1965年製ビクター真空管式HiFi STEREO AUDIOLA「BR-661FM」の修復修理の
次の工程はレコードプレーヤーの詳細点検を行い修復をいたします。


↑ プレーヤーを取り外します。



↑ ターンテーブルを取り外します。


↑ アイドラーの動きが重くなっています。 後でクリーニング分解注油を行います。





↑ フォノモーターマウントの3ヶ所の防振ゴムが経年劣化で変質溶解して
変形、のちに硬化しいます。
その結果、モーターの回転トルクがターンテーブルに伝導されません。

↑ レコードプレーヤー裏面です。


↑ プレーヤーボードとモーター固定金具に付着して変質硬化したゴムの残骸を
全てきれいに削り落として、新しい防振ゴムを付け替えます。

↑ この大きなリターンギヤの取り付けが微妙に狂っています。軸が曲っているようです。
このままではアームが戻りません、 修正を行います。



↑ 防振ゴムの交換を完了して、各部に注油を行いました。

↑ プレーヤー全体をクリーニングして、動作テストを行います。


↑ レコード再生テストは、正常動作を取り戻しました。
クリスタルカートリッジは幸い生きております。 音出しに問題はありません。
予てよりご相談頂いておりました、
1965年製ビクター真空管式HiFi STEREO AUDIOLA「BR-661FM」の修復修理の製品が
が厳重に梱包されて「佐川急便」で届きました。

↑ サイズ W1140 H550 D370 mm

↑ この660シリーズモデルのビクター真空管式HiFiSTEREO AUDIOLA「BR-661FM」は
初モデルは1963年に製造発売されました。
フルモデルチェンジがなく3年間で30万台販売のヒット製品でした。
搭載のレコードプレーヤーがオートチェンジャー搭載の製品などがありました。

↑ 後カバーを外した様子です。

↑ 右スピーカー(3WAY)
エコーユニットが縦に取り付けられています。

↑ 左スピーカー(3WAY)

↑ シャーシー部分です。


↑ 前面操作部分とレコードプレーヤー収納部です。

↑ 点検の為シャーシーを取り外し下します。

↑ シャーシー上面の様子です。

↑ シャーシー上面を逆側からの様子です。

↑ シャーシー内部の様子です。


↑ 各ボリュームの酷いガリΩを修復の為「接点復活剤」の噴射注入を行いすり合わせを
行いました。


↑ ラジオMW(AM)/FMの受信テスト中に猛烈な連続雑音が発生しました。
これは明らかに本体内部から発生している雑音です。
「ジャーッ」と連続雑音です。

↑ この、ピアノスイッチ式の周辺から出ています。
接点復活剤を噴射注入を行った後でも発生しています。

↑ 調査の結果この電源スイッチの不良が判明しました。
マイクロスイッチの接点の接触不良により発生する「火花雑音」でした。

↑ マイクロスイッチを交換して雑音はピタリと止まりました。
安全性、安定性、を保つため電源回路の電解コンデンサー類、電源コード、ヒューズホルダー
等を交換の予定です。
次回はレコードプレーヤーの点検修復を行います。
サンスイ初期の真空管セパレートステレオ「APS-410」(アンプSAX-100)の修復修理は
次の工程へ進みます。

↑ 真空管式チューナーアンプはコンポタイプで独立していてセンターキャビネットの前扉内
の中段に収納されます。



↑ セパレートステレオで珍しいリムドライブのレコードプレーヤーは防振ゴムが
経年劣化で溶けて固まりフォノモーターが既定の位置より下がってしまい動力が
伝導できず、ターンテーブルが回転しません。
徹底的に修理を行います。

↑ 大型の4極インダクションモーターは回転していますが、モーターを取り付けしている
防振ゴムが経年劣化で溶けて硬化しているため、位置ずれを起こして、ターンテーブルが
回転しません。






↑ 凄いことになっています。


↑ モーターを防振ゴムで固定している3ヶ所のCリングとワッシャーをはずします。


↑ モーターをボードから外します。

↑ プレーヤーボーを清掃します。

↑ モーターの固定金具を清掃して準備を行います。




↑ 3ヶ所の防振ゴムをセットして、モーターを取り付けました。
スピード調整円盤のマグネットの調整レバーの取り付けも行いました。


↑ カートリッジの出力のピンケーブルを交換しました。

↑ レコードプレーヤーが完成すると早くレコードをかけたくなります。

↑ ところが・・・・・この旧式のピンジャックのサイズが微妙に異なる事と経年劣化で
腐食していますので、専用の入力端子を増設することにいたしました。

↑ この浅型シャーシーにはそんな余裕がありません。

↑ そこで、いつもの「工夫」です。
ご覧のように、「PHONO」と「AUX」の2系統を設けました。

↑ 早速、接続して、テストです。
素晴らしいです。 リムドライブですが大型のアイドラーの為回転ムラも騒音もなく快調です。
しかし、・・・・・音質に問題あり。・・・・・これはアンプ側の問題です。

↓ 急遽、対策を行いました。


↑ アンプの徹底修復は次工程で実施いたします。

↑ 快適に音を奏出ております。
1960年代真空管式TRIO AUTOMATIC STEREO RECEIVER「111」の修復修理は
最も致命的な「電源入らず」の根本原因を前工程VOL1で突き止めました。
次の工程は通電して細部の動作を電圧測定と音出しにより「音質」「音量」「ノイズ」
など全ての動作を確認して正常動作にもっていきます。

↑ 最初のシャーシー内部の回路の全体像です。

↑ 仮修理で電解コンデンサーなどその他の部品を交換したシャーシー内部の回路
の全体像です。
違いをパズル感覚でご覧ください。


↑ ブロック型電解コンデンサーを単体電解コンデンサーに交換した拡大画像。

↑ 電源トランス横の整流ダイオードなどを交換の様子です。

↑ 前面パネル中央に配列の5個のスイッチ群です。接点復活剤を注入します。


↑ 前面パネルに配列の各ボリュームとセレクタースイッチにガリを直すために
接点復活剤を注入して擦り合わせを行います。

↑ 電源トランス周辺の様子です。 雑音防止コンデンサーも交換しました。

↑ 右ダイヤル表示ランプが点灯不良の為修復を行いました。




↑ シャーシー上面からの様子です。

↑ 現時点の交換部品です。 中段左2個のブロック型大容量電解コンデンサーは
複数の単体の大容量電解コンデンサーに変更しております。

↑ 前面パネルの半世紀以上前の汚れは、簡単には元へ戻りません。
風化、劣化など、とにかく、普通の汚れと違って、洗剤を使用しても中々綺麗になりません。





↑ もっと綺麗にしたいところですが、プリントされた文字が消えます。
刻印なら良いのですが、プリントですので無理があります。
前面パネルと筐体カバーを取り付けてみました。
まずまずです、良くなりました。 エージングテストを続けます。
1940年代真空管ポータブル電蓄HUDSON Model332の修復修理は70年以上の
経年劣化による、ダメージの修復修復は最終工程を迎えました。

↑ 完成画像。
隅々まできれいにクリーニングが完了したキャビネットに収めますと、
「男前が上がった!」
小さくても、存在感が違います。
ビンテージ級の迫力を感じますのは、苦労した私の独りよがりな満足感でしょうか・・・・・

↑ 何度見ても、満足感とうれしさが湧いてきます。

↑ 古い木製レザー張りのキャビネットは各所に剥がれがあり、みじめな感じでしたが、
綿棒の先に接着剤を付けて、押さえ飾りのひも状の素材をくっつけました。
そして、全体を何度もファイバークロスで磨いて、綺麗になりました。

↑ 木製キャビネットの為エンクロージャーの効果でスピーカーの音質が良くなりました。
ビクター1960年代真空管式オートチェンジャーステレオ「STL-480C」は、
アンサンブルステレオとしては比較的小ぶりなタイプですが、
オートチェンジャー搭載で傍らに置きたい魅力的なステレオです。
永い間ご自宅に完全無傷で大切に保管されていたものです。


↑ 完成画像。
↑ シャーシーを外し下におろします。

↑ シャーシーとオートチェージャープレーヤーを取り外しました。

↑ シャーシー上面

↑ シャーシー内部


↑ 当時、一部のアンサンブルステレオに採用された側面スピーカーの配置です。
ステレオ臨場感を向上させる手法として用いられました。

↑ エコーユニットです。 動作はしています。









↑ オートチェンジャーレコードプレーヤーは完全修復を行いました。


↑ アンプシャーシー内の電解コンデンサー類の交換を行いました。
各ボリューム/セレクターローリースイッチに接点復活剤の注入を行いました。
十分なエージングテストを行いました。


↑ キャビネットのクリーニングを行い、組み込みを完了いたしました。


↑ 最終テストを行いました。
予てよりお預かりしておりましたが、お待ちいただいておりました。
1960年代真空管式TRIO AUTOMATIC STEREO RECEIVER「111」の修復修理を行います。


↑ 1960年初期のトリオ製のMT管14球のAM/FMチューナー内蔵のアンプです。


↑ 筐体カバーを外しました。

↑ 電源ヒューズが飛んでいます。
この切れ方は、尋常ではありません。
2Aガラス管ヒューズを入れ替えて微妙な飛び方をします。
即断ではなく0.5秒ほどで飛びます。
回路に重大な故障があります。

↑ 電源回路、電源トランス周辺の診断を行います。
導通テストや色々なチェック方法を駆使しても、決定的な原因はつかめません。

↑ そこでヒューズを飛ばさないで各部の電圧測定を行います。
つまり2Aより大きい5Aをテストで挿入して、電圧測定を行いました。


↑ 怪しい電解コンデンサーです。

↑ 通電して電圧測定中に高温になり液漏れしてきました。

↑ これはかなり昔から液漏れしていたもう一つの電解コンデンサーです。

↑ シャーシー上部から見た様子です。
バリコンの右の円筒形が不良の電解コンデンサーです。

↑ 選局フライホイールの上の円筒形が不良の電解コンデンサーです。
◎ 2Aの電源ヒューズが飛ぶ原因の電解コンデンサーを良品を仮接続してテスト
の結果、電源が入りヒューズが飛ばなくなりました。
ビクター4チャンネルセパレートステレオ「DF-15」の修復修理の最終工程の
センターキヤピネットへの組み込みを完了して、4つのスピーカーをフル装備
でエージングテストを行いました。
通常の使用状態では全く問題はないのですが、
レコード再生時に少々気になる現象が確認できました。
それはヘッドアンプの内部雑音の問題です。
この当時のセパレートステレオはプレーヤーはMC又はMMカートリッジが使用されています。
MC/MMカートリッジは出力電圧が数mVと小さいため増幅度の高いプリアンプ(ヘッドアンプ)
が搭載されています。
このヘッドアンプには当時の低雑音トランジスタ2SC458が使用されています。
しかし、半世紀の経年劣化で内部雑音が発生して不安定なものがあります。
少々のノイズは音声信号にかき消されますが、無信号でボリュー最大方向に回すと「サー」
とノイズが確認できます。
この「サー」と云うホワイトノイズはTR特有の内部ノイズです。
時々「ジジ―」と云う不規則ノイズはTRの不良です。



↑ 再度シャーシーを下します。

↑ 中央の小さな基板がヘッドアンプ基板です。

↑ 赤〇印の4個のトランジスタ2SC458を外して交換を行います。

↑ 赤〇印の4個のトランジスタ2SC458を外して新品の2SC458に交換を行いました。
新しい2CS458です、形状が丸みを帯びています。

↑ ヘッドアンプ基板の裏面です。

↑ 上段が最初の2SC458です。
下段が新しい2SC458です、形状が変わっています。
今の「東芝」が東京芝浦電気株式会社の時代ですから60年近く前の珍しい製品です。
真空管式ファミリーステレオ「TAS-180」の修復修理のご依頼をお請けいたしました。
「東芝真空管」は大変信頼性のある優秀な品質で各メーカーが採用しておりました。
東京芝浦電気製の「マツダラジオ」などは、かなり昔から出ておりました。
真空管電蓄・ステレオは珍しいです。




↑ 品質が良くシッカリ造られています。


↑ プレーヤーはアイドラーによるリムドライブ・78/33/45/16回転4スピード
一応フォノモーターは回転しますが、ターンテーブルにトルクが伝動不完全です。
カートリッジはクリスタルですが、素子の経年劣化で音が出ません。

↑ 2アンプ2ラジオです。
左 MWラジオ+ SWラジオ 右 MWラジオ+ FMラジオ です。





↑ アンプ部は簡単チェックの結果、各ボリュームとセレタースイッチ等の経年劣化による
接触不良で猛烈なガリノイズですが何とかMW/SW/FM全ての受信が可能です。

↑ プレーヤーの裏側です。


↑ 手前の金属ケースは「エコーユニット」です。 弱いですが動作はしています。

↑ 電源トランスとR/L出力トランス、出力管のサブシャーシーです。
予てよりご相談を頂きまして、わざわざお待ち込を頂いておりました。
大変お待たせいたしましたが、全体的な状態を点検をさせて頂きました。

↑ コンパチブルステレオシステムとして後にセパレートステレオとしての原型になった
初期の珍しい製品です。
真空管式チューナーアンプはコンポタイプで独立していてセンターキャビネットの前扉内
の中段に収納されます。




↑ 扉の中にありました DELUXE APS-420のカタログ



↑ 4極インダクションモーター・25cmダイキャストターンテーブル・16/33/45/78回転
4スピード・MMカートリッジ搭載のプレーヤーです。
ベルトドライブではなくアイドラー方式になっています。

↑ チューナーアンプはAM/FMチューナー搭載、6BQ5シングル×2の14球と一部半導体
の構成になっています。



↑ チューナーアンプの筐体カバーを外した内部の様子です。
ホコリの堆積は年月を物語っています。



↑ セパレートステレオでアイドラードライブは珍しいですね。


↑ 大型の4極インダクションモーターは回転していますが、モーターを取り付けしている
防振ゴムが経年劣化で溶けて硬化しているため、位置ずれを起こして、ターンテーブルが
回転しません。


↑ 通電してアンプチューナーの動作確認を行います。
各部の劣化による接触不良などで、何とかAMラジオが受信できました
しかし、片方の音量が極端に低く、各ボリュームやセレクタースイッチのガリノイズも
多発しています。
しかし、修復修理の手ごたえは十分あります。
1970年代ビクター4チャンネルセパレートステレオ「DF-15」の修復修理は、
センターキャビネット/スピーカーのクリーニングを行い、アンプ、プレーヤーの
組み込みを行い、フル装備でテストを行いました。



AMラジオ FMラジオ PHONOレコードと全て順調です。
一点気づきましたのが、PHONOセクションで「無信号ボリューム最大時」に
プリアンプ内のTRノイズが目立ちますが、通常適当な音量でレコード再生時は
全く気になりません。
1940年代真空管ポータブル電蓄HUDSON Model332の修復修理は70年以上の
経年劣化による、ダメージの修復は初回の工程で困難に直面していますが、
「何とかなる」手ごたえを感じております。

↑ じっくりと向き合ってこの機器の習性が把握出来、色々対策を施しながら、
「絶対に直る」確信が強まります。
この場合フォノモーターの回転トルクをターンテーブルに完全に伝えるためのポイントは、
「モータープーリーと中間ブーリー間のトルク伝達が不完全であることが考えられます。
つまり、スリップしています。 中間ブーリーのゴムの劣化です。
これを解決するのが最重要です。

↑ 中間プーリーのゴムの劣化による硬化と痩せは対策の方法が見つかりません。
となると、残されたモータープーリー(キャプスタン)に対策を行います。
ここで、一つ重要な問題があります。 それは、ヘルツ(Hz)問題です。
このポータブル電蓄のご依頼者は関東50Hz地域のお方です。
そして、この製品は60Hz仕様です。このHz違いも対策が必要です。
仮にこの製品の60Hzをそのままで、関東の50Hzで使用しますと、
確実に10~12%回転が遅くなります。
ところが、私が考えているスリップ対策は、このHz対策と相乗効果を生む利点があります。

↑ その方法はモータープーリーにスリーブを被せて太らせる方法です。
これは何例かに対策して効果を得ております。
各種のサイズの同軸ケーブルやビニールコードの被覆を利用します。
このプレーヤーの場合はモータープーリー(キャプスタン)は5~6mmですので各種太さ肉厚
の同軸ケーブルの外被を用意します。

↑ これをモータープーリー(キャプスタン)に被せるのは難しく、絶対外れないように、
バランスよくガタツキのないようにすることが重要です。
先ず、太さを合わせるために、ラジオペンチを巧みに利用してサイズを広げておきます。
装着すれば縮んで外れません。
色々なサイズを試験的に付けて回転数を合わせます。
正弦波インバーター電源装置で100V50Hzを供給してレコードを再生しながら、
カット&トライで最良点を見つけます。



↑ スリーブ装着テスト中の様子です。

↑ 33回転LPレコードでテスト中の様子です。

↑ 45回転EPレコードでテスト中の様子です。

↑ 78回転SPレコードでテスト中の様子です。
この方法の効果
①モータープーリー(キャプスタン)にスリーブをかぶせると太くなりターンテーブルの
回転数が速くなる。
②50Hzでの回転不足が改善される。
③モータープーリー(キャプスタン)にスリーブをかぶせると太くなり中間ブーリーとの
接触が良くなり回転にスリップが少なくなる。
日本では滅多に見かけない珍しい1940年代HUDSON Model332真空管式ポータブル電蓄
の修復修理のご依頼を頂いておりました。

↑ 木製レザー貼りケースのコンパクトな真空管2球のポータブル電蓄です。

↑ 当時としては先進の珍しい78/45/33回転の全てのレコードに対応した3スピードです。





↑ フォノモーターと真空管増幅部は大丈夫なようです。

↑ レコードプレーヤーメカは過去に相当いじくって、ものにならず、放置した様子です。
フォノモーターは一応回転しますが、動力がターンテーブルに伝動しません。
機構部分の重要な機能が壊れています。
欠品部品を工夫して取り付け、修復を試みます。

↑ 通常の3スピードプレーヤーの回転動力伝導は
「3段モータープーリー」→「アイドラー」→「ターンテーブル」の3ステップですが
「モータープーリー」→
「中間3段プーリー」→「アイドラー」→「ターンテーブル」
の4ステップになっています。


↑ 各部に注油処置を行い3スピードの切り替え、回転が可能になりましたが、
不安定な状態です。
アイドラーや中間ブーリーのゴム部分の経年劣化により弾力がなく外径も痩せて
いますのでスリップなどで回転ミスが発生します。
しかし、この時点でレコードテストを行います。

↑ 想定通りカートリッジが完全に動作を停止しています。
端的に言いますと、オシャカになっています。
クリスタルカートリッジは寿命がはっきりしています。
クリスタルカートリッジの経年劣化があります。
クリスタルカートリッジはロシェル塩の素子が使用されています。
私の経験では寿命は40年前後と思います。
レコードの溝を針先でトレースしてその振幅を電気信号に変換できなくなっています。
つまり音が出ません。

↑ 左 交換用のセラミックカートリッジ(針付) 右 寿命の終わったクリスタルカートリッジ

↑ 不良のクリスタルカートリッジを外して交換用のセラミックカートリッジを取り付けました。


↑ 78回転SPレコード再生テスト中の様子です。


↑ 33回転LPレコード再生中の様子です。
45回転EPレコード再生もOKです。
起動時に少々不安がありますが、精度を上げていきます。
1970年代ビクター4チャンネルセパレートステレオ「DF-15」の修復修理はサーボプレーヤー
の回転不調も解決して、エージングテストも異常なく快調です。
いよいよキャビネットに組み込みを行う最終工程になりました。
ステレオの顔と云えるダイヤル面にバックライトの12Vヒューズ型パイロット球が1個断線
しているのはお預かりしていた予備球を既に交換済みですが・・・・・・・

↑ ダイヤル指針に埋め込まれた、「麦球型パイロット」が点灯していません。
「確か麦球があっったはず????」・・・・・しかし、工作用の1.5Vでした。
早速調達です、時間待ちです。


↑ 左 不良の麦球 中央 ダイヤル指針 右 調達した12Vリード線付麦球

↑ 点灯するとこのようになります。

↑ 麦球をAC11Vラインに接続します。


↑ 指針をダイヤルロープに取り付けて、同時にダイヤルロープの緩みを修正して
おきます。

↑ 指針の先端部のみ赤く点灯するため込み入った構造の為、結構時間が掛ります。
しかし、小さな赤い点の標示があるためアクティブ感があります。
このダイヤル指針の赤い点の標示はPHONOにセレクトした時点で消灯します。
ビクター真空管電蓄Radio Electrola 「RE-30」の修復修理は、
SPレコードの録音特性を補正する、「フォノ・イコライザー」を組み込みましたが、
一部ストレートなセクションを追加いたします。

↑ プレーヤーボード上に3回路4接点のロータリースイッチを取り付けた為このような
改造は非常に便利に作業が出来ます。

↑ 3回路4接点のロータリースイッチ周辺です。

↑ 白の短いリード線2本の半田付けで完了です。
テストの結果②のポジションは何も入らないで、ピックアップカートリッジで出力された
信号はまさにストレートに出力されます。
テストの結果、効果が確認出来ました。
1970年代ビクター4チャンネルセパレートステレオ「DF-15」の修復修理がパーツの準備が
暇どりまして、中断しておりました。
4CHプレーヤーの回転不調で、サーボ基板のトランジスター/電解コンデンサーなどの交換
パーツが揃いました。

↑ 回転数が安定せず、一定のリズムでフラフラしています。
これは明らかにサーボ回路の不具合が原因と思われます。
ターンテーブルの外周のストロボで確認しますと、
約0.5秒間隔で速くなったり、遅くなったりしています。

↑ 小さなサーボ基板にパーツがギッシリです。

↑ 短い配線で接続されていますので気をつけて交換を行います。

↑ トランジスター/電解コンデンサーの交換の終わったサーボ基板です。

↑ 最も影響の大きかった液漏れの酷い小型の電解コンデンサー。

↑ サーボ出力のトランジスタは全く違う代替え品を使用しましたが、
問題なく動作しています。

↑ 交換パーツのすべてです。

↑ 交換中にモーターやパワートランジスタ配線に無理が掛っていないか点検して
テストを行います。

↑ 下から2筋目が60Hz時の33回転3分の1です。

↑ あの不安定な回転が嘘のように、しずかに安定して回っています。
このストロボは蛍光灯の60Hzフリッカーに反応して静止して見える状態が60Hz電源で
の正常回転になります。 外光やLED/白熱球照明には反応しません。
LED照明を消灯して天井のベースライトの蛍光灯を点けて確認しましたが
外光が強すぎてはっきり写りませんでした。

↑ 停止時の様子です。

↑ スピードの微調整も完全でワウフラッターのない音を聴いていると、気持ちがいいです。