予てよりご相談のありました、
1960年代初期のビクター真空管ステレオ「STL-595M」の修復修理の現物のお持ち込みを
いただきました。

↑ サイズ W 1155 H 465 D 370mm

↑ 全体にがっしりしたキャビネットでかなり重量があります。

↑ 下段の扉内にレコードプレーヤーがあります。

↑ がっしりした造りのプレーヤーです。

↑ 裏面の様子です。

↑ アンサンブルステレオでは大変珍しい密閉型スピーカーです。
2WAY構成密閉型です。
音質にこだわった造りのようです。

↑ シャーシーの脱着のやりやすい横置きシャーシーです。
1960年代ビクターHiFi真空管ステレオオーディオラ「BR-39」の修復修理は
エージングテストも順調です。
いよいよ完成をむかえました。

↑ キャビネットに組み込みが完了いたしまし。
キャビネットのクリーニングと木肌の見えた傷の補色と小傷などの補修を行いました。
きれいになりました。

↑ 独自の完全梱包により、製品を安全にお届けいたします。
本日、当ブログのメールフォームより、お問い合わせのメールを頂戴いたしました。
返信メールが届きませんので困っております。
お心当たりのお方様は再度直メールをお願いいたします。
下記のメールを戴きました。
送信者のアドレスに返信いたしましたが「メール システムエラー」で返ってきました。
もう一度↓こちらへ再送信をお願いいたします。
yoneden@nyc.odn.ne.jpよろしくお願い申し上げます。
↓ 以下 内容のコピペです。
□denkiDr様にメールフォームよりメールが送信されました。
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送信者:****************
日付:2015/10/26 21:31:28
件名:修理依頼
ホスト:153.151.167.8
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写真と同様のステレオ
親の形見でいただきました
動きません
ヒューズが飛びます
3秒程度で切れます
直したいのですが
お願いできるでしょうか
ステレオの形式が分かりません
写真で見る限り ホームページ写真と似ていますが
サイズが 違います
W1440 H785 D400
懐かしい音に触れたい想いです
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今年の初め頃に修理をさせていただきましたトリオ4チャンネルステレオ「ST-8V」ですが、
レコードプレーヤーが何か擦れたような異音に悩まされて、
ご自分で触られましたが良くならず、今度は全く動かなくなって緊急修理のために送って
頂きました。

↑ 早速、プレーヤーをはずし点検いたしました。

↑ 手前が修理のトリオ「ST-8V」のプレーヤー
奥がトリオ「ST-7V」のプレーヤーです。 殆ど同じです、部品取りに使います。

↑ 回転しない原因はフォノモーターの不良でした。

↑ モーターの下側軸受の支持部のダイキャストが劣化で破断していました。
この年代のダイキャスト製は同じような風化により脆くなり亀裂により破断します。
材質に問題があったようです。


↑ 異常音の原因はターンテーブルがテーブルボードに接触するためでした。
これは、ターンテーブルの回転軸の摩耗でターンテーブルが下がりすぎて、
擦れてしまったのでした。

↑ 下の画像がモーターとターンテーブルの回転軸を移植交換後の様子です。

↑ 「ST-7V」のプレーヤーが大変役立ちました。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の
設置の様子を送っていただきました。



↑ 安心して、どっしりと根を張ってください。
そして、うつくしい音を奏でてください。


↑ 修復修理にやって来たときは・・・・・
◎今回の修復修理の詳細記事は本ブログに掲載
◆1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の
修復修理VOL1~VOL9
修復修理費用 総合計 200,340円 (消費税込み送料込み)
◎ このレトロステレオの設置場所のご紹介
東京都 S様
以上 ご依頼者様のご了解を得て公開させて頂きました。
1960年代ビクターHiFi真空管ステレオオーディオラ「BR-39」の修復修理は問題点をクリア
しつつ完成度を高めながら修復修理を進めて行きます。

↑ 経年劣化のコンデンサー類の交換を進めながら、「音量ボリューム」の不具合を修理
します。 (画像中央)

↑ 非常に込み入ったシャーシー内の交換は注意が必要です。
このボリュームは音が絞り切れないため、ゼロの位置でもかなりの音量で鳴っています。
R/L別々に調整できる「2軸2連ボリューム」は現在入手不能です。
手持ちの「1軸2連ボリューム」で対応します。

↑ 短いシャフトの2連ボリュームを取り付け配線を行いました。

↑ シャフト接ぎを使用します。

↑ ギザギザの入ったローレットシャフトを付け足しました。


↑ シャーシー内部の全体像です。
手前の大きめの電解コンデンサーはブロック型電解コンデンサーを取り外して単体の
電解コンデンサーに交換したものです。
このステレオには「電源ヒューズ」がありません理由は不明ですが、安全面では不安が
ありますので「2Aガラス管ヒューズ」を直付けで取り付けました。
手前の白いものが絶縁体でくるまれたヒューズです。
断線時は故障発生時ですから、修理の時点で交換します。

↑ 取り外し交換する前の、円筒形のアルミケースのブロック型電解コンデンサーです。

↑ 交換済みのパーツ類です。
エージングテストは好調に進んでいます。 中々クリアな音色で、軽快な感じです。
50数年前のステレオと思えない活力を感じます。
1960年代ビクターHiFi真空管ステレオオーディオラ「BR-39」の修復修理は
お見積もりの仮修理を行います。
↑ キャビネットからシャーシーとレコードプレーヤーを取り外して仮修理を行います。

↑ シャーシー上面です。

↑ 前面はダイヤル、ボリュームなど操作部になります。

↑ 小型シャーシーの内部は抵抗・コンデンサーがぎっしり混み合っています。
コンデンサー類は経年劣化が酷く交換します。

↑ ボリューム・セレクタースイッチも経年劣化が激しくガリΩなど修復いたします。
「接点クリーナー・接点復活剤」を投入して回復を試みますが、2連ボリュームは
音量が絞り切れず交換の必要があります。
この時点でラジオ受信は行えます。

↑ レコードプレーヤーは手動操作ですが、ターンテーブルが回転しません。


↑ ターンテーブルを外して点検を開始します。

↑ プレーヤー裏面の様子です。 右のフォノモーターが健在のため助かりました。
フォノモーターの回転トルクがターンテーブルに伝達できないので、
その原因を探ります。


↑ 原因はフォノモーターを固定している「防振ゴム」が経年劣化で3か所の内1か所は
脱落して、あと2か所は縮小して位置がずれています。


↑ 分解して3か所の防振ゴムを交換しました。



↑ アイドラーを取り外してクリーニング、注油を行います。
周辺部分のクリーニングを行いました。


↑ 一連の修復修理を終えてプレーヤーの正常回転を確認しました。

↑ 次に経年劣化で、発電素子の不具合のクリスタルカートリッジは交換以外に方法がない為
新品交換をいたします。

↑ (左) 代替用セラミックカートリッジ (右)不良のクリスタルカートリッジ
現在はクリスタルカートリッジは生産も販売もありません。
手持ちのセラミックカートリッジを代替部品としてSP/LP兼用で使用します(性能は同じです)。

↑ 取り替えました。


↑ 音出しテストは良好です。
1960年代ビクターHiFi真空管ステレオオーディオラ「BR-39」の修復修理の
ご依頼がありました。
少しコンパクトな大きさのお手頃サイズの真空管ステレオです。

↑ サイズ W830 H330 D290mm 脚370mm のコンパクトサイズです。


↑ 小型ながら存在感があります。

↑ 後部の様子です。



↑ シャーシーの様子です。
電源投入で一応回路は生きていますが、各所に不具合が多発しています。
何とかラジオは受信できます。

↑ レコードプレーヤーはターンテーブルが回転しません。
カートリッジも動作していないようです。



↑ フォノモーターは回転しますが、防振ゴムの劣化でモーターが下がりすぎて、
速度調整の円盤がマグネットに接触しています。
完全修復を目指します。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の
修復修理は最終工程が終わり、最終テストも異常なく良好です。
独自の梱包も完了しました。

↑ 梱包完了、発送待機中。
オートチェンジャーは現在では非常に珍しく、操作方法を解説した資料もありません。
ここで簡単操作を公開いたします。

↑ [BSR]と書いたSドーナツ盤用「スピンドル」に1~7枚のレコードを乗せます。

↑ 「押さえアーム」をやや持ち上げながらレコードの上まで持っていき押さえます。

↑ 左のツマミを45回転に合わせて、右のツマミをいっぱいに回します。
一枚目が落ちてピックアップアームがレコードをトレースします。
終わると、ピックアップアームが元へ戻り、次のレコードが落ちて・・・・・・・・・・・・・・・
全てのレコードの演奏が終わると最後に停止します。

↑ 30センチLPレコードは[BSR]と書いた太いスピンドルを抜き取ります。
後は同じです。
45回転用スピンドルの取り付けは[BSR]の▼印を手前に合わせて差し込んでください。
↑ アンプチューナー部の操作は統一されていますので問題ありません。

↑ 本日15時30分ヤマト運輸に引き渡しました。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理
は最終工程に入りました。

↑ キャビネットの補修と組み込みを完了した様子です。

↑ 補修塗装工程は塗装面の劣化具合により使用する塗料が異なります。
下準備もマスキングテープで養生しながら順次行います。
塗装工程は途中のカメラ撮りは行えませんでした。
ある程度乾いた時点で、3回の重ね塗りのため、撮影が出来ません。

↑ 右側面の塗装は下地が酷く難しい状態でしたが、何とかきれいになりました。

↑ 一番ダメージの酷かった右側面からの全体像です。
天板の色むらと光沢感の消え失せた部分を補修するのは、塗装で行うとかえって悪くなって
しまいます。
そこで、現状のオリジナルを生かした艶感を復活させるためいろいろな方法で処理します。


↑ 左側面からの上部操作部分の全体像です。

↑ 脚をクリーニングしました。

↑ 見違えるように気持ちよく蘇った「FG-7000」です。
エージングテスト中です。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理
で、キャビネットの補修を続けます。

↑ スピーカーグリルサランネットが新しくなりました。 スッキリしました。
塗装の補修は後で行います。
以下はスピーカーグリルサランネット貼り替えの模様です。

↑ 先ず、スピーカーバッフルボードをスピーカーが付いたまま外す事にしました。


↑ 取り外しました。
パイロットランプの赤いレンズ/HITACHIのエンブレム/金色の飾り枠を丁寧に外して
オリジナルの古いサランットを慎重に取り外します。
ここでサイズ通り裁断準備しておいたサランネットを細幅の両面テープとホッチキスタッカー
を用いてシワの生じないように綺麗に仕上げました。


↑ 貼り替えが完成したスピーカーバッフルボードです。

↑ 貼り替えが完成したスピーカーバッフルボードをキャビネットに組み込みました。

↑ 予定通りの仕上がりになりました。
雰囲気が一段とアップしました。

↑ 元のサランネットは一緒にお渡しします。
次は塗装面の補修です。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理
で、もう一つの問題はキャビネットのダメージの補修です。

↑ スピーカーグリルの上の木目と金色のライン飾りの部分を補修してみました。
かなり細かな多数の色抜けがありましたのでコツコツ丹念にアクリル補修ペイントで色を
付けました。

↑ 離れて見ると、気にならなくなりました。

↑ この傷も補修を済ませています。


↑ 木製部分の傷、脱色、特に右側面の広範囲の脱色の処置が大変ですが、
進めていきます。



↓ 織り目の拡大画像です。

↑ スピーカーグリルのサランネットの交換の準備を行います。
素材は一流メーカーのスピーカーにも使用されている最高級の「難燃性」「耐光性」の
「ジャージークロスサランネット」を使用します。
最もよく合う2種類から、このステレオキャビネットにピッタリの「濃いグレー系」を使用の
予定です。
ブラウン系では浮いてしまいます。
1960年代真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理
の仮修理は詳細なエージングテストを行いながら進めております。
経年50年以上の機器は一通りの修理で「直った」と思って油断は出来ません。
永い眠りから通電して目覚め、可動し始めると数々のパーツの一部の経年劣化から潜在的
な不具合が浮上してきます。
その不具合を吐き出させるため、長時間連続の過酷なエージングテストを行います。
仮修理が順調に推移していますが、最初の段階からAMラジオ受信時に各局の感度差が少
し気になっていました。
例えばローカル局なのに感度が低く音量が小さく、異常に感度が良すぎて飽和状態の局が
あったりしました。 しかし、だんだん酷くなってきています。
この当時のラジオ受信回路はスーパーヘテロダイン回路を採用しています。
高感度、高音質、スムーズな選局で現在でもこの回路を進化させたラジオ回路が使用され
ています。
この回路には「AGC回路」使用されまして各局の感度差を自動的に平均に調整する回路が
搭載されています。
問題は何か・・・・・徹底的に解明しました。

↑ やはり、予想通り「AGC回路」の不具合でした。
画像右の黒い部品が不具合の元凶の「ゲルマニュームダイオード」です。
左の僅か2.5mmの小さな部品が交換用に使用する「シリコンダイオード」です。

↑ AGC回路の電圧測定で判断できました。

↑ 赤の矢印の黒い半導体です。

↑ 不良ダイオードを切り取った画像です。

↑ シリコンダイオードの取り付けをした画像です。

↑ 交換して症状が改善してテスト中のシャーシーの様子です。
スムーズな選局とラジオの音質も改善されました。
真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理は
完全修復をめざし進行しています。
レコード再生テスト中に時々右のスピーカーから音が出ていない時があります。
入力のピンジャックの接触不良がありましたので、接触をよくするように対策をしても
結果は良くなりません。
詳細に各部を調査してカートリッジの不良が判明しました。
↑ クリスタルカートリッジには寿命があります。
クリスタルカートリッジは、針先から伝わる振動を電気信号に変換する素子が
「ロッシェル塩」の結晶による圧電効果で発生しています。
素材は「塩」ですから経年劣化で溶ける性質があります。
製造後30年位からその現象が始まります。

↑ 左が取り外したクリスタルカートリッジ
右が現在のセラミックカートリッジです。 性能は似ています。


↑ 形状が全く違いますので工夫して交換を行います。

↑ 交換が終わりテストを行いました。 感度、音質良好です。
小さなツマミを飾りとして取り付けました。
オートチェンジャープレーヤーは良好に動作をするようになりました。
ここで、もう一つの問題が浮上しています。
それは、左右の音量調節のボリュームの不具合です。 「ガリΩ」は接点復活剤で修復しま
したが音量が絞り切れないのです。
つまり、音量を絞り切ってもゼロの位置でかなりの大きさの音が出ています。
これは経年劣化でボリューム(可変抵抗器)がゼロの位置では「0Ω」(ゼロオーム)にならず
に抵抗体の末端で抵抗値があるためです。
この解決法はボリュームを新品交換しかありません。

↑ とりあえず、シャーシーのパネルからボリュームを配線を切り取って外します。

↑ 取り外したボリュームです。
かなり特殊なボリュームですが現在では入手は絶望的です。
何とか代替品で間に合わさなければなりません。
●1MΩ/Aカーブ/2軸2連/タップ付/ローレットタイプボリュームです。
非常に特殊です。
つまり、抵抗値1000キロオーム/変化特性最初は緩やかに変化/軸が内外2重で2個別々/
左右同時に調整又は別々に調整可/普通は3端子更に+1端子/シャフトにギザギザのある
タイプ。

↑ 性能上の許容範囲内で「1軸2連500KΩAカーブ3端子」のボリュームを使用して交換
をいたします。

↑ 短シャフトの為、他のローレットタイプのボリュームから切り取った部分を継ぎ足しました。


↑ 交換作業が終わりました。 動作がスムーズになり、完全に音量ゼロに絞り切れました。
次はコンデンサー類と電源コード/ヒューズホルダーなどを交換いたします。

↑ 今回交換しましたパーツです。

↑ 交換終了後のシャーシー内部の様子です。


↑ シャーシー上面の様子です。
電源回路の平滑用のブロック型大容量の電解コンデンサーは現在は製造しておりませんので
単体の電解コンデンサーに置き換えましたので部品点数は増えております。
以上コンデンサー類の交換により安定度が良くなり全体的なパフォーマンスが向上いたしました。
真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理は
回転動作不良のレコードプレーヤーオートチェンジャーの仮修理を続行中ですが、
何かと問題が山積です。一つづつクリアして行きます。
流石MADE IN USAです。当時は確かに日本の何歩も先を行っていました。
しっかりした造りです。
このステレオの最大の目玉はなんと云っても「オートチェンジャー」ですから完全修復を
めざして驀進中です。

↑ 直径約30センチのターンテーブルマットを切り抜いて合わせます。

↑ 外周と内周ときれいに切り抜き両面テープで貼り付けました。

↑ テスト中ですが一枚目のレコード盤のスリップは直りました。
しかし2枚目以降が一枚目のレコードの上で時々音が乱れます。
つまり回転がふらつきます。
これは、一枚目が下に落ちて、その上に2枚目が乗って回転中に時々スリップするのです。
色々あらゆることを想定して試しましたが、あまり効果が出ません。

↑ レコード針がかなり摩耗していましたので、新しいダイヤモンド針に交換しました。
結果は少し良くなりました。
しかし、完璧ではありません。
一番最初に感じたことが、このピックアップアームの形状から見て当時のクリスタルカートリッジ
としてかなり針圧が重いように感じていました。
しかし、オートチェンジャーの場合は普通のプレーヤーよりも重く設定してあるのが多いと云う
認識が強くありました。
そこでピックアップアームを詳しく調べました。

↑ 原因がはっきりしました。画像にある「針圧調整スプリング」が欠品していました。
手持ち部品の中から適当なスプリングを見つけて取り付けました。
針圧が正常になりました。

↑ EPレコード(ドーナツ盤)を7枚セットしてテスト中です。 好調です。
最初の場合30センチLPレコードはレコード盤が重いのでスリップはありませんでした。
真空管式日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」の修復修理は
引き続き回転動作不良のレコードプレーヤーオートチェンジャーの仮修理を行います。

↑ この種類のオートチェンジャーは当時はまだ国産は無理なようでした。
多分アメリカ製のものをパーツとして輸入していたようです。
キャビネットから取り出して仮修理を行います。

↑ 半世紀以上の時の流れを感じます。

↑ 左の筒状のものは45回転EPレコード用の自動落下装置のアダプターです。
中央の長いシャフトは33/78回転レコードの再生時はこのまま使用いたします。

↑ 全く動かない原因を調べます。
ターンテーブルを外して「モーターキャプスタン」→「アイドラー」→「ターンテーブルリム」
への動力の伝達を調べます。
兎に角油分が固まっています。クリーニングと注油で潤滑性を高めます。

↑ 左から「アイドラー」→「モーターキャプスタン」→「センターシャフト」
→「オートリターンギヤ」等のクリーニングと注油を行います。

↑ 次に裏面のメカを同様にクリーニングと注油を行います。

↑ 普通のプレーヤーより大がかりなメカで頑丈に作られています。

↑ フォノモーターとスイッチ部分です。 メカの可動部分の古い油分を除去して注油を行い
ます。

↑ 動作テストをレコード盤なしで動かしてみます。 何とか回転に漕ぎ着けました。

↑ 45回転EPレコードでテストしてみます。
オートチェンジャー動作を回復しましたが、リターンの時かなりトルクがかかり動作が鈍ります
ので少し手で介錯してやると次の動作に進みます。
何度も繰り返しエージングテスト中に良くなっているようです。

↑ テスト中の様子です。

↑ 30センチLPレコードのテストの様子です。時々回転が乱れます。

↑ 原因はゴム製のターンテーブルマットが煎餅のようにパリパリになって弾力性を失って
レコード盤がスリップしていました。 交換を行います。
予てよりご相談のありました、日立オートチェンジャーHiFiステレオシンフォニカ「FG-7000」
の修復修理の製品が福山通運で届きました。
早速開梱して点検仮修理を始めました。
全く電源が入らないということです。



↑ オートチェンジャー搭載の日立シンフォニカです。
レコードを5~8枚載せて一枚づつ下に落ちて自動で演奏するオートチェンジャーです。
このオートチェンジャーは多分USA製だと思います。

キャビネットはかなりダメージがあります。

↑ 後部から見た内部の様子です。

↑ シャーシーは当時の流行のタイプです。

↑ とにかくシャーシーを下します。

↑ 通電しないのは電源ヒューズが飛んでいました。
しかし、原因究明をしないとまた飛びます。


↑ 診断の結果倍電圧整流回路の大容量電解コンデンサーの不良でした。
良品を仮付して動作を確認しました。
各所に不具合がありますが、とりあえず、不完全ながら音出しOKになりました。

↑ 注意深くテスト中です。
次の工程はオートチェンジャーが動作するように修理を行います。
イコライザー付真空管プリアンプの修復修理は電源部の組み込みに成功して、パーツの
交換、動作テストを終えて完成を迎えました。
困難な個所がありましたが、制覇出来ました。

↑ 前面の様子です。

↑ 電源スイッチ、電源コード、出力端子が加わり様子の変わった後部です。

↑ 4か所のゴム足を新しく取り付けました。
一般の方から見ればただのスクラップに見えてしまいそうな物体が息を吹き返して
レトロオーディオ愛好家に愛されることでしょう。
イコライザー付真空管プリアンプの修復修理は電源部の組み込みに成功して動作テストの
結果、各部に不具合があり少しショックを与えてだけでバリバリッと雑音が出ます。
原因はカップリングコンデンサーに使用されているオイルコンデンサーの劣化不良でした。
コンデンサー類の交換に取り掛かりました。

↑ 殆どのコンデンサー類を交換したシャーシー内部です。
真空管が横置きのため部品が立体的に重なり合っているため交換は難しくなります。

↑ 現時点で交換したパーツです。

↑ シャーシーテスト中の様子です。
各入力端子の動作確認中に「MAG」のセクターがおかしい???・・・・・・・・

↑ セレクターのロータリースイッチの強度の接触不良ですが、接点復活材などでは修復
不能です。

↑ セレクタースイッチを新品と交換します。

↑ 「3回路3接点」のものが必要ですが「3回路4接点」のものを流用します。
(撮影用に「2回路6接点」のものを使用しています)

↑ 交換途中の画像です。 ウカッとしていると熟練しているものでも油断できません。

↑ 交換終了です。

↑ 使い勝手の良いように、出力端子を設けました。

↑ 最終工程のシャーシー内部の様子です。 スッキリまとまりました。

↑ エージングテスト中です。 スッキリしたきれいな音に仕上がっています。