ソニー業務用カセットテープレコーダー「TCM-1390」は本来、業務/教育、などでの使用を
前提に頑丈に作られた優秀な製品ですが、さすがに長年の酷使には耐えられません。
故障の症状は
①「再生途中にテープが巻きとられずにたるんでしまって絡まってしまう。
②テープカウンターがカチカチ音がして動作が異常
と云う状態です。


↑ 画像はカセットデッキ部の一体部分を移植交換してテスト中の様子です。
以下、分解修理、原因究明の工程です。



↑ 到着後にテープを数分間再生しましたが、直ぐには症状は出ませんでした。
しかし、直感的に「TCM-1390にしては音質がいまいち、しかも回ムラ?によるフラツキ」が
認められました。
分解しして詳細に調べます。


↑ カセットリールドライブの直径20mmの小さなアイドラーのゴムが摩耗で変形しています。
均一な厚みがなく段が付いています。
これがテープが絡み付く原因です。

↑ やはり、酷使による各所の摩耗が原因しています。
ベルトやアイドラーの摩擦により摩耗しています。その粉塵が飛び散っています。
↑ 録音再生ヘッドも極端に摩耗しています。音質の悪さが頷けます。
症状改善の方策を試みましたが、改善されず、このカセットデッキアセンブリの修理を諦めて、
手持ちの良品中古のカセットデッキアセンブリを移植交換することに決めました。

↑ 交換に使用するカセットデッキアセンブリの表側

↑ 交換に使用するカセットデッキアセンブリの裏側

↑ 移植交換を行いテスト中の様子です。

↑ ドライブベルトを新しく交換しておきます。


↑ 交換後のテスト中の様子。

↑ 取り外した不良のカセットデッキアセンブリです。

↑ 不具合が出ないか繰り返し長時間の再生テストを行います。
予てよりご相談のありました、 1940年代初期と思われるドイツテレフンケン製の
ラジオシャーシーのみが送られてきました。キャビネット/スピーカーなどはありません。

↑ ダイヤル表示板は放送局名が記載されています。





↑ 真空管5球使用のラジオ受信機のシャーシーです。
シャーシー中央の錆びた鉄函の蓋を外してみます。


↑ 中は3連バリコンです。
つまり、ラジオは高周波2段増幅のラジオです。
当時はまだスーパーヘテロダインラジオはなかったようです。







↑ シャーシー内部の様子です。

↑ フィリップス製の真空管です。 脚の部分がすごく初期のもので変わった形をしています。

↑ 真空管ソケットも変わった形です。
全体的な内容は痛みがひどく印象では、ものになるか非常に難しいところです。
多分キャビネットから放り出して長期間放置されていたと思います。
キャビネットに収まっていればこんなことはありえないと感じました。
配線も各所が断線しています。
電解コンデンサーらしきものも外そうとしてネジごと外されています。
なにか、気になるのは雨に打たれたのではないかと想像できるような錆とホコリの付
き方です。
スピーカーの出力トランスだけが外して同梱してありました。
電源は230ポルトですから、国内の100ボルト電源では動作しませんので.昇圧トランスが
必要です。
今後、詳細な点検を行って、電源トランスの絶縁状態と回路の絶縁/短絡を調査して別の
スピーカーを接続して様子を見る予定です。
1940年代のメーカー型名不詳の並四ラジオの修復修理は紆余曲折しながら完成を迎えま
したが、最初にご依頼者からご相談のあった「音量調節」の問題が気になります。
本来、並四受信機には「音量調節器」は回路設計上備わっておりません。
理由は、昔はその地域にラジオ放送局は1~2局でした。
音量調節は再生バリコンと同調バリコンで事足りました。
しかし、多局化とビッグパワーの放送局が乱立する昨今ではダイヤルをずらせて音量を加
減すると猛烈な「混信」の問題が発生します。
やはり現状では並四ラジオに音量調節器が必要になります。

↑ 3ポジションのツマミの数と位置はそのままでボリュームを組み込むには、
「スイッチ付ボリューム」を使用します。 今では殆ど入手の難しいパーツです。
シャーシーとキャビネットの穴の位置からサイズが限定されます。
私はいつもこのような状況に備えてパーツの確保をしております。

↑ 中程度のサイズで「500KΩAカーブS付ボリューム」を使用します。
シャフトの長さを接ぎシャフトで調整します。

↑ 電源スイッチをはずして、代わりにS付ボリュームを取り付けます。

↑ シールドワイヤーで配線を行います。

↑ キャビネットの中央の穴は少し大きく広げました。
↑ ツマミを取り付けますと、元通りですが、機能的にはアップしました。
電源ON/OFFと音量調整がスムーズです。
1940年代後期のメーカー型名不詳の並四ラジオの修復修理の不具合をご指摘
いただいている5項目の内で、
③ チューニングが大幅にずれている ・・・
これが意外に難しく 前回VOL4でいろいろな対策を試み最終的に落ち着いておりました。
しかし・・・・・エージングテストで日に日に僅かづつズレが現れてきます。
どーも納得が出来ません。
梱包間際になって、もう一度アタックしました。

↑ 完成画像です。

↑ ダイヤル窓のアップ。
前回の流れでダイヤルナイロンロープのスプリングの強さで調整を行って
引っ張り強度が弱い方が具合が良い最適な状態を見つけて、一応落ち着いていました。
しかし、日に日にどんどんずれています。
ここで、「一本のスプリングでは反対方向のバランスが悪いので「ズレ」が生じるのでは
ないか」・・・・・
そこで、両方向に2個のスプリングを取り付けて試しました・・・・・
見事に失敗です。
右回し、左回しは同じトルクですが、スプリングが弱すぎてうまく回転しません。
万事休す!

↑ 逆転の発想です。 失敗から色々名案が湧きます。
そうだ、スプリングがあることが問題なのです。
ストレートにダイヤルロープを架けてみよう。
ビンビンに架けないとスリップします。
しかしこんな小さな構造では細いナイロンロープ強力に架けるのは不可能です。
そこでシャフトに対して巻き付け回数を増やし抵抗を大きくして滑りを押さえました。
画像がストレートに双方とも5回巻つけを行い好結果を得ました。



↑ シャーシーの裏側から見るとよくわかります。

↑ ダイヤル操作がスムーズです。
バリコン直結にもかかわらず微調整も格段に楽にできます。
殆ど新品のまま永い間、倉庫に眠っていた、製品だそうです。
道理できれいすぎると思いました。
それでも、経年劣化には、勝てない・・・・・不具合があります。

↑ 開けてびっくり!しました。

↑ 新品の輝きを放つ、まるでタイムスリップしたような感じです。
オートチェンジャー搭載です。



↑ オートチェンジャーはアメリカのメーカーのOEMです。

↑ 「HITACHI」のエンブレムもピカピカ輝いています。

↑ 後部の様子です。





↑ 内部のシャーシー・スピーカーもまるで新品のようです。

↑ エコーユニットです。

↑ 一応音出しを行いましたが、すぐには不具合が出にくいものです。
潜在的なトラブルは徐々に出てきます。
暫くオートチェンジャーを動作させて、不具合を確認できました。
予てよりお問い合わせをいただいておりました、大きな荷物が「ドカッと」届きました。
1966年製豪華ビクターアンサンブルステレオ「STL-740MG」は
日本のステレオ産業史に残る異色の製品です。
以前に或るサイトでモノクロ写真を見たことがあり実物を見たい欲望がありました。
同じ製品があの有名な画家の岡本太郎氏のアトリエに置いてあったそうです。
ところが今、目の前にあるのです。
憧れの、「STL-740MG」と遭遇しているのです。
なんという奇遇でしょうか。

↑ サイズ W1300 H490(脚含まず) D465mm 質量 50kgはありそうです。

↑ 音と美術を合体させようとしたのでしょうか。
中央の額縁に好きなアートなどをはめ込みできます。

↑ 脚部(台)を外して送られてきました。




↑ 重厚なキャビネットは所々痛みがあります。

↑ 後部の全体像です。



スピーカーは音質とハウリングなどを考慮して密閉式になっています。



↑ 上面の操作部分の様子です。 綺麗に手入れを行います。


↑ アンプチューナー部は4ブロックになっています。
さあ・・・修復が楽しみです。
1970年代日立Lo-D4チャンネルステレオ「S-25」の修復修理は本修理仕上げ工程中に
パワートランジスタの不具合が見つかり交換のハプニングがありました。
交換後のエージングテストは順調です。
いよいよ、キャビネットに組み込みを行いました。

↑ 完成画像です。


↑
↑ レコードプレーヤーを接続してのエージングも順調です。

↑ キャビネットに組み込み前に操作パネル面とツマミのクリーニングを行います。

↑ ツマミは経年の汚れを洗剤に浸してブラッシングしてきれいになました。


↑ キャビネットのクーニングを隅々まで丁寧に行います。

↑ シャーシーの組み込みを行います。


↑ プレーヤーの組み込みを行い、ツマミを装着します。

↑ 組み込み完成です。 別のスピーカーを接続して最後のテスト中の様子です。
往年「Lo-D」の愛用者も多く、当時は各メーカーが技術力を競い合って、
それぞれの音の特徴でオーディオユーザーの心を掴んでいました。
1970年代日立Lo-D4チャンネルステレオ「S-25」の修復修理は
本修理仕上げ工程に入りました。

↑ エージングテスト中の様子です。

↑ 電源コード/ ヒューズホルダー/ガラス管ヒューズを交換いたしました。

↑ ラジオ受信で動作テスト中に突然プツッと途切れ、電源再投入又はショックを与えると
復帰する症状が出ました。

↑ 原因調査を行い、基板内パワートランジスタ付近のショックにより不具合が発生します。
電圧測定からパワートランジスタの不良と断定しました。

↑ 基板裏面の様子です。 左がパワートンジスタ出力基板です。
パワートランジスタ回路から5個のトランジスタを交換します。

↑ 画像上が新品のシリコンパワートランジスタ 「日立製」 2SC1061 ×5個
(日立製 2SC1418 ×4個 を同等以上の「2SC1061 ×4個」に置き換えます)
下画像が取り外した劣化のパワートランジスタ「日立製」 2SC1060 ×1個
「日立製」 2SC1418 ×4個


↑ パワートランジスタを取り外し、交換を行いました。

↑ 交換後のパワートランジスタアルミ放熱板付近の画像です。

↑ 交換後の基板の全体像です。

↑ シャーシー後部のスピーカー端子付近の内部画像です。
以上で約5時間の連続通電テストで異常は解決いたしました。
1940年代後期のメーカー型名不詳の並四ラジオの修復修理の不具合をご指摘
いただいている5項目の内で、
③ チューニングが大幅にずれている ・・・これが意外に難しいのです。
このラジオは本来キャビネットとシャーシーは全く別物なのです。
また、ダイヤル文字盤なども別のものを無理に合わせています。
バリコンとダイヤル機構は想定外の方法で行っております。
殆どのラジオは微動ダイヤル機構を採用しています。
このラジオはバリコン軸にツマミをつけています、直結です。
しかも、この軸にダイヤルロープを巻き付けてあります。
そのロープでダイヤル文字盤を回しています。
選局同調の不便さを無視すれば使えますが、・・・・・
しかし、少しでも使いやすく出来ないものか、苦慮しておりました。
今まで、現状のパーツで改良を試みますが、毎日エージングテストで使用して
いつの間にか最初の大幅なずれ方ではなく微妙にダイヤル文字盤の位置が
づれています。
今まで行った対策は
◎ダイヤルロープのかけ方を変更
◎ロープ滑車を取り付けました。最初よりかなり回転が軽くなりました。
◎最初のボンド接着していた文字盤軸受けが外れ受け金具作りビス止めしました。
まさか!の事態でした。 力のかかる個所をボンド付とは?????
◎キャビネットに組み込みテストを行いますが、文字盤が変形しているため
部分的に木部に擦れてしまいましたの、ドライヤーで加熱して変形を修正。
シャーシーの角度を調整して位置決めを行いました。
その他色々試しました。
ご依頼者には遅れまして申し訳ございませんが、
まさか、ダイヤル機構で苦労するとは想定外でした。
今回は今まで行った中で会得したポイントを重点的に改良を加えて現状の
超簡易ダイヤル機構を攻略したいと思い挑戦を行いました。

↑ 完成画像です。 ダイヤルツマミが軽く回ります。

↑ 今までに試していなかったのは、スプリングの強度です。
試しに3倍ほどの強いスプリングでダイヤルロープを架けてみました。
しかし、ダイヤルツマミをまわす力が重くなりますので断念しました。

↑ スプリングが弱い方が良いことが分かりました。
しかし、文字盤を回す力が弱くなりロープがスリップすることになります。
そこで、ロープを軸に巻きつける回数を3回から4回に増やしました。
そして、スプリングの張り具合を弱くしました。
双方を同じ4回巻にしました。
結果は回転が軽くなり、微妙な調整も楽になりました。

↑ この状態がベターです。
後はズレが発生する度合いをエージングで確認します。



↑ アンテナコイルから再生検波管UZ57のグリッドに入っている「250PFマイかコンデンサー」
と「1.5MΩカーボン抵抗」をラジオの選局感度を上げるために交換しました。
並四ラジオはあなどれません、100パーセント近い完成度が要求されるのです。
つまり性能に余裕がないのです。
後は真空管の「エミ減」が懸念されますが、もし真空管を交換して感度を上昇させると
今度は「混信」と「音量過大絞り切れず」の問題も発生します。
「たかが並四、されど並四」 昔の人は上手に操っていました。【解説】 「エミ減」≒エミッションの減少、真空管内部で放出される電子流の量が少なくなり
増幅度が低下する現象。
1970年代ビクター真空管ステレオHi-Fiオーディオラ「BR-340M」の修復修理は
最終仕上げ工程に入りました。

↑ 完成画像

↑ 仮取り付けをしていた「インバーター電源」と「外部入力端子」の配線を行いました。
レコードプレーヤーの裏面に「インバーター電源」と「外部入力端子」の集約配線は
私、オリジナルの技術により行いました。

↑ 当時の主流の上面操作の為垂直に取り付けられたシャーシーを外して下しました。
いろいろな接続コードが直結でぶら下がっていますから厄介です。


↑ ボリュームを回すとガリガリ、ジャリジャリノイズの原因のガリΩを修復するため、
各ボリュームの内部接触面に接点クリーナー/接点復活剤の注入を行い丹念にすり合わせ
を行い接触面を活性化します。

↑ インバーター電源等の取り付けを行います。

↑ キャビネット底部の「脚取り付け金具」の取り付けを強化しておきます。
底部に配線された「フィダー線」は「内蔵FM簡易アンテナ」です。


↑ 点検の終わったシャーシーをキャビネットにマウントします。

↑ レコードプレーヤーの4か所の防振スプリングがかなり、経年劣化でアンバランスになり
収まりが悪く修正に4か所のスプリングを一旦外して修正とウレタン系の緩衝材を巻き付けて
調整を行い再取付をいたしました。
キャビネットにプレーヤーボードの接触による痕跡(塗装の剥がれ)がありました。


↑ すべてのマウントが完了した様子です。


↑ 横長のスプリングのユニットはエコー装置のリバーブマシンです。

↑ 完成の後部からの様子です。

↑ 完成の前部からの様子です。

↑ 立派に蘇えってくれると、苦労が吹っ飛びます。
少し高い位置からズームで撮影です。
1970年代ビクター真空管ステレオHi-Fiオーディオラ「BR-340M」の修復修理でレコード
プレーヤーの「フリーヘルツ化」をテストする前に行っていたフォノモーターの防振ゴムの経
年劣化を修復する工程をご紹介するのが後になってしまいました。


↑ フォノモーターを定位置にマウントしてモーターの振動を抑制するために3か所を
ゴムブッシュで吊ってあります。
しかし数十年の経年劣化で変質して溶けて変形して、モーターを支持出来なくなっています。
溶けて固まったゴムを削り落として新しいゴムブッシュを取り付けます。


↑ 2か所目を交換します。 (撮影位置が変わっています)


↑ 3か所目を交換します。 (撮影位置が変わっています)

↑ すべての防振ゴムの交換が出来ました。

↑ アイドラーを取り外してクリーニングとシャフトに注油をしました。


↑ プレーヤーメカの修復が終わり、「フリーヘルツ化」で60Hzでテストを行います。
※ VOL2とVOL3のアップが逆になりました。
1970年代ビクター真空管ステレオHi-Fiオーディオラ「BR-340M」の修復修理での必須条件は
レコードプレーヤーの「フリーヘルツ化」の問題です。
今までの変更方法はモータープーリー(キャプスタン)を交換すればOKですが、
現在はモータープーリー(キャプスタン)の入手は全く不可能です。
50Hzのレコードプレーヤーを60Hzで使用しますとフォノモーターの回転がかなり速くなります。
例えば33回転LPのポジションで45回転のEPレコードをかけますとやや遅めですがなんとか
聴けます。
家庭の電気は交流(正弦波=綺麗な山と谷のなめらかな波形)の100ボルトです。
しかし周波数が地域により異なります。
富士川(静岡県)と糸魚川(新潟県)を境に東側は50Hz、西側が60Hzになっています。
この問題を確実に解決するには「周波数変換装置」を取り付ければ良いのですが、
非常に高価になります。
私はこの問題を解決するため、あらゆる方法を試験的に行い、
最終的に現在「スイッチング電源装置とインバーター電源装置」の組み込みにより
日本国中何処でも安心して使える「ヘルツフリー化」を実現いたしました。

↑ スイッチング電源装置とインバーター電源装置の仮取り付けを行いました。

↑ テストを行います。
元々50Hz用でしたが、インバーター電源で50Hzに変換された「100V正弦波電源」で正確に
回転しています。

↑ 33回転lLPレコードの再生テストの様子です。



↑ 45回転EPレコードの再生テストの様子です。


↑ 連続テストを行ってインバーター電源の発熱もありません。 好調です。
1970年代日立Lo-D4チャンネルステレオ「S-25」のお見積もり仮修理は次の工程へ進みます。


↑ 経年劣化により全く音を発しないピックアップはカートリッジの不良と判定いたしました。
赤色の針の付いた方が元の不良カートリッジです。
青色の針の付いた方が調達した良品の「楕円針付MMカートリッジ」です。


↑ 交換を完了してテストを行います。

↑ テストの前にプレーヤーメカ全体のクリーニングと注油を行います。

↑ 各部に錆汚れがありますが、丁寧に清掃を行います。


↑ 塗装の劣化やメッキの剥落などありますが、見違えるようになりました。

↑ レコードの再生テストを行います。
素晴らしいです。
半世紀もの間眠っていたとは思えない、新鮮な躍動感のある音を奏でております。

↑ プレーやーは50Hz仕様ですので当地60Hzの為回転数はかなり上がっています。
VOL1の工程でアンプ部分は電源スイッチ/各ボリューム/セレクタースイッチの接触不良
を改善する接点クリーナー/接点復活剤の注入を終えて、AM/FMラジオでエージングを
行って、結果は良好でした。
今回カートリッジの交換を行いレコードを回してみて改めて素晴らしい音に出会いました。
ご依頼者がお父様から譲り受けられた、1970年代ビクター真空管ステレオHi-Fiオーディオラ
「BR-340M」の修復修理のご依頼がありました。
特にレコードプレーヤーに問題をかかえております。

↑ サイズ W 845 H 775(脚含む) D 340mm



↑ 綺麗に保存されていました。

↑ 後部の様子です。


↑ シャーシーの様子です。

↑ 左スピーカー

↑ 問題のレコードプレーヤーです。

↑ ターンテーブルを外した状態です。 アームリターンギヤがありません。

↑ アームリターンギヤは外して別にありました。

↑ アームリターンギヤの表面

↑ アームリターンギヤの裏面

↑ フォノモーターのマウント防振ゴムが経年劣化で溶けて変形しています。

↑ フォノモーターのマウント防振ゴムが経年劣化で溶けて変形しています。

↑ フォノモーターのマウント防振ゴムが経年劣化で溶けて変形しています。

↑ フォノモーター巻線の50Hz/60Hzの切り替えタップですが、
回転数の変化は殆どありません。
基本的にはモータープーリー(キャプスタン)を交換しないと変化しません。
モータープーリー(キャプスタン)は入手不能の為、Hz(ヘルツ)の変換を行う必要があります。
これにより「ヘルツフリー化」が実現いたします。
予てよりご相談を頂いておりました、1970年代日立4チャンネルステレオ「S-25」の修復修理
ですが、非常に珍しい製品です。
当時の日立4チャンネルステレオは現在は希少です。
何台ほど生産販売したのでしょうか不明です。




↑ センター部の様子です。




↑ 基板中央の縦長のPHONO/FM/AM/AUXのセレクタースイッチが猛烈な接触不良
です。
多接点スライドスイッチを回転ツマミでセレクトしています。
先ず、接点復活剤を注入して丹念にすり合わせを行い接触不良を改善します。

↑ テスト用のスピーカーをフロント/リア合計4台を接続してテストを行います。
やはり「リア」に問題があります。
詳細に原因追及を始めます。

↑ レコードプレーヤーを点検します。

↑ ターンテーブルを外します。

↑ 小径のドライブベルトは珍しいです。

↑ 裏側のメカは他社製品よりかなり簡単構造です。
複雑なメカよりトラブルは少ないと思います。
この時点で一応ターンテーブルの回転とリターンなどの動作はしております。


↑ 音出しを確認しようとしましたが、カートリッジが全く機能していません。
交換以外に対策はありませんので、別のプレーヤーのカートリッジを仮付してテストを
行いたいと考えております。

↑ すべてを取り出して空っぽのセンターキャビネットです。

↑ 修復修理の可能性を確認できました。