1950年代後期のアマチュア手作りの2A3PP真空管電蓄の修復修理 の
お見積もりの為の仮修理でフォノモーターのダメージが酷く、
レコードプレーヤー部の修復不可と判定しておりました。
丁度、手持ちのレトロ電蓄の修復済みの日立製のプレーヤーがこのテーブルボードに
ピッタリ収まりまる事を確認、ご依頼者様のご了解を得まして、載せ替え工程に入りました。

↑ 完成後の画像です。 違和感がなく結構調和していて良かったと思います。


↑ 先ず、プレーヤーボードから、全ての物体を撤去して、一枚の板にします。

↑ 清掃したボードに載せ替えるレコードプレーヤーが収まるように、孔開けを行います。
ジグソーと木工ドリルで、あらかじめ作っておいた型紙の通りに大きな開口部と4箇所の
スプリングクッション部が合う15φの孔を開けます。

↑ 寸分違わず、ピッタリと合致しました。

↑ 電源コードと出力コードを新しく付け替えました。

↑ キャビネットに収めてみました。 うまくいっています。

↑ 30センチLPレコードが余裕でかかります。


↑ 底から見たところです。

↑ 撤去した全ての物体です。 珍しいものですので、保存をいたします。
まだ、プレーヤーの音出しは致しておりませんが、続いてアンプ部の修復の仕上げ工程が
進んだ時点で行います。
電源コードをコンセントから外しておいて、再投入した場合に時々起動ミスすることが
あります。
電源コードをコンセントに差したままではミスはありませんが、気になります。
つまり、起動が不安定です。 冬期はもっと不安定になります。
電源コードをコンセントに差したままで、リモコンでOFFして待機状態にしておくと、
確実に起動しますが、これは、電鍵回路に不具合があります。
いろいろ電源回路を徹底的に追求して解決に至りました。

↑ 部品交換後の基板の画像です。 黄色の矢印が交換済みの部品です。

↑ 一個だけ基板裏側に取り付けました。

↑ 交換済みの リレー/電圧制御IC/電解コンデンサーです。
いずれも経年劣化です。

↑ 画像の上半分が電源回路部分です。 少し色が黒くなっているのは、
部品の放熱によるものですが、直ちに問題が出るものではありません。







↑ エージングテスト中の地デジチューナーからの映像ですが、
非情に安定して画質、音質とも良好です。 さまざまな操作テストを繰り返します。
奇遇と言いますか、
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル 18RF1 を
前回に引き続き、埼玉県のご愛用のお客様から修復修理のご依頼を受けました。
前回にもご紹介しましたように、繰り返しになりますが、
この非常に珍しい東芝製「off シリーズのレトロ調カラーテレビ18RF1」 は
26年前、バブル経済絶頂期の頃の製品です。
当時、東芝はヤング指向のコンセプト商品として、
「日常生活からoff し、自由に暮らす、シングルライフのわがままに応える」 「オフシリーズ」の家電製品を発売いたしました。

↑ 症状は「突然、電源が入らなくなった」ですが、電源標示の赤ランプは点灯します。

↑ 先ず基板シャーシーを取り外します。

↑ 「電源が入らない」原因は関連回路が広範囲に及び最も判定が困難です。
故障診断の結果、電源リレーの不良が疑われます。

↑ DC12V電源リレーを交換します。

↑ 左 交換する新品電源リレー 右 不良電源リレー

↑ 交換後の画像

↑ 電源リレー交換後の基板裏側の画像

↑ 電源が入り起動し地デジチューナーからの映像です。

↑ ワールドサッカーのダイジェスト版を放映していました。

↑ 映りはまずまずです。 長時間連続テストを行い、変化が無いかチェックします。
電源コードをコンセントから外しておいて、再投入した場合に時々ミスすることが
あります。
電源コードをコンセントに差したままではミスはありませんが、気になります。

↑ そこで、電圧制御のICと16V100μF小型電解コンデンサーを交換しました。

↑ 16V100μF小型電解コンデンサーは電圧制御ICの熱の影響を受けにくい基板裏側に
ハンダ付けをしました。

↑ 電圧制御ICと電源リレー交換後の画像です。



↑ 結果、ミスは大幅に減少しました。


↑ もう1箇所の電圧制御ICの影響も調べる必要があります。

↑ 最後に懸念されるのがマイコンIC TMP47C6342426 の不良です。
これは入手不能のため絶望的になりますので、ここへ行くまでに解決出来ればと考えております。
1950年代後期のアマチュア手作りの2A3PP真空管電蓄の修復修理 の
お見積もりの為の仮修理でフォノモーターのダメージが酷く、
レコードプレーヤー部の修復不可と判定しました。

↑ 鋳造の頑丈なモーターカバーはきれいですが、肝心のモーターのコイルがレアショートして
焼けています。
ウォームギヤと変速部は大丈夫ですが・・・・・

↑ 経年劣化で絶縁不良です。

木板にステップル止めで配線ですから、今では考えられない、皆無の安全対策。
↑ 運良く手持ちのレトロ電蓄の修復済みの日立製のプレーヤーがテーブルボードに
ピッタリ収まります。

↑ 速度微調整付きになっています。

↑ 最重要の周波数は60Hzになっています。回転数はピッタリです。

↑ ピックアップカートリッジは新品のセラミックカートリッジに交換済みです。
昨日のテストで音質、音量は問題ありません。
プレーヤーボードを4箇所のスプリングで浮かせて、ハウリングを防止しています。
取り付けには、木板をジグソーで大きく切り抜きます。
予てより、鳥取県のお客様から修復修理でご相談をいただいておりました、
1950年代後期のアマチュア手作りと思われる、
2A3プッシュプル9球真空管式大型電蓄が、ヤマト運輸の「らくらく家財引っ越し宅急便」
で届きました。

↑ 典型的な当時の高級電蓄スタイルです。
流行の「だるま型」キャビネットの中でもかなり大型です。
私もこの手の電蓄を組み立てました。
サイズ W700 H900 D450mm

↑ 当時、アルミニュームシャーシーは孔開けなど加工のし易さで自作には
良く使用されていました。
しかし、シャーシーに直接ハンダ付け出来ないのが難点でした。
↑ こんなにきれいなターンテーブルは珍しいと思います。
大切に保管されていたことが窺われます。

↑ 丁寧な、部品配置と配線がなされています。


↑ ボリュームなどの接触不良の修復を行います。


↑ コンデンサー類の経年劣化が激しく特にペーパーコンデンサーの絶縁低下は
酷く、交換必須になります。

↑ 励磁型の25センチダイナミックスピーカーは片手では持てない重量です。


↑ スピーカーのコーン紙エッジ部分が部分的に破れがありますが、
ダンパーがしっかりしていますので、直ちに、音に影響が出ることはありません。


↑ 超大型の電源トランスは、懐かしい大阪の浦川電気製です。
真空管はST管GT管の混成です。
増幅のUY76の脚部がバルブとベースが剥離し脚部の銅線のハンダ付けが外れていました
ので、再ハンダ付けとベースの補強を行いました。

↑ とにかく全てのペーパーコンデンサーを交換しました。

↑ 交換した劣化不良のコンデンサーです。
この時点で、ラジオの受信は出来ますが、感度不良のための全ての調整を行い
受信感度の上昇を行いました。
本修理では電解コンデンサーも交換の予定です。

↑ 見た目は、ターンテーブルもピックアップアームもきれいですが、
残念ながら機能的には、終わっています。

ピックアップは完全に機能しません、修理不能です。


フォノモーターは回転不能です。なんとか回りかけますが。うなり音で停止します。
注油してもダメです。コイルのレア-ショートのようです。

↑ 他の日立ステレオから外した 78/45/33/16 回転4スピード60Hz/セラミックカートリッジの
レコートプレーヤーを仮接続して動作テストを行いました。

↑ 33回転LPレコード再生中

↑ 45回転EPレコード再生中
お見積もりの仮修理が終わりました。
出力が2A3プッシユプルとなっていますが、メーカー製の電蓄には見かけない
タイプです。
流石に音質の違いは感じ取れます。
78回転SPレコードオンリーよりも格段にこの電蓄の活動範囲が広がります。
また、少し入力端子の変更をすればカセットテープやCDからの音源の入力も可能です。
トリオ 4チャンネルステレオST-8VD/ST-7VDの修復修理で、
レコードプレーヤー部の修復修理が終了して、
アンプ部の点検清掃と動作確認を行います。

↑ 完成エージング中の画像です。

↑ 大型シャーシーの上面にギッシリと部品は位置されています。
部品同士の接触に注意しながら、清掃します。
肝心の各種ボリュームとセレクトスイッチなどが殆ど基板付けのため、
前方の奥まったところになり見えません。

↑ シャーシー裏面です。 各種基板が複雑な形で配置されています。

↑ 全てのボリュームとスイッチ類の動作確認で接触不良、ガリオームを点検します。
接点洗浄剤/接点復活剤を噴射注入の可能な部所に行います。

↑ 接触の不安定な4チャンネルなどのモード切替とラジオ、PHONOのセレクターの
2箇所のロータリースイッチは接点洗浄剤/接点復活剤を噴射注入可能な位置にありました。

↑ 4チャンネル左右バランスとフロント/リアのバランスボリュームも噴射注入可能でした。

↑ フロント/リアのヘッドホンジャックで確認しますと。微小なノイズがハッキリ判ります。
◎ PHONO入力で無入力時にボリュームを中から最大位置でサーというノイズは増幅度が
高いヘッドアンプの最前部のトランジスターの内部雑音ですが、入力時はかき消されます
のでトランジスタを交換するほどのレベルには至っていないと判断致します。

大変珍しい、トリオ 4チャンネルステレオST-8VD/ST-7VDの修復修理を
静岡県のお客様からご依頼を受けました。
主にレコードプレーヤー部の不調のため、センター部分のみお送り頂きました。



↑ この「トリオVライン」はST-8VDとST-7VDの2機種ですが、センター部のみ
お送り頂いたため形式名はどちらか不明です。
違いはスピーカー部の大きさの違いですから、センターアンプ部は共通です。

↑ 動作テストを試みました。
フルオートレコードプレーヤーはなんとか回転はして、音は出ます。
しかし、オート機構は妙な動きをします。そして変化したりします。





↑ ベルトドライブでレコードを回転用の4極シンクロナスモーターと、
オート機構部の24極シンクロナスモーターの2種類のモータを使用しています。
機構部は複雑です。




↑ フルオートの色々な動作をコントロールしているカムスイッチが各所にあります。
件年劣化で接点が劣化腐蝕して猛烈な接触不良を起こしています。
接点のクリーニング、磨きを行いましたが、効果がありません。



↑ 特にこのスイッチの接点のダメージは、単なる経年劣化ではなく、モーターと電源基板の
不具合による過電流の結果の、発熱による焼損です。
この時点で、フルオート機構の修復は不能と判断いたしました。
オール手動に改造して「音質重視」で進むことに致します。
幸い、レコードドライブモーターは健在です。接点が焼損したカムスイッチを外して、フルオートの機構を断念致しました。


↑ レコードドライブモーターの防振ゴムが縮小してモーターが下がり、
他の金具に接触して異音が発生しているため、薄いゴムブッシュを3箇所追加しました。

↑ フルオートからオール手動に変換後の裏面です。
安定した、ストレスのないスムーズな動作になりました。
次はアンプ部の点検補修を行います。
1988年製東芝ブラウン管カラーテレビレトロスタイル「offシリーズ18RF1」の修復修理は、
中身を入れ替える移植作業の仕上げを終了してエージング中で現在は全て順調です。
使い勝手で、制約の中で、映像調整等の外部から調整が可能に改善をいたしました。

↑ 交換移植したシャーシーには元々ビデオ入力端子が無いため「RF変換入力」に
ならざるを得ないわけですが、
テレビだけなら、1入力で良いのですが、
DVDもと言いますとピンコードを外して、いちいちつなぎ換える面倒を避けるために、
入力端子を増設しました。
しかし、地デジチューナー等の映像を見る場合はDVDからの入力ピンコードは必ず
外しておかないと、DVDの電源を切っていてもコードがつながっているだけで画質が
暗くなります。
DVDを見る場合は地デジチューナー等の映像入力ピンコードは外さなくて
も地デジチューナー等の電源を切るだけでOKです。
●入力端子を別に増設しても内部を並列に接続しています。
原因はインピーダンスの差異のためです。
切り替えスイッチを設ければ解決しますが、制約から大きく離脱します。

↑ 入力端子1入力の画像です。

総合的に非常に安定した動作と画質、に自分的には満足しています。
常識的に現物を見た場合、ここま出来るのかと、思いたくなると思います。
「あきらめないで、なんとかしてあげたい」一心でとり組んだお陰と思います。