1959年製の米モトローラ社 ポータブル・ステレオ・オートチェンジャーレコードプレーヤー
「SF11B」の修復修理は、最大の難関を突破でき、エージングテストを行いながら、
小さな問題点を修正していきます。

↑ エージングテストをレコード12枚載せて行いましたが、ノーミスでした。

↑ キャビネットの清掃と補修を行いました。

↑ キズの部分を修正塗料で直しまし、レザー貼りですので、
完璧とはいえませんが、見た目は結構きれいになりました。
最初の補修前の画像と比べますと違いがわかります。
↓ 以下は仕上げの補修工程です。

↑ 最初に発見しました、脱落した3点の小さなパーツを元の位置へ戻します。

↑ アームスイッチの安全カバーでした。

↑ 再度脱落しないように接着剤を併用致します。

↑ 蓋部に収納の右スピーカーを接続して、エージングテスト中に、
右スピーカーからの音声が非常に小さく、しかも歪んでいることを発見いたしました。

↑ シャーシー内部の点検は異常ありません。

↑ 真空管も異常ありません。

↑ ピックアップ部分を詳しく調べますとR出力に問題があることが、判明しました。

↑ 最終的に原因は交換針であることを、発見して、
◎予備の交換針を取り付けて解決致しました。

↑ これは、かなり奥の深い理由があります。単なる物理的に針先の不調ではありません。
実は詳しく調査をいたしますと、驚きました。
こんな小さな物体ですが、カートリッジと針先が一体化されたものなのです。
針を交換と同時にカートリッジも交換していることになります。
逆にカートリッジを交換したときは針付きになっているわけです。
つまり専門用語でクリスタルカートリッジ(セラミックカートリッジ)と言います。
当時最も多く使用されていましたカートリッジです。
普通はクリスタル素子と針とは別になっていますが、
こんなに小さく一体化されているのは珍しいものです。
このクリスタルカートリッジは出力電圧が高く回路が簡略化出来るのが特徴です。
しかし、数十年の長期使用には問題があります。
この「ASTATIC」はマイクロホンなど精密機器の有名なメーカーです。このような構造の交換針ですから、
針先が正常でもクリスタルカートリッジR/Lの片方又は両方が不具合
と言う事があります。
1959年製の米モトローラ社 ポータブル・ステレオ・オートチェンジャーレコードプレーヤー
「SF11B」の修復修理は、「必ず修復して見せる」モチベーションの高揚で休むことなく
没頭致しました。
幸い順調に進行いたしまして、トップに嬉しい動画を掲載することが出来ました。
デジカメのムービーモードで急遽の撮影でお見苦しいところは、ご容赦をお願い致します。
↓ 以下は動作可能までの工程です。
この機器の性質を把握するところから始まります。

↑ 難しい事に挑戦するときは、「基本」から入るのが、原点。
そして、一番大事なことは、「絶対あきらめない」事を大切にしています。
今回も、「手強い相手を攻略しなければならない」・・・・・
レコードを載せてPLAYしても動作しない、例えアナログであっても、レコードを認識できない、
上側から攻めることにしました。

↑ ターンテーブルはEリングで保持されて普段は絶対に外れない構造になっています。
とにかくドーナツ盤用のアダプターを取り外して、LP/SP用のセンターシャフトの点検します。
下部に注油を行います。

↑ センターシャフトは複雑な動作をするため、
簡単には理解できないようなな構造になっています。
一旦外したターンテーブルを元通りにシャフトに差し込んでEリングで
しっかり止めなければなりませんが・・・・・
画像をご覧になれば判るように、真っ直ぐでなく、クランク状になっています。
このままターンテーブルを載せようとしても、
中間のクランクで引っかかり止まってしまいます。
普通ならここで「万事休す」です。
しかし、慌てません・・・・・良く考えてみると、外れたものが入らないことはありません・・・・・
だが・・・・・このままでは絶対クランクに当たって入りません・・・・・
このシャフトに秘密があるのです。

↑ 複雑な形のセンターシャフトの最上部が切れ込みがあり割れています。
その中心の可動レバーを最上部から突き出るようにしてターンテーブルをはめ込む
のですが、かなりコツがいります。

↑ ターンテーブル載せてEリングで固定して、テストします。
とりあえず、LPレコードでテストします。
◎動作OK!成功です。

↑ 次にEPアダプターを差し込みEPレコードで5枚載せてテストしました。
5枚のレコードがノーミスで見事にチェンジしました。
◎こちらも動作OKです。
このオーチチェンジャーメカは本当によく考えたものです。
「完璧な構造としっかりした造り」 さすが当時の世界一のMADE IN USAです。
残念ながら日本は遅れていました。



↑ 本体側のスピーカーのエッジが破れていますので蓋側のスピーカーと入れ替えておきます。
このエッジのダメージが音質に致命的な影響は現在のところ出ておりません。
つまり、ボイスコイルがセンターのマグネットに接触して異音が出る状態にはなっていません。
スピーカーを交換するとオリジナルの音質が損なわれてしまいます。


↑ アンプシャーシーを取り外して、ボリューム全てに接点復活剤を適用いたしました。
これからエージングテストを行いながら、細部に気を配り、仕上げ状態にもっていきます。
1959年製の米モトローラ社 ポータブル・ステレオ・オートチェンジャーレコードプレーヤー
「SF11B」の修復修理の依頼を受けました。


↑ 約55年前の製品としてはレザー貼りの外観から見れば、きれいな方でしょう。


↑ 分解して、異臭が気になり、アンプ、スピーカー周りの白いカビのような付着物を
掃除機の丸ブラシで掃除をしました。 (ある程度掃除をしてから撮影しています)

↑ スピーカーのエッジがダメージを受けています。反対側からLEDライトを当てて撮影しました。

↑ 一応手動でレコード演奏は出来るとのことでしたので、確認すると、回転、音出しが
出来ます。
4スピードの回転切り替えのツマミが異常に堅くツマミが壊れる心配がありますから、
入念に調査して、単なる油ぎれを確認して、注油摺り合わせの結果動くようになりました。





↑ オーチェンジャーメカ不調の原因は現在目視の状態では掴めませんが、
全てのブロック毎のメカは連動していますから、詳細に探究を進める予定です。


↑ 更に細部の清掃を進めます。

↑ 昔のアメリカの蚊でしょうか、(超アップ) 侵入していました。

↑ メカからの重要な脱落物の可能性があり、調査を致しました。

↑ 特にこの3点については、ご提供いただいた資料により、照合いたしまして、
オートチェンジャー機能には関係ないことが判明致しました。

↑ 資料で照合の結果、ピックアップアームスイッチのカバー部分でした。
東芝から4K REGZAが一挙5機種がデビューいたしました。
84Z9X、 65Z9X、 58Z9X、 50Z9X、 40J9X とラインナップが揃いました。
中でも東芝独自のサイズ50インチが注目です。
この50インチの高画質については昨年10月のCEATEC JAPANで先行紹介がありました。
設置スペース、お求め易さ、美しさ、等々期待のアイテムです。
画面の直下にLEDを配した新パネルの採用により、4Kの色彩がさらに豊かになりました。
従来よりも色域が拡大したことで、より緻密で色鮮やかな映像を実現しています。
このたび当店のお客様にお買い上げを頂きセッティングしてまいりました。

↑ サイズ W1300 H780 D185mm

↑ 6年前のREGZA 42RH500からのお買い替えです。






↑ 脚部の組み立てに少々時間がかかります。

↑ テレビ台は最初からW1300ですから、余裕です。



↑ アンテナ入力、その他各種外部機器の接続。

↑ 転倒防止の補助具の取り付け。


↑ 初期設定開始。



↑ セッティング完了。 きれいすぎます。
タイムシフトマシン用2.5TBハードディスクは後ほど入荷時に取り付け予定です。
(7月31日まで東芝純正タイムシフトマシン用2.5TBハードディスクプレゼント中)
製品サイズ W1128 H709 D247mm (脚部込み)
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル「offシリーズ18RF1」の修復修理は、
中身を入れ替える移植作業の仕上げを終了してエージング段階です。
現在は全て順調ですが、自分的には、映像調整のツマミが外へ出せないため、
外部から調整が出来ない不便さを実感します。
なんとかならないか・・・しかし、キャビネットに孔開けなどの加工が出来ないため、
万難を排して調整可能な状態にする作業を始めました。

↑ プリント基板の前部にこのような映像調整ユニット(5個のバリオームの集合体)を
取り外して外部へ移動します。

↑ この映像調整ユニットをプリント基板からハンダ付けを外します。

↑ 外した、映像調整ユニットに長さ45cmの15本のリード線をハンダ付けします。

↑ 15本のリード線をハンダ付けした映像調整ユニットにを何処へ取り付けするか、
色々な状況を考えて、最適な位置にセットしました。

↑ この様に殆ど孔を開けずに配線しました。

↑ 15本のリード線の先端をプリント基板の元の位置へハンダ付けしました。

↑ 裏フタの全体像です。 これなら映像調整が出来て安心です。
調整は後から向かって左から
色の濃さ/画質/色あい/黒レベル/ユニカラー です。
白いツマミは普段あまり使用しないサブ調整です。
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル「offシリーズ18RF1」の修復修理は
マイコンIC の調達の可能性が絶たれ、このテレビのレトロモダンの雰囲気を残して、
中身を入れ替える作業の仕上げ段階になりました。
移植に使用したテレビは同じ東芝製ですが、1981年後期の18インチですが、
使用時間が比較的短く、入手以降は、未使用で当店内での保管が10年になり、
問題の無い安定したものです。

↑ 今回のこの移植作業はある条件の元に行いました。
●万一マイコンIC等の部品がが見つかった場合は元通りの形式に復帰させたい。
●その為にキャビネットなど外観の改造、変更はしない。
と言う制約の下に移植修理を行いました。

↑ メイン基板からリード線で接続されている部品はすべて裏フタへ取り付けします。
筐体部分に一切穴開けなどを行わずに、取り付けをします。


↑ 元シャーシーの都合で裏フタの開口部が大きく開いていましたので、
樹脂製の網で通風も配慮して一石二鳥でご覧のようにスムーズにカバー出来ました。


↑ 部品の固定は、裏フタの通風孔を利用してネジ止めをしました。


↑ 左の大型ツマミは今にも外れそうなので、一旦外して補強の金具を付けて、
再固定しました。
補強接着は非常に難しく、1ミリのドリルで穴を開け補強のステンレス線を2本埋め込み
接着剤を併用いたしました。

↑ 底部から2本のビスでメイン基板シャーシーを本体底部に固定しました。

↑ 裏フタをビスで固定しました。 ピッタリ収まっています。

↑ 最後に処置に困っていたイヤホンジャックをご覧のように、あっけなくセット出来ました。


↑ 動作は問題なく絶好調でエージング中です。

↑ ブッシュ式電源スイッチはツマミの取り付けが出来ません。
小さいですが、押すだけの操作です。 音量ボリュームはスライド式です。

↑ RFモジュレーターの電源は本体電源スイッチで連動しています。
本体スイッチをオンした時、モジュレーターの電源が同時にオンしますが、
モジュレーターが作動するのが本体より1秒送れますので、その一秒間に「ザー」とノイズが
出ますが、故障ではありません。

電源オフ時の画像です。
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル「offシリーズ18RF1」の修復修理は
マイコンIC の調達の可能性が絶たれ、修復修理を残念ながら、断念せざるを得なくなりました。
断腸の思いで、経緯をご依頼者様にお伝えをいたしまして、ご理解をいただきました。
その結果、ご提案として、このテレビのレトロモダンの雰囲気を残して、
中身を入れ替える、つまり、正常動作のテレビの内部をごっそり移植する、
とんでもない作業を決行することになりました。
↑ ここで一番重要なことは、ブラウン管のサイズと種類です。
18インチ90度偏向のブラウン管は3対4のコーナーが丸く画面が球面状に膨らんだ
ブラウン管です。
これは、現在では殆んど見かけません。
それなら、ブラウン管だけは元のものを使えないかと言う事ですが電気特性や接続
配線など制約が多すぎて不可能です。
奇遇と言いますか、丁度ピッタリの東芝の1981年製の木製キャビネットのカラーテレビ
18M511Sが10年前から保管していたものがありました。
問題なく移植が可能か調査の結果ピッタリと言う事が判明いたしました。

↑ 中の全ての物体を外します。

↑ 木製キャビネットだけになりました。

↑ 移植用に使用するメイン基板です。 上面

↑ 移植用に使用するメイン基板です。裏面

↑ 元のテレビの中身を全て外して筐体のみにします。

↑ 先ず、メイン基板と接続関連を外します。

↑ 次にブラウン管と付帯部品を外します。前面のスイッチ関連のプラグ付き接続リード線は
残しておきます。

↑ ここで、移植用のブラウン管を取り付けてしまいます。
18インチと言えども分厚いガラスの塊ですから、かなりの重量です、
筐体は薄手のABS樹脂製ですから、そのアンバランスで作業は慎重さが要求されます。

↑ ブラウン管の消磁コイルや各部のリード線のハンダ付けが終わり、メインシャーシーも接続して
固定はしていませんが、テスト出来る状態で一応移植工程が終わりました。
時間の経過を忘れ、没頭の為、深夜でもあり、詳細調整は明日行うとして、
簡単に電源投入→地デジチューナー接続→映像確認 までOKでした。
↑ 翌日のブラウン管調整等の詳細調整。
① 地デジチューナー
② RFモジュレーター(地デジチューナーからの映像・音声を1又は2CHの電波に変換します)
③ アンテナ接続端子
④ 地デジチューナーリモコン
⑤ 本体テレビのVHF/UHFチューナー
⑥ 本体テレビの電源スイッチ/音量調整
⑦ 地デジチューナー電源アダプター
⑧ RFモジュレーター電源アダプター
地デジチューナーは外付けとしまして、その他は次の作業で裏フタの内側に装着して
筐体(キャビネット)には加工はいたしません。




↑ 5月22日午前のテレビ受像画像です。非常きれいです。
非常に安定動作をしていますが念のため長時間のエージングテストを行います。






↑ 元パーツは全て保管をいたします。
去年に続き、近くの小学校の「3年生社会科、総合的な学習の時間<わたしたちの町探検>」で
電気屋さんの見学に先生と児童5名の来店見学がありました。。


半世紀以上前のステレオなどに驚いていました。
裏側を見せて真空管について説明してあげましたが、難しかったようです。

修理中のレトロテレビの内部を興味深く見ていました。
1960年代ビクターHiFiAudiola真空管ステレオ「BR-470」の修復修理の全貌です。

↑ サイズ W1020 D370 H735mm (脚含む)

↑ 後部からの内部の様子です。
豪華な30cm+13cm+パノラマスピーカーの3スピーカーです。
アンプ部は当時の流行のトップ面操作ですから「垂直吊り下げシャーシー」です。

↑ 当時のこのシャーシーは修理の事は考えないでデザイン優先でした。
また、故障修理の場合は殆どが真空管の差し替えで直っていました。
後世の事は考える必要がなかったのです。

↑ 左スピーカー

↑ 右スピーカー

↑ 取りは外す前のシャーシー内部です。

↑ 上面から見たレコードプレーヤーと操作パネル。

↑ 外付けの電源トランスに付いている雑音防止用のペーパーコンデンサーが
パンクして飛び散っています。

↑ 吊り下げシャーシーを外して下ろしました。

↑ シャーシー上部の全貌、掃除を行い、点検に入ります。
手前の真空管ソケットが見えるのは、12AV6が欠品しています。全部で16球使用です。

↑ 新品の「TEN 12AV6」を取り付けました。

↑ シャーシー内部の全貌。

↑ レトロなオーディオが永年稼働していない場合、「いきなり電源を入れるのは危険」
であることは、正しいのですが・・・・・
「とにかく、結果が知りたいので、びくびくしながら、電源投入したら
運良く、電源が入り、ジリジリ、バリバリ雑音が入り、怖くなり慌ててコードを抜いた」
と言うお話はよくあります。
これは、「ボリューム」や「セレクトスイッチ」など可動接触部分の接触不良によるものです。上の画像の左から
「エコーボリューム」「セレクトスイッチ」「音質ボリューム」「RL音量ボリューム」「電源スイッチ」
↓ 全ての接触不良の改善のため「接点洗浄剤や接点復活剤」を注入して摺り合わせを行います。


↑ MW(AMラジオ)トSW(短波ラジオ)の受信が問題なく完了致しました。

↑ FMラジオは感度が悪くアンテナ入力回路など各部を点検調整の結果良好になりました。

↑ 各部修復後のシャーシー内部です。

↑ 各部修復後のシャーシー上部です。
この機種は当時としては音質、パワーにこだわった贅沢な出力回路構成になっています。
出力真空管の30MP23が8本使用されています。
つまり、スピーカーを駆動させる出力回路構成ですが、
「パラレルプッシュプル」構成になっています。簡単にわかりやすくご説明致します。
スピーカーを鳴らす場合
1本の出力真空管で駆動・・・シングル
2本の出力真空管で駆動・・・ブッシュプル
4本の出力真空管で駆動・・・パラレルブッシュプル
いずれもステレオですから(RL2系統必要ですから2本、4本、8本となります。

↑ 次にレコードプレーヤーを修復修理いたします。
これは、機械的な部分が、かなり劣化のため、機能を失っています。
ターンテーブルを外した上面です。

↑ レコードプレーヤーテーブルボードの裏側です。


↑ フォノモーターを吊り下げてマウントしている防振ゴムが経年劣化して溶けて
変形しています。

↑ アームスイッチ/スリーピングスイッチと劣化の雑音防止コンデンサーです。

↑ オートリターンメカです。


↑ フォノモータープーリーと、回転をターンテーブルに伝導するアイドラーです。
注油とメンテナンスをします。

↑ ピックアップアームとオートリターンメカのメインギヤです。
クリーニング、注油を行い動作確認を行います。

↑ 当時のクリスタルカートリッジ(セラミックカートリッジ)は音質、音量とも異常なく動作しています。

↑ フォノモーターを取り外して3箇所の溶けている防振ゴムを取り去り、
位置を確認調整しながら、新しい防振ゴムに交換いたします。





↑ フォノモーター防振ゴムの交換、注油が終わりました。

↑ 雑音防止コンデンサーを交換いたしました。

↑ コードプレーヤーの修復修理が完了しました。

↑ ハウリング防止用のスプリングインシュレーターを調整して、
綺麗に清掃した、キャビネットに組み込み、ターンテーブルを載せてテストいたしました。

↑ 音をお聞かせできないのが残念な程の仕上がりとなりました。
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル「offシリーズ18RF1」の修復修理は
マイコンIC の不良で交換用のIC の調達の可能性が出てきました。
使用のIC 名は「TMP47C6342426」ですが、「47C634N2426」で検索して見つけました。
「(株)アイシー・ランド」に在庫が有ることが判明しました。


↑ 電源を入れたまま、チャンネル表示の数字がクルクル回ったまま放置しておきました。
ところが、途中で勝手に止まっていたため、急いでリモコンでビデオ入力に切り替えて
映っている地デジチューナーからの映像ですがモノクロです。
しかし、長くは続きませんでした。
IC の調達の望みがもてて良かったと思います。

↑ 水平出力トランジスタ2SD1427が2個入荷しました。使用するのは1個です。
両面の画像です。

↑ 放熱板に絶縁体のマイカ板を挟んで取り付けます。

↑ フライバックトランスが怪しいため、共倒れになり、いきなりトランジスタが飛んでは
台無しですから、念のため、手数はかかりますが安全のため、テスト用の別機種の
フライバックトランスを取り付けます。

↑ フライバックトランスの交換は10箇所の脚部のハンダ付けを外すのが大変です。

↑ テスト交換が終わり、地デジチューナーを接続して電源投入です。

↑ 動作しました。別機種のフライバックトランスですから電圧など変わりますから、
色々微調整して、映像は出ていますが、色調調整をしていませんから色調は合っていません。
これは全く問題なく、後で調整します。
ここまでは、前夜の作業です。

↑ 翌日、元のフライバックトランスを詳細に検査して異常の無いことを確認しました。

↑ フライバックトランスを元に戻して、暫くその状態で様子を確認して、
ブラウン管のホワイトバランスを終えて、次に色調調整にとりかかりました。
シャーシーの前面に調整スイッチが並んでいますので、シャーシーをキャビネットに
挿入して、地デジの映像を入力する為ビデオ入力に切り替えようとしますが、
チャンネル番号表示がクルクル順番に代わり停止しません。
全く調整とリモコンが機能しません。
これはコントロールを司るマイクロプロセッサーの QA01のIC TMP47C6342426 の不具合です。

↑ マイクロプロセッサーの QA01のIC TMP47C6342426 です。

↑ 両列で42箇所の極小の脚部の再ハンダ付けを強化しました。
しかし、残念ながら、効果はありません。完全に不良のようです。
今までに他機種でマイクロプロセッサーの QA01のIC TMP47C6342426 の脚のハンダ付け
が劣化して、この様な不具合は何度も経験しています。
再ハンダ付けを行ってハンダ付け強化をしても不具合が解消する事例は少なかったようです。
IC 自体が不具合を起こしている場合はIC を交換します。
テレビの機能の殆ど全てをこのIC が指令を出しています。
IC は互換性がありませんので、入手は難しくなります。
ブラウン管が光らない(ラスターが出ない)最初の大きなハードルは越えましたが、
次も手強い難関を突破しなければなりません。


↑ 次に出来ることから、こなして行かなければなりません。
これは垂直発振回路のサブ基板ですが、猛烈な接触不良です。
それは、微弱ななショックでも画面に変化が出ます。
原因はメイン基板とサブ基板のあらゆるパーツのハンダ付けが経年劣化で接触不良に
なっています。
その為、画面が横一(横線一本)になったり、不安定になったりします。


↑ 垂直回路のIC の脚部の拡大画像ですが、クラック(ひびわれ)があります。
サブ基板をメイン基板に何度も付けたり外したりして確認しながら、直していきます。
これで横一は直りました。



↑ ブラウン管の地磁気による色むらを解消する、「消磁回路」の不良部品です。
以前に東芝のサービスマンが応急処置を行ったものなのでしょうか、
3箇所の接触片の一つが折れていました。
部品があれば交換します。無ければ補修して使用します。

↑ メイン基板の全体像ですが、ハンダ付け劣化が各所に見られます。
できる限り修復いたします。
まだまだ。遠い道程です。
1988年と言えば26年前、バブル経済絶頂期の頃でした。
当時、東芝はヤング指向のコンセプト商品として、
「日常生活からoff し、自由に暮らす、シングルライフのわがままに応える」
「オフシリーズ」の家電製品を発売いたしました。
今回、この非常に珍しい「off シリーズのレトロ調に造られたカラーテレビ18RF1」」を
若い頃から想い出の品として大切にご愛用のお客様から修復修理のご依頼を受けました。




↑ 懐かしいレトロデザインです。中身は当時の最先端の半導体仕様です。
全く動作をしなくなったそうです。

↑ 無駄のない、しっかりした造りになっています。
前面枠は樹脂製、筐体は鉄板で仕上がっています。

↑ 26年の年月を感じさせる内部です。

↑ 故障箇所を確認しておきたいので、シャーシーを外さずに、チェックしておきました。
DC105Vラインの1Aのヒューズが断線ですが・・・・・

↑ 原因は水平出力トランジスタの不良の筈です。
今夜はここまでにしておきます。


↑ 本格的にシャーシーを取り出して各部をホコリを清掃しました。


↑ きれいになりました。

↑ プリント基板裏面からチェックを始め原因を特定いたしました。

DC105Vラインの1Aのヒューズが断線の原因は・・・・・

↑ やはり、水平出力トランジスタの不良でした。


↑ 取り外した不良の水平出力トランジスタ「2SD1427」はショート状態です。

↑ 早速、手配したしました。入荷待ちです。
↓ 余談になりますが、1988年は当店が法人化した年です。
店舗も建て替えいたしました。希望の門出の筈でした、バブル崩壊が徐々に忍び寄っていました。
しかし、顧客の支持と新店舗で若い従業員のパワーもあり、お陰様で順風満帆に展開いたしました。
こんな当時にこの「off シリーズ」が発売されました。
まあ、全ての「off シリーズ」がヒットしたわけてはありませんが、AV製品は良かったようです。

新店舗が完成した年から今まで、この「off」のエンパイア・ステート・ビルディング
のタペストリーを階段の裏側に装飾しておりました。
これが好きなんです。(大きさ 700✕1500mm)

今は、ご多分に洩れず、家電業界も当時の華やかさは消え失せておりますが、
私のポリシーは「ものを大切に、修理は製品と同時にお客様のお心気持ちを気遣います」
SONY製の業務用の拡声器兼用の
PUBLIC ADDRESS SYSTEM CASSETTE-CORDER TCM-1390 です。
この製品は、以前に何台かを修理していますが、今回も変わったトラブルでした。
今回はテープが動作しない故障です。
この機種は大変頑丈に造られていますが、一旦故障すると、
分解など修理は少々やりにくくなっていますが慣れるとそうでも無いと思います。

↑ テープを挿入してPLAYしてみると、一瞬動いたようですがダメです。

↑ 分解して、真っ先に確認したのがドライブベルトです。
見た感じでは、少し太めですが直接の原因のようには見えません、
劣化、摩耗、伸び、はなさそうです。
しかし、よくよく見ると、確かに弾力がなく硬化しているようです。
スリップや回転ムラが出そうな状態です。
ルーペで拡大して見ると確かにそのように見えます。交換します。
左が元のベルト 右が交換した新しいベルトです。



↑ ベルト交換後、分解の状態でテープの再生テストを繰り返し行います。


↑ 充分、テストを行い、一旦電源コードを外して、組み立てにとりかかりました。
すると・・・・・

↑ 筐体の中から出たのでしょう、この様なカセットテープの「録音消去保護ツメ」
の欠片が落ちていました。
何故、テープの「録音消去保護ツメ」が折れたのかは不明ですが、
私の推測では、同じ透明のツメばかりですから、テープの枠のプラスチック素材が
粗悪で脆かったのではないかと思います。
詳細に調べましたが、機器側にこれが欠けるような問題点はありません。

↑ 動作テストを継続しています。快調です。
「日立真空管ハイブリットHi-Fiステレオ"シンフォニカ"DPF-8300MX」の修復修理は
只今エージング中です。
後は出力管「30MP27」と専用ダイヤモンド針「DS-ST3」の入荷待ちです。
今日はキャビネットの地肌の露出したキズや汚れの補修をはじめました。


↑ 先ず、完成写真をご披露いたします。
この程度の画像で全体像の詳細表現は出来ませんが、観た感じはお伝え出来ると思います。
見違える状態になったと思います。



↑ 部分の拡大画像ですが、永年の歴史的な傷跡が随所に見られます。

↑ 右スピーカーのサランネットのシミの処置は迷いました。
下手すると、拡大の恐れがあり取り返しが付かなくなります。
そこで、拭き取りは危険なため、変色部分だけを、同色に着色しました。

↑ 殆どわからなくなりました。

↑ こんな感じになります。
あまり塗りすぎますと、いかにも塗ったと言う感じになり、レトロ感が損なわれます。
はげ落ちている所だけを着色しますから、アクリル塗料での細かな作業になります。


↑ 扉を閉めた状態です。 風格が再現できました。
サイズ 横幅 1200 高さ 740(脚部込み) 奥行 400mm
「日立真空管ハイブリットHi-Fiステレオ"シンフォニカ"DPF-8300MX」の修復修理は
順調に進行中ですが、エージング中に小さなトラブルを発見いたしました。

↑ 構造上、シャーシーを取り外し、キャビネットをうつ伏せにして作業をしていましたが、
シャーシーをキャビネットに組み込み常態に戻し、エージング中に、
無入力時で左から小さなショック性のノイズが出ているのを発見しました。
確かにどこかに触れると「ボソボソ」とした感じの小さなノイズが出ます。
ラジオなど鳴っている時はノイズに気が付きません。


綿密に調べると左のプッシュプル出力の真空管30MP27の不具合です。
右のプッシュプル出力の真空管30MP27と差し替えるとノイズは右へ移動します。
これでハッキリいたしました。
「日立真空管ハイブリットHi-Fiステレオ"シンフォニカ"DPF-8300MX」の修復修理は
順調に進んでいます。
レトロ製品の修復修理で一番大事にすることは、
「復活、蘇り、はもちろんのことですが、
◎安全、安心、です。 部品の経年劣化による安全性の低下は回避しなければなりません。

↑ 電源コード、電源ヒューズ、電源トランス、各種スイッチ類、コンデンサー、抵抗器、
真空管、半導体、配線リード線、等の部品の中で異常が発生した場合は、電源ヒューズが
飛んで電源を遮断してくれます。
真空管使用の機器は真空管の不良でヒューズが飛ぶことは先ずありません。
しかし、トランスやコンデンサーの不良でヒューズが飛ぶことはあります。
特に電解コンデンサーは内部に電解液を封入していますので、数十年前の製品は
交換の必要があります。

↑ 当時はブロック型の電解コンデンサーを使用していました。
これは、数種類の容量の電解コンデンサーを一つの缶体に密封したものです。
現在は製造されていません。
私は、このブロック型電解コンデンサーは正常動作に見えても、
安全動作の観点から交換に踏み切っております。



↑ ブロック型電解コンデンサーを3個共全て単体の電解コンデンサーに交換いたしました。


↑ 電源コードと電源ヒューズホルダーも交換いたしました。


↑ 100ボルト電源側の雑音防止用の当時のペーパーコンデンサーを
現代のフィルムコンデンサーに交換いたしました。 最も不良率の高いものです。



↑ キャビネットの底板の経年劣化のためボードが崩れていますので補強いたしました。
脚部のグラつきも修理いたしました。

↑ 今、現在の交換部品です。
「日立真空管ハイブリットHi-Fiステレオ"シンフォニカ"DPF-8300MX」は
1960年代後期の真空管時代からトランジスタ時代の変遷期にさしかかった時代に
その双方の長所を取り入れた、当時の最先端技術の所謂「ハイブリット製品」でした。

↑ 修理メンテナンスの事は考えていない造りになっていますから、大変苦労が伴います。
先ず、内部の永年堆積したホコリを清掃します。
電源投入前に「配線の断線、ショート、絶縁不良等」を検査の後、
慎重に電源投入します・・・電源は入り反応はありますが、音は出ません・・・
レトロ製品は経年劣化で「ボリューム、セレクトスイッチ類」が猛烈な接触不良で機能しません。

↑ そこで、「接点洗浄剤・接点復活剤等」を使用いたします。

↑ 左から「音量調整」「低音調整」「高音調整」の3箇所の2連ボリューム
右端のビアのスイッチの「電源 PHONO FM MWラジオ」のセレクトスイッチです。

↑ 接点洗浄剤・接点復活剤を隙間から噴射注入しながら摺り合わせを行い接触を改善します。
良くなるまで何度も繰り返し行います。

↑ ビアのスイッチの「電源/PHONO/FM/MWラジオ」のセレクトスイッチは、
接点洗浄剤・接点復活剤を噴射注入する隙間が非常に小さいため、
注入が困難なため、一旦取り外して工夫しながら作業を進めます。



↑ 画像の右橋の小型のマイクロスイッチは電源用スイッチですが、
取り外して分解して接点を磨きました。

↑ この結果、ラジオ受信を確認出来ました。

↑ 音量、音質は先ず問題ありませんが、エージングテストでチューンアップして行きます。

↑ 20cm+8.5cm 右スピーカー コーンの破れ歪み等ありません。

↑ 20cm+8.5cm 左スピーカー コーンの破れ歪み等ありません。

↑ キャビネットの底板のパーチクルボードの劣化崩れがありますので後で修復します。

↑ 次にレコードプレーヤーの修復修理を行います。

↑ このプレーヤーは珍しく2重のターンテーブルになっています。
外側は25cmで内側はリムドライブ用(アイドラードライブ)になっています。

↑ オートプレーヤーですからメカは複雑になっています。
フォノモーターは4極シンクロナスモーターで少し大型になっています。
全体的にしっかりした造りでかなりの重量があります。

↑ フォノモーターを固定している「防振用クッションゴムブッシュ」が劣化陥没しています。


↑ それが原因で、モータープーリーとアイドラーの位置がずれてアイドラーの角が削られて
変形しています。


↑ フォノモーターを取り外して、固定している「防振用クッションゴムブッシュ」を
交換します。


↑ フォノモーターを固定している防振用クッションゴムブッシュを4箇所交換しました。

↑ オートメカ(自動リターン)等の機構部の点検を行います。

↑ ピックアップカートリッジは「MM(ムービングマグネット)タイプ」です。
音質が良く、針圧が軽く、レコードや針に対する負担が軽くなります。
レコード針が付いていません。

↑ 手持ちのレコード針の中でマウントできそうなタイプを探し、
ビクターの針で何とか合うものをマウントしてテストを開始しました。

↑ テストの結果いろいろ調整を行い、立派に動いてくれました。
カートリッジも音質音量に問題はありませんでした。
プレーヤーのエージングテストもキャビネットに組込みを完了してから、
各種のレコードで行います。
漢字が印刷できない不可解なワープロ?Panasonic"FW-U1J85"の修理で
今までに経験したことのない事例に遭遇いたしました。
正常に漢字変換できて文章が表示されているのに、印刷すると、漢字の部分だけ抜けて
プリントされていません。
その他の全ての文字はプリントされています。色々な原因を想定しましたが・・・・・
「思い込み」が邪魔をしてくれました・・・・・ 文書作りには、ワープロが使いやすくて、どうしてもパソコンに馴染めない高齢の方に
は手放せない機器ですが・・・・・
一旦故障すると、何処のメーカーも冷たくなっています。修理拒否です。
一世を風靡したワープロ時代に活躍されていたエンジニアの方々はリタイヤされています。
ワープロの愛用者は困っています。
自称マルチエンジニアとして、お役に立てればと、頑張っております。
今までかなりの数のワープロを修理してきましたが、今回のは・・・・・

↑ 左が部品取りに用意した同機種のジャンク品です。
右が修理でお預かりしたワープロです。一瞬新品に見えるきれいな品です。
(綺麗すぎて劣化を見逃した大きな原因です)

↑ フロッピーディスクドライブ、プリンター部をこの様に外します。

↑ フロッピーディスクドライブはドライブベルトが溶けてプーリーに
巻き付いていましたので、2台とも交換しました。
ついでにヘッドもクリーニングしておきました。

↑ 部品取りに用意した方のプリンターは完全に壊れていました。

↑ ここで漢字がプリントできない原因は何か・・・プリンターは正常動作を信じると・・・
後は怪しいのはメイン基板です。

↑ キーボードを外しメイン基板を入れ替えようとしました・・・
何気なくキーボードの裏を見ると、大きく腐蝕しています。

↑ 腐蝕の原因はメモリー用のニカド電池の液漏れでした。




↑ LSI周辺のプリント基板の極細パターンが各所に腐蝕が及んでいました。

↑ ディスプレーは元のものを使用
本体は部品取りからのものを使用
プリンターも元のものを使用
フロッピーディスクドライブも元のものを使用
これで組み立ててテストの結果、漢字は立派にプリントできました。
しかし、フロッピーディスクドライブは動作が完全には行われません。
2つのフロッピーディスクドライブを試しましたが同じでした。
結果をご依頼者様にお話をしましたが。保存、呼び出しは全然行わないので
かまわないと連絡を頂きましたので、追求しないことで完了といたしました。
部品取りに用意した同機種のワープロは大いに役立ちました。
ありがたいことです。
これが無かったら直らなところでした。
かねてより、静岡県の◯橋様よりご相談のありました
「1960年代日立真空管ハイブリットHi-Fiステレオ"シンフォニカ"DPF-8300MX」が、
やまと運輸の「らくらく家財宅急便」で届きました。

↑ 真空管と一部トランジスターを使用した、珍しい「ハイブリットステレオ」です。

↑ サイズ W 1200 H 740 D 400mm の大型サイズです。

↑ 当時の先端デザインです。
ラジオ部はFM/MWの2バンド
MMカートリッジ 4スピード リムドライブプレーヤーです。

↑ スピーカーは20cm+8.5cm2way密閉式です。

↑ 出力はプッシュプルの為10W+10Wと余裕の高出力になっています。
これから「お見積もりの為の仮修理」を行います。