1960年後期 英国DYNATRON製Garrardオートチェンジャー搭載ステレオの修復修理で
お預かりしておりました。
英国製で日本国内で使用するには「電源電圧 240V 50Hz」の為対策が必須です。


↑ サイズ W1400 H645 D420mm
オールトランジスタ ガラードオートチェンジャー搭載ステレオです。

↑ 後部の全体像

↑ チューナーアンプ収納部



↑ オートチェンジャーを下から見た様子です。

↑ チューナーアンプ部はLW/MWは同調回路ユニットを壊されているため修理不能です。
幸いVHF(FM)は大丈夫ですので受信範囲が広く民放3局が受信可能です。

↑ Garrard 2025TC オートチェンジャーは周波数は50Hz用ですが60Hzで使用するため
「ヘルツフリー化」のためインバーター電顕装置の組み込みを行う予定です。
その前に故障で機能しないオートチェンジャーの分解修理を行います。

↑ オートチェンジャー機構部はグリスなどの油分が固着した部分はあらかじめ洗浄剤噴霧で
クリーニングしておきます。

↑ オートチェンジャーレコードプレーヤーが自動演奏が不可能では意味がありません。
徹底的に修復を行います。

↑ 原因追及の結果ピックアップアームのコントロールを司る大型のギヤ―の不具合を決定付ける
ギヤシャフトのロックを発見しました。
固着部分を洗浄剤の噴霧で溶かして取り外します。

↑ アイドラーも取り外してクリーニングを行います。


↑ 取り外した大型ギヤのクリーニングを行いました。


↑ アイドラシャフト及びモーターキャプスタンのクリーニングとモーター軸受に注油を行います。

↑ アイドラーをクリーニングします。

↑ 大型ギヤを取り付け注油を行います。

↑ アイドラーを取り付け注油を行います。


↑ ターンテーブルを載せる直前の様子です。

↑ 複数枚のレコードをオート演奏のテストです。

↑ アームの落下位置とリターンの微調整も行いました。



↑ 動作は絶好調です。 しかし回転は速いままです。
次工程でフリーヘルツ化の為インバーター電源装置の組み込みを行います。
1979年製YAMAHA リニアトラッキングレコードプレーヤー「PX-2」の修理は初回の工程で
リニアトラッキングのブロックの初期修復を終えて本体に組み込みをしてテストを行います。

↑ 初期工程でドライブベルトの交換などを完了したリニアトラッキングブロック。

↑ 本体定位置に組み込み、動作テストを行います。


↑ 組み込みが完了してテストを行います。

↑ 一応所定の動作はしますが、ギコチナクてスムーズに正確な動作をいたしません。

↑ 予想通り幅広の帯状ベルトが経年劣化で「伸び・硬化・汚れ」などでスリップで不規則動作に
なっています。


↑ 通常ジョイントスプリングは2本ですが1本追加して3本にして張りを強化します。


↑ 何とかリニアトラッキングレコードプレーヤーとしての一連の動作を取り戻しましたが、
他に不具合個所があります。

動作させてみて色々な潜在的な「PX-2」の部品の経年劣化による症状が出ています。
① スタートでアームの落下位置が大幅にズレがある。
② ターンテーブルが回転異常(全く回転せず・回転しても極端に遅い・大幅に変動する
・極端にゆっくり逆転する)
1979年製YAMAHAリニアトラッキングレコードプレーヤー「PX-2」の修理の記録です。
今回はピックアップアームが自動動作をいたしません。
ターンテーブルは回転しますがアームが自動追随動作をしませんのでレコードを自動も手動も
全く動作をいたしません。

↑ PX-2はプレーヤー1台の価格で高級ステレオセット1台分を軽く買えるお値段でした。
筐体は頑丈なアルミダイキャスト製です。 総重量17kgです。
レコードプレーヤーとして最重量級です。
リニアトラッキング クォーツ フルオートプレーヤーです。
故障の症状は「ターンテーブルは回転するがアームが全く追随動作をしない」状態です。


↑ 分解を始めます。



↑ 超重量のターンテーブルです。




↑ リニアトラッキングメカを外します。

↑ 取り外したリニアトラッキングメカです。


↑ 痛めるといけないのでカートリッジを外しおきます。


↑ 1段目のドライブベルトが経年劣化で破断溶解しています。

↑ 破断溶解ドライブベルトの断片です。
何とか形が残っていますがグリース状に柔らかくネットリとこびり付きます。


↑ プーリーに付着した断片をクリーニングして、早速新しいベルトを装着します。

↑ 最も心配していた幅広の帯状のメインドライブベルトは大丈夫なようです。

↑ 一部にタルミがありますが、大丈夫と思います。

↑ 次工程で各部のクリーニングを行ってから定位置に組み込み、動作テストを行います。
2017の夏も終りに近づきました。
なんだか大変な夏になってしまいました。
50年100年に一度と云うような豪雨が当たり前になりつつあります。
被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
世界的な気候の激変は確かに地球温暖化の影響と思います。
奈良県は当地から30K南の十津川村の計測値で先日最高気温37.1度を記録しました。
昨夜から気温が下がり始めました。
今朝、9時の外気温は26.5度でした。 こんな涼しいのは珍しいです。
外へ出て空を見て慌ててカメラを取りに走りました。 空はすでに秋でした。

↑ 東の空です。


↑ 南の空です。



↑ 秋の鱗雲です。
サンスイセパレートステレオ「APS-1300M」シャーシー/レコードプレーヤーの修復修理は
マルチアンプ基盤内の0.5Ωの特殊な抵抗の交換を完了して音出しのエージングテストも
順調です。
次は、「テープ録音/再生」「外部入力AUX端子」機能の点検修復を行います。

↑ 当時のビクターANRSステレオカセットデッキ「KD-667ⅡS」を接続してみます。



↑ ピンジャックがかなり表面が錆などで接触不良になってます。
復活洗浄剤でクリーニングを行います。



↑ 録音/再生を繰り返しテストを行います。

↑ 好調です。

↑ AUX端子にCDプレーヤーを接続します。


↑ 好調です。
最終的AM/FMの録音再生OKです。
CDからテープへのダビングOKです。


↑ DIN端子を使用すれば専用ケーブル1本で録音再生OKです。

↑ DINケーブル
1950年代ナショナルSPレコードプレーヤーピックアップアームのマグネチックカートリッジの
修復修理を行います。

↑ SPレコード専用プレーヤーの鉄針用のマグネチックカートリッジ搭載のジュラルミン製の
ピックアップアームです。
マグネチックカートリッジの不良です。

↑ マグネチックカートリッジは永久磁石とコイルの磁界の中で鉄片の先のレコード針が
レコード盤の音溝から伝わった振動でコイルに起電力が発生します。
その微弱な音声電圧を真空管アンプで増幅してスピーカーを鳴らせます。

↑ マグネチックカートリッジを取り外して分解します。

↑ 予想通りカンチレバーのダンパーゴムが経年劣化で硬化してカンチレバーが片よりマグネットに
吸着しています。

↑ 下側のチューブ状のダンパーゴムは一度交換してあり大丈夫です。

↑ 強力な磁界のセンター部分にカンチレバーが位置していないと正確な動作をいたしません。
この部分の固形化したゴムを取り除いて新しいダンパーゴムをはめ込みます。


↑ 厚さ1.5mmのラバーゴムを約6.5mm×8.5mmの大きさに切り中央に小さなスリットを入れて、
そのスリットでカンチレバーを挟みます。

↑ 固定カバー片をカンチレバーが磁界の中心になるように調整してネジ止めします。

↑ 正面からの画像

↑ 上面からの画像

↑ 修理中の電蓄プレーヤーを借りての動作テスト中の様子です。
良好です。

↑ 出力シールドワイヤーも交換いたしました。
SPレコード専用のビクターヴィンテージ電蓄「RE-30」です。
搭載のプリアンプGE PHONO PRE-AMPLIFIER UPX-003の調整のご依頼がありました。
ダイナミックレンジの広い管弦楽のSPレコード演奏はレコードの録音特性により音の再現に違いが
出てしまいます。



↑ 使用プリアンプGE PHONO PRE-AMPLIFIER UPX-003 です。
低音が出過ぎて管弦楽のレコードの種類により音が歪みます。
原因はプリアンプ内の固定のイコライザーの数値を若干変更の必要がありそうです。

↑ ご依頼者から資料を頂いておりますので検証を行います。
プリアンプGE PHONO PRE-AMPLIFIER UPX-003A の配線図と
実機のUPX-003と照合しますとイコライザーの挿入部分の違いに気が付きました。
配線図は「UPX-003A」で実機は「UPX-003」です。 末尾の「A」が異なります。
「UPX-003A」ではC6のコンデンサーが0.0082μFになっています。
実機の「UPX-003」ではC6のコンデンサーが0.01μFが使用されています。
挿入ヶ所も異なります。
とりあえずC6を0.005μFに変更して試聴してみます。

↑ 変更前のプリアンプ内部です。

↑ 変更後のプリアンプ内部です。
0.01μF×2を直列接続で0.005μFに変更しました。

↑ 画像右下が外した0.01μFです。

↑ メインシャーシーに接続してレコードの演奏テストを行います。


↑ 予想通りの効果が得られました。
お預かりしたレコードを演奏しました。 素晴らしいダイナミックレンジです。
実際の音はご本人にご確認頂くことにいたします。
乗数変更は簡単です、微調整が必要かもしれません。
サンスイセパレートステレオ「APS-1300M」シャーシー/レコードプレーヤーの修復修理の次工程は
マルチアンプ基板内の0.5Ωの特殊な抵抗の交換を行います。

↑ 交換後のテスト中の様子です。


↑ シャーシー裏面からマルチアンプ基板のパターンを見たところです。


↑ R/Lのlマルチアンプ基板を表面の拡大画像です。

↑ プリント基板パターンの半田付けを溶かして「0.5Ωセメントモールド抵抗」を基板から外します。


↑ 上段は交換に使用する新しい「0.5Ω3Wセメントモールド抵抗」です。
下段が取り外した劣化した「0.5Ω2Wセメントモールド抵抗」です。



↑ 交換完了基板の拡大画像です。


↑ エージングテスト中です。
「パワー」 「歪み」 「ノイズ」のチェックを入念に行います。
1960年代真空管式ナショナルHiFiステレオ「RA-2400」の修復修理は前工程でシャーシー内部の
電源回路の経年劣化した容量の大きい電解コンデンサーの交換を完了しました。
今回はその他回路の小容量電解コンデンサーの交換を行います。


↑ 前工程でシャーシー内部の電源回路の経年劣化したブロック型電解コンデンサーを
単体大容量の電解コンデンサーに交換を完了しております。

↑ 今回は画像
〇印のその他回路の小容量電解コンデンサーの交換を完了しました。

↑ 取り外した劣化したその他回路の小容量電解コンデンサーです。


↑ 各ボリューム/セレクタースイッチの接触不良修理、コンデンサーの交換整備完了の
シャーシー内部の様子です。

↑ エージングテスト中の様子です。
オートチェンジャー搭載日立Hi-Fiステレオシンフォニカ「DPF-6200」のメンテナンスは総仕上げの
段階で少々気になる問題があり、どうしても見過ごす訳にはできず、解決を行いました。
それは、高音用スピーカーの問題です。
●最初に搭載されていた5cmの高音用スピーカー
2015年12月の記事

↑ 5cm高音用のスピーカーは殆ど鳴っていません。
スピーカーは正常、コンデンサーも調べましたが、正常でした。
音量をかなり上げますと、何とか鳴ります。 これでは無きに等しいのです。


↑ 口径8cm3Wのフルレンジスピーカーを仮接続してみました。
効果上々です。 一躍元気な音になりました。
今回音質に「こもりが感じられる」とご指摘がありました。
前回交換したスピーカーよりかなり強力な10cmのフルレンジスピーカーに交換を行いました。
しかし問題点が浮上してまいりました。
① スピカ―バッフルボードの開口部が元の5cmに合わせてあるため10cmのフルレンジスピーカー
を付けた場合前方に音抜けが悪く反射して音の濁りが感じられる。
バッフルボードの取り外しが出来れば開口部を大きくしたいところですが取り外しが不可能。
② フルレンジの為中低音がブーストされてしまう。
前回の記事


↑ 初回に交換した高音スピーカーのパワーが弱く感じますので、
音のこもり解決で中高音重視の意味で再度交換を行います。

↑ 効率アップの 中高音スビーカーに交換いたしました。
最終の高音スピーカーの改善内容


↑ 手持ちの適当なスピーカーがありました。中古のSONY D2010に使用の高性能
高音スピーカーです。
「口径6cm インピーダンス4Ω 最大入力15W」 強力大型マグネットの高性能なスピーカーです。


↑ 再々交換の結果は上々高音の再現は良くなり、トーンコントロールの切り替変化が明確に
なりました。



↑ エージングテストの様子です。
梱包前のレコードプレーヤーへのインバーター電源供給テストを行っておきます。





↑インバーター電源装置の接続方法とテストの様子です。


↑ 通函に収納、梱包を完了いたしました。
オートチェンジャー搭載日立Hi-Fiステレオシンフォニカ「DPF-6200」のメンテナンスで
最後の難問は、
● AMラジオ受信中10分~30分経過でスーッと音量が小さくなります。
セレクタースイッチ/電源スイッチ/の切り替え又は電源コードの抜き差し
アンテナ線を他の金属部分に接触させたり等電気的ショックを与えると
正常に復帰する、そしてこの状態を繰り返すと云うものです。
これは言葉の表現より現象は不可解なものです。
基本に立ち戻り回路を見回しますが、特段不具合個所は見当たりません。
少々気になるのは受信回路のプリント基板ですが、現象から見て否定してしまいます。


↑ 今まで二度天吊りのシャーシーを外して下に置いて修理/整調/ステとを行い、これで大丈夫と、
シャーシーをキャビネットに組込みをして長時間のAMラジオテスト中にトラブルが再現しました。
FMでは同じ症状はありません。
真空管「12BE6」「12BA6」を交換しても症状は変わりません。
これは、何を意味するか、・・・・・
何かが引き金になり「相互干渉」「発振」「飽和現象」などが考えられます。

↑ 先ず「12BE6」のG1とアース間に微小容量のコンデンサーを挿入しました。
テストの結果、効果が認められました。

↑ 更に高抵抗器(約120KΩ)を並列に追加しました。(AGC電圧の変化を和らげる)

↑ 最後にスーパーヘテロダイン受信回路のトラッキング調整の再調整を行います。.
同時にFMのIF調整も行っておきます。


↑
〇で囲った部分が調整ポイントです。

↑ さらに安定度を高かめるためバーアンテナのcom側つまりAGCのマイナス電圧供給部に
0.1μFコンデンサーを追加いたしました。
★シャーシーをキャビネットに組込みをしてエージングテストの結果、
「AMラジオ受信中10分~30分経過でスーッと音量が小さくなる」問題は解消いたしました。
毎年同じことを言っておりますが、桁外れの暑い日が続いております。
皆様方におかれましては如何お過ごしでしょうか。
「夏は暑いのが当たりまえ」と言ってしまえない状況です。
季節の「暑さ」 「寒さ」の尺度が過去の基準からずれています。
又日本の本来の美しいすがすがしい四季の季節感が消え失せて南洋化しています。
この度、大変心に響く出来事がありました。
当店のお客様で37年前に買っていただいたクーラーが「とうとう壊れました」と電話がありました。
詳しく内容を説明しますと、住空間は公団住宅の3階で2LDKで6畳+4.5畳に東芝冷房専用窓用
クーラー(5~8畳)1台で今まで一度も故障がなく使用して来られました。
なんと強靭なクーラーでしょう。夏しか使用しないと云えども、性能を超えるスペースを冷房して
いますからオーバーワークは明らかです。
しかも、寿命の3倍近く稼働しています。 驚きです。
お客様の使い方もさることながら、強靭なコンプレッサーと造りの正確さ、品質の良さなど全て、
また100%東芝日本製に誇りを感じ頭が下がる思いです。

↑ コンプレッサーを修理すれば使えそうな程しっかりしています。
「ご苦労さま」 と云ってやりたい気持ちです。



日本の高度経済成長期は戦後1955〜1973年の約18年にわたり経済成長を続けました。
1980年と言えば昭和55年
☆巨人の長嶋監督が辞任、王選手引退
☆山口百恵、引退公演日本武道館
☆松田聖子、裸足の季節でデビューした時代です。
その後、オイルショック石油の供給危機により、石油価格が高騰により不況とインフレが同時に起き
ました。
1986年12月~1991年2月までバブル景気が続きますが、やがてバブル崩壊へと転じました。
昨今のメーカーさんの「海外工場依存の製造」から脱却して「国内製造」に変更していただきたいと
念願しております。
新しい窓用エアコンは「コロナCW-1617-WS」日本製の取り付けを行いました。