています。

↑ W1000 H580 D373mm
キャビネットは高級材突板合板の重厚な造りになっています。175mmの脚が付属しているはずですが、欠品しています。デザイン的には直置きも可能です。

↑ ビクターの Hi-Fi stereo audiora のインパクトのあるロゴマーク

↑ 上面操作の流行のモダン高級電蓄スタイルです。

↑ ラジオのダイヤル指針が別々に左右2つあります。

↑ 30センチ✕2 12センチ✕2 の4スピーカーになっています。

↑ 4スピード アイドラードライブ クリスタルカートリッジのレコードプレーヤー
これからお見積もりの仮修理を行います。
当店では販売したことのない富士通のLIFEBOOK MH30/C FMVM30W ですが、
「キーボードが壊れたので見てください、意図しない文字が入力される」と言う事で持ち込まれました。
お客様はかなり焦っておられました。

↑ Windows7でモバイルタイプの小型ノートパソコンです。

↑ 確かに、おっしゃる通りです。
お客様は益々焦っておられます。

「何か変わったことをされましたか」と聞きましたが、「別に何もしていない、いつも通りです」
とのお答えです。
しかし、注意深く入力変換した文字を見ると、誤変換と思われる箇所が数字になっています。
ピンと来ました。
「これは、NumLock の操作ミスでしょう」と説明して、即解決しました。
普通は NumLock キーのオン/オフは表示がありますが、この機種は付いていませんでした。
アルファベットとテンキーの共用機種もそんなに多くありませんから、気が付かない事が多いと思います。
2011年製のサイクロンクリーナー「ツインバード YC-5016」の修理で「手間が省けて便利」な筈のサイクロンクリーナーの在り方に疑問を感じました。
今回ホームセンターでお買いになったお年寄りが、なんと1年以上に亘り吸わないクリーナーで電気と労力を使ってきれいにならない形だけのお掃除をなさっていました。

↑ やっと、掃除機の機能を取り戻したサイクロンクリーナーです。

↑ 2年前の購入ですが、1年ほどは何とか吸い込んでいたようです。

↑ 事の発端は吸わない音だけのクリーナーで形だけの掃除が終わり、コードを収納時にコードリールのバネの強さでストッパーを乗り越えてコードの差し込みの方から入りこみコードの差し込みが見えなくなりました。

↑ 分解してみますと、コードの出入り口のストッパーが欠けていて開口部が大きくなり素通りしてしまったのです。



↑ このままでは又スッポリと入ってしまいます。

↑ コードを結んで入り込まないようにしました。
組み立てが終わりテストしますが、モーターの回転音は元気ですが殆ど吸い込みません。


↑ フィルターの表面は見た目はきれいですが、フィルターのお手入れはまったくされていません。

↑ フィルターのヒダに入り込んだホコリがセメント状に固形化して外れませんので、水に暫く浸して徐々に外し泥状のホコリを丁寧に掃除しました。凄い量の泥状のホコリです。
良く水洗いして乾燥後、組み立ててセットして試運転で息を吹き返しました。
よく吸います。吸いすぎるほどになりました。
◎ 感想 お手入れの苦手な方は、サイクロンクリーナーはお使いにならないで、
紙パッククリーナーをご使用下さい。
1960年代真空管式コロムビアSTEREOPHONIC Hi-Fi SYSTEM 「SSA-551」の修復のご相談をいただきました。
添付写真が送られて来ました。

↑ 脚部はなさそうで、直置きのようです。

↑ レコードプレーヤー部は天開きです。 アンプ部は前開きです。

↑ 日本コロムビアの川崎工場の製造です。

↑ 配線図によりますと、当時試験的にステレオ放送されていた2つの放送局が同時に左チャンネルと右チャンネルの電波を受信出来る2放送同時受信になっています。珍しいものです。
4年前インドネシア ジャカルタに住み2度目の帰省です。
8月20日に帰り23日に慌ただしく出発です。束の間ですが、充実の時をいただきました。
関空まで送って来ました。 (BGMはカットしています)
昨日、修理完了後数時間エージング後電源オフしました。
8月22日午前10時10分関西テレビの映像です。問題なく安定して受像しています。


↑ 先ず水晶発振子を交換します。左が付いていた3579.545kHz の水晶発振子です。右が新しいものです。

↑ K801水晶発振子交換後の基板写真です。

↑ 正常動作になりました。気持ちよく、発色しています。

↑ 各部点検後、外部カバーを取り付けます。

↑ スピーカーのリード線が極端に短いためマウントにこつがいります。

↑ 電源部を最後に後部に取り付けて、完了です。 エージングテストをじっくり行います。
お預かりして8日間「色が出ない」症状は発生しません、又その兆候もありません。
一旦返送して、ご依頼者の手元で確認頂き、故障が再発時に再度お送り頂くようにメールをして了解頂きました。
しかし、それでも、気持ちが決まらず、テストを繰り返していました。
残念ですが、明日にでも送り返す為に梱包をしようと思い、ふと、テレビに目をやると、なんと心が通じたのか、
「色が消えて白黒に」なっています。

↑ やっと症状が現れて白黒画面になり、これから修理にかかれます。

↑ 急遽、分解に掛かりました。この機種に限らず当時のコンパクトテレビは分解が難しく、このテレビも以前にどなたかが、分解に挑戦し、こじ開けようとした形跡があります。

↑ 中はきれいにまとめられています。当時の技術の高さと苦労が伺われます。
縦置きのプリント基板に「色の回路」がまとめられています。この基板内が故障の根源になります。
3カ所のコネクターでベース基板に接続されています。
過去の経験では、この縦置き基板にはずいぶん悩まされました。

↑ 案の定基板のコネクター部の半田付けのクラックを見つけました。
即、修正の半田付け強化を行いました。これは「色が出ない」とは関係がありません。

↑ 後の2カ所にクラックは認められませんが、全てに同じ対策を施しました。

↑ 基板全体をルーペで拡大検査して色回路のICの半田付け強化も行いました。
その結果、電源投入、しかし、色は出ず・・・・・
こうなると、絞り込みが前進して、後は「水晶発振子」又は「色発生回路IC」のどちらかになります。

1985年製シャープ5インチマイクロテレビCT-6003は当時グッドデザイン賞受賞の希少価値のテレビです。
「色が出ず白黒映像の状態」と言うことですが・・・

↑ お預かり直後の地デジチューナーからの映像です。色が出て正常です。

↑ 総点検しますが、現時点で色が出て正常動作します。ショックを与えたり、その他考えられることは全て行いますが、状況は変わりません。

今までの経験で環境が変わりますと中々症状が現れないことがあります。
長期戦になるか、それともこのままお渡しするか、迷うところです。
フォノモーターの巻線タップを60Hzに変更後のテストで、回転速度が若干速く、効果が薄いのは、アイドラーの直径が経年で摩耗して微妙に細くなっているためなのです。

↑ 対策として結局、最後の手段はモータープーリーを研磨して細くする手法をとりました。
♯1500の紙やすりでモーターを回転させながら33回転3/1の部分のみ根気よく削りました。削りすぎは元へ戻せませんので、ほどほどに・・・
結果、かなり改善出来ました。

変換前の写真
これで、全工程完成しました。
レコードプレーヤーのクリスタルカートリッジをSTL-250に移植したため部品待ちになっていました。
今時にクリスタルカートリッジを探すのは、川砂から砂金を見つけるほど難しいものです。
モノラルですが新品で手に入りました。

↑ 早速、アームに組み込みました。

↑ アンプに接続して、どんな音が出るか・・・

↑ 結構使えます、幸運でした。

↑ ターンテーブルが回転中にプレーヤーに触れるとキーキー異音がします。

↑ 速度調整用の円盤にマグネットが接近しすぎて擦れて時々キーキ音がでます。

↑ フォノモーターの吊り下げ用の防振ゴムの経年劣化によるものです。

↑ 3カ所ともダメです。

↑ 構造的に交換しづらいですが、

↑ 黒のグロメットを取り付けます。

3カ所とも交換しました。
東芝REGZAのフラグシップモデルZシリーズ42Z2 ですが販売して1年ほどで電源が入らなくなったと電話をいただきました。
まさかと思いながら修理のためお預かりしました。
お客様にとっては、全く電源が入らないのはショックでです。

↑ 修理完了写真です。

↑ 最初、安易に左に少し写っている電源基板の不良と判断して急いで交換しましたが、直らず。次に一部の接続リード線を交換しましたが、これも不発。

↑ 結局、緑色のデジタルメイン基板を交換して一発完了しました。

↑ 厚さ僅か30mmにすべてをマウントするのは、メーカーとして相当苦労があったようです。
すべてのパーツが従来型では通用しないのです。大容量の電解コンデンサーでも太さを鉛筆程度で長さを数倍大きくしています。

故障修理をメーカー任せにせず、自店対応で製品を直すと同時にお客様の心のケアも大切とつくづく考えます。
珍らしい1960年代ビクター真空管コンパクトステレオHi-Fi Stereo Audiora BR-35 の修復修理ですが、
何故珍しいのかと言いますと、ステレオというのは左右分離して立体的に聞こえるものですね、
しかしAMラジオ(昔は中波MWラジオ)でステレオ放送はまだ技術的に無理でした。
そこで2つの電波を使って試験的にステレオラジオ放送がありました。
例えば左チャンネルをNHK第1放送、右チャンネルをNHK第2放送、と言うように同時に放送しました。
しかし、これを受信するには2台のラジオなどが必要でした。
このステレオは1台でこれを可能にしたものなのです。中に2台の受信機が組込まれています。

↑ サイズは W1000 H330(脚含680)D290mm
コンパクトサイズで置き場所にこだわることはありません。

↑ シンプル設計のレコードプレーヤー

↑ シャーシーを取り出しました。スピーカーは珍しく楕円スピーカーです。

↑ 完全に2台のラジオが共存しています。

↑ 2つのバリコンとダイヤル指針が左右に配置されています。

↑ シャーシー内側のセレクトスイッチなどの接触不良を接点復活剤の噴霧注入で修復します。
その他の各パーツの状態を点検確認します。正常使用に耐えないパーツは交換します。

↑ かなり気に入って使い込まれた形跡があります。ラジオ受信はダイヤルの動きが悪くギクシャクしていますので修復します。

↑ シンプル設計のレコードプレーヤーはターテーブルボードは樹脂製になっています。

↑ フォノモーターが正常回転するように掃除、注油など修復処置をします。

↑ ピックアップのクリスタルカートリッジはBR-250に移植したため、代替え品を用意しなければならないので、暫く部品待ちと言うことになります。
ラジオの音出しは、両チャンネルとも音質音量ともパワフルに奏でています。
今後の完成までの予定はエージングテストを行いながらクリーニングや細かな修正を行いながら異常発生がないか観察します。
かねてよりご相談のありました神戸市のお客様から2台の真空管ステレオ電蓄が届きました。
1960年代ビクター真空管式ステレオHi-Fi Stereo Audiora STL-250です。
コンパクトにまとめられた、普及を狙ったしっかりした製品です。
一応音は出ますが手探り状態です。レコードプレーヤーは不動です。
完全修復を目指します。

↑ W850 H400(脚含む770)D300mm とコンパクトサイズになっています。

↑ 立ったまま操作できるトップ配置です。

↑ 垂直つり下げシャーシーでもこの型は取り外しが比較的容易です。開口部が広くて助かります。
しかし、スピーカーのリード線はもう少し長さがほしいところです。

↑ シャーシーとレコードプレーヤーを下ろします。
25cmの大口径スピーカーとコンデンサーツィーター? のようなもので、当時の最先端のものです。

↑ 内部の清掃を行いながら、不良箇所を見つけます。

↑ シャーシー内側のボリューム、セレクトスイッチの接触不良を接点復活剤の噴射注入により
回復させます。
そして、すべての操作が正常になるよう繰り返します。
ラジオ受信の不具合をバリコンやダイヤルロープの調整でスムーズに動作するようにします。

↑ この機種はダイヤル照明に和紙を使用して柔らかい光の均一性のバックライトの凝った演出がなされています。
大変珍しいものです。

↑ レコードプレーヤーの修復に掛かります。
当時の定番の4スピードアイドラードライブ・クリスタルカートリッジです。
クリーニングは後にして、動作復元作業を優先します。

↑ 先ずフォノモーターの回転不良は連動スイッチの不具合のため、修復修理します。

↑ フォノモーターは電源が入り回転しターンテーブルは回転しました。
しかし、ピックアップのクリスタルカートリッジが経年劣化でカートリッジと接続のシールドワイヤーが酸化でボロボロの状態です。
そこでとりあえず、もう一台のBR-35からクリスタルカートリッジを外しこちらへ移植し、シールドワイヤーも新しく交換しました。

↑ その他雑音防止用のコンデンサーも交換します。

↑ これが、修復後の裏面全体像です。

↑ LPレコードをかけて音だしテストを行いますが、回転が明らかに速いようです。
これは50Hz仕様になっています。
60Hzに変更しなければならないのですが、見当たりません・・・
注意して見るとフォノモーターの巻線切り替えタップが存在しました。やれやれ。

↑ リード線を60Hz側に半田付けしてOK
LPレコード針が激しく摩耗して使い物になりませんので、テスト的にSP針でテストを行いました。
これですべて正常動作になりました。
蘇りました、いい音です。
後は仕上げのクリーニングと組み込みを行いますが、この状態でテストを繰り返し異常を発見します。
先日、奈良県内のお客様から電話で依頼をお受けしましたので、直接引き取りにお伺いしたものです。
1960年代ビクター真空管10球 Hi-Fi Stereo Audiola です。
瞬間的にヒューズがとび電源が入らないと言う事でした。

↑ W1400 H680 D400 でかなりの大物です。

↑ 当時の流行の「上開きトップ操作」ですので、「つり下げシャーシー」そして「別置き電源」と最も分解修理の困難な構造です。

↑ 扉の裏には「Hi-Fi Stereo Audiola 」初期ビクターのロゴマーク

↑ 当時の高級ステレオ電蓄の定番スタイルです。

↑ 慎重にシャーシーを下ろしました。
当時は故障修理は殆どが真空管の交換でしたから、滅多にシャーシーを取り外すことはありませんから、その利便性は一切考えていまんでした。

↑ メインシャーシーを点検しましたが、電源ヒューズ断につながる原因は見当たりません。

↑ 原因は電源部にあると判断。

↑ 予想は的中、ペーパーコンデンサーのパンクです。派手に破裂しています。
とりあえず、写真の黄色のコンデンサーに交換しました。

どちらも派手に破裂しています。

コンデンサーの電極に使用のアルミ箔が電源をショートさせてヒューズを飛ばしたのでした。
ここで、ラジオ、レコードを試聴した結果レコードプレーヤーのモーターの防振ゴムの劣化が判明しました。

↑ 当時の定番の4スピードアイドラードライブ・クリスタルカートリッジのプレーヤーです。
状態は良くきれいです。

↑ フォノモーターの防振ゴムを交換、注油、動作調整などいたしました。

↑ 防振ゴムは経年劣化で、固形化しています。

↑ 堅く固まったものを崩しながら取り除きます。

↑ 取り除いた残骸です。

↑ 新しく取り付けた防振ゴムです。

↑ 3箇所の防振ゴムを交換しました。

↑ フォノモータースイッチの雑音防止コンデンサー2個も安全のため交換します。

↑ 黄色のコンデンサーが新しく交換したものです。
約1年前に販売した最高級の東芝サイクロンクリーナーVC-SG711ですが、お手入れはきっちりされているのに極端に吸い込みが弱く使い物にならず、ストレスだけが強くなっています。

↑ お預かりして、徹底的に調べました。
遂に原因を発見しました。誰も知らないところに「隠しフィルター」がありました。

↑ 目立たないところの角の小さなフタを外すとご覧の通りホコリがぎっしりです。

↑ 約1年間に貯まった極小のホコリです。


きれいに洗って乾燥します。

組み立てて本体に挿入します。

↑ 次にもう1カ所あります。中央のフタをネジを外して開きます。


↑ こちらはほとんどホコリはありません。

これで快適にお掃除が出来てストレスもたまらなくなります。
●何故メーカーがこのフィルターのお手入れが必要と本体の目立つところに記載した注意ラベルを貼付しないのか、不思議としか言いようがありません。

↑ 拡大写真 小さなフタに小さな字でこんな記載はありますが、「排気清浄フィルター」となっていますが、この記述には重要性が感じられません。