東京芝浦電気製の東芝4チャンネルステレオ”BOSTON”「SP-480」の修復修理は
チューナーシャーシーをキャビネットから取り外してボリュームとセレクタースイッチの接触不良を
修復しておきます。




↑ 各ボリュームとセレクタースイッチはダイヤルバックライトの照明反射カバーの下になっています。
接点復活剤を噴射注入して丹念に摺り合わせをおこないます。


↑ 他社のシャーシーと比較してコンパクトでブロック配置でなく一体総合のプリント基板です。



AUXの片CHの接触不良はセレクタースイッチの接点の接触不良が原因です。
珍しい東京芝浦電気製の東芝4チャンネルステレオ”BOSTON”「SP-480」の修復理は
問題のレコードプレーヤーの修復工程へ進みます。

↑ レコードプレーヤーはご依頼者のお話によりますとカートリッジが不良で極端に小さな音で
カンチレバーの不良らしい様です。


↑ このレコードプレーヤーTPS-730Hには東芝オリジナルのソリッドステート(半導体)カートリッジが
使用されています。
「半導体圧電素子」が採用されて出力電圧が高くヘッドアンプの必用がありません。
MM/MCカートリッジの場合は出力電圧が非常に小さくて高増幅のヘッドアンプが必用になります。

↑ ①不良の半導体カートリッジ ②セラミックカートリッジ ③MMカートリッジ


↑ 同等の高出力電圧が得られる②セラミックカートリッジに交換をいたしました。








↑ オートメカの動作の点検を行なっておきます。




↑ ターンテーブルの駆動メカのアイドラーなどの点検を行なっておきます。


↑ スピーカーはお預かりしておりませんので、取り合えずヘッドホンで試聴いたします。
問題は解決いたしました。 きれいな音色音量です。



↑ カートリッジの質量が軽くなったため針圧が軽すぎてウエイトの調整範囲で調整が出来ません。
ウエイトを手前に繰り出せば良いのですが、孔が貫通していませんので、ウエイトの孔を貫通させ
ました。
ところが後で判ったのですがバイブアームの最後尾に補助ウエイトが埋め込まれておりましたので
それも取り除きました。
これでセラミックカートリッジの最適針圧になりました。



↑ プレーヤーは仕上げ工程でクリーニングを行ないます。


↑ やや小ぶりのTOSHIBA BOSTONに似合うスピーカーを引っぱり出してきました。
ヘッドホンよりは、やはり本物のスピーカーで鳴らすと気持ちよく聴けます。
殆どピッタリです。
それもその筈、これは姉妹機のTOSHIBA BOSTON 2000 SP-2000のスピーカーでした。
非常に珍しい4チャンネルステレオに遭遇いたしました。
4チャンネルステレオ後発の東芝が出した、
珍しい東京芝浦電気製の東芝4チャンネルステレオ”BOSTON”「SP-480」の修復修理の記録です。

↑ レコードジャケット風の派手な取扱説明書です。


↑ この時期の後に社名変更がありました。
東京芝浦電気株式会社から株式会社東芝に変更になりました。
そして、東芝がオーディオに新境地を開いたのが「Aurex」の誕生になります。


↑ ややコンパクトにまとめられたセンターキャビネットです。
半世紀以上の経年劣化が反映されていない美しい風情に良い環境で理想の保管状態がうかがわれ
ます。
しかし、センターのみでスピーカーの欠品が残念です。






↑ 詳細な診断は次工程で行います。



↑ レコードジャケット風の取説は一目瞭然で分かりやすくなっています。

↑ 回路図です。
次工程に進みます。
カラオケ初期の日立"Lo-D"8トラックテープデッキ「 TRQ-1340」の修復修理の記録です。
この種の8トラックテープデッキの構造はエンドレステープ状の大きなカートリッジ式の
磁気テープを使用してヘッドを移動させてトラックを追随するものです。
ハード面は結構頑丈な構造になっています。゜

↑ 全く動作をいたしません

↑ 内部を開いてみますと、ドライブベルトは掛かっており、モーターも回転していますが
大型のフライホイール状のブーリーがビクとも動きません。 ロック状態です。


↑ 強烈にシャフトと軸受けが固まっています。

↑ 潤滑剤を注入して取り外しました。



↑ 錆び付いていました。



↑ 軸受けの清掃を行いシャフトを差込みスムーズな動きを確認します。

↑ 清掃、注油を行いプーリーをセットしました。



↑ 8トラテープを挿入してテストを行いました。
選曲機能に不具合がありメカの修正と各部に注油を行い選局機能OKとなりました。
音質は非常に良く素晴らしいものです。
右CHの音が出ていないことに気付きました。
原因はヘッドの不良でした。
珍しい1960年代ドイツ製真空管式卓上電蓄「BRAUN TYPe SK/ PC 3」の修復修理は
レコードプレーヤーの修復修理に進みます。

↑ レコードプレーヤーはシンプル且つ先進的な驚くほど合理化された製品です。

↑ 「ターンテーブルマット不要」「EPアダプター着脱不要」など素晴らしい発想です。
60数年携わって来て恥ずかしながら、こんなの初めて見ました。

↑ ターンテーブルを取り外します。

↑ フォノモーターの電圧切り替えスイッチがあります。 110Vになっています。

.

↑ フレーヤーボード裏面の様子です。
結構大型のフォノモーターの下の方にアイドラー駆動のゴムアイドラーが見えます。
変わった構造になっています。

↑ 問題のカートリッジは初期の「クリスタルカートリッジ」です。
ここで「クリスタルカートリッジ」について解説いたします。
クリスタルカートリッジは素材がロッシェル塩で出来た圧電素子を使用したものです。
レコードの音溝から針先から伝わった微振動を起電力に変換してアンプで増幅して音になります。
クリスタルは経年劣化で化学製品の還元作用で異質のものに変化して性能に衰えが現れ、
音質/音量が悪くなります。 全く音が出ない場合もあります。
寿命が約30年~40年ほどです。

使用しているクリスタルカートリッジはターンオーバー式で先端の小さなツマミで180度回転さ
せるとLP針からSP針に変わります。

↑ 現在でクリスタルカートリッジに代わるものはセラミックカートリッジになります。
しかし、殆ど製造はしておりません。
セラミックカートリッジはLP専用ですのでターンオーバーはできませんが、SPレコードも共用で
使用て゜きます。


↑ カートリッジの形態が異なりますが、違和感の無いように取り付けを行いました。

↑ ツマミはダミーとして固定で取り付けました。孔を隠す意味で縦付けに致しました。


↑ レコード演奏テストの結果、音量/音質とも上々です。


↑ アンプシャーシーともエージングテストを行います。
1960年代ドイツ製真空管式卓上電蓄「BRAUN TYPe SK/ PC 3」の修復修理の記録です。
BRAUNはシェーバーで有名なあのメーカーだろうと思います。

↑ 側板以外は.金属製のキャビネットです。

↑ レトロなオーディオですが、スマートな無駄の無いデザインと設計で魅力の製品です。







↑ 全世界の殆どの電源に対応できる電圧切り替えタップ付きの大型電源トランスが装備
されています。 親切な設計です。
AC/50Hz 250V→220V→150V→125V→110Vの5段切り替えです。
日本は110VでOKです。


↑ 電源プラグアダプターが用意されていました。

↑ キャビネットからシャーシー/スピーカー/レコードプレーヤー.を取り外しました。

↑ 各部の動作診断を行います。

↑ 基本的には電源が入り動作状態になりますが、押しボタン式のセレクタースイッチが接点の
経年劣化により動作状態にならず、ラジオはかろうじてFMが受信できますか不安定です。
LWは日本では放送電波がありません。
MW(AM)ラジオは受信不能です。
PHONOに切り替えてレコードプレーヤーを動作させますが、クリスタルカートリッジの劣化
不良で出力が小さく高域のみで音質が非常に悪い状態です。

↑ 5箇所のセレクタースイッチに接点復活剤の噴射注入を行い接点の修復を行います。

↑ セレクタースイッチは特殊な形状の為接点復活剤の噴射注入が難しく閉鎖構造の部分の
↓ 隙間を見つけて噴射注入を行い丹念にすり合わせを行います。


↑ 3個のボリュームのガリの修復を接点復活剤の噴射注入を行いスムーズな動作を復活させます。


↑ 続いてレコードプレーヤーのカートリッジの交換などを行います。