1941年製造の国民ラジオ早川電機製「放送局型第122号受信機の修復修理 VOL3に於いて説明不足が
ございましたので詳しく解説をさせていただきます。

↑ 画像左上のブルートゥース受信機を接続して、スマートフォン等とペアリングして音楽を聴けるようにいたしました。
完成画像です。


↑ 超簡易型PHONO入力端子(手前)
当時は殆どのパーソナルラジオには外部入力端子は設けられておりません。
組み込に使用した内部シャーシーはコロムビア真空管式3バンド5球スーパーラジオですが、
レコードプレーヤー(クリスタルカートリッジ用)を接続できる簡易端子が設けられておりました。
それは使用時にショートバーを切り離してレコードプレーヤーの出力ケーブルをネジ止めする必要があります。
レコードプレーヤーの使用が終われば、元通りにショートバーを取り付けます。

↑ ロータリーセレクタースイッチを使用して本格的なPHONO切り替え回路を設けました。
スイッチ回路接点に余裕がありましたので、おまけにAUX端子を増設いたしました。

↑ やはり完璧な動作を重視した方法に決定いたしました。
ロータリーセレクタースイッチを使用いたします。

↑ 接点数に余裕がありますので、直接接続できるAUX端子としてRCAピンジャックを増設しておきました。




↑ 小さなツマミで「ラジオ」⇒「ブルートゥース」⇒「ピンジャック」と切り替え変化いたします。
イコライザーは低周波の「ある特定の周波数帯域のデシベルの増強や減衰により音の補正を行う回路」ですが
この機器ではイコライザーの必要はありません。
1973年製Technics 4CHステレオ「SC-2500D」の修復修理は唯一正常動作のパワーICは問題なく動作をして
フロントSP左右同時に駆動しております。
この状態で各部のパフォーマンスの向上と使い勝手の良い改良を加えていきたいと思います。
ご依頼者のご了解の上進めさせていただきます。


↑ FM受信に不安がありましたが、FM MUTINGスイッチの接触不良があり接点復活剤の噴射注入で
改善されました。
そしてダイヤル内中心部のFM STEREO放送受信時に点灯するインジケーターランプも点灯いたします。

↑ フロントスピーカーの接続端子をプラグレスのフリーの端子を別途取り付けを行います。

↑ このスピーカー端子はフロント出力の片チャンネルを出力していますので、R/Lスピーカーが
R出力同じ音になりますが、実際に聞いてみて不快感は全くありません。
AMラジオやFM MONOなどはモノラルですからR/L同じです。


↑ スピーカーケーブルを接続する場合は「+ -」 の極性をR/L同じに合わせます。
どちらかが逆になりますと音波が打消しあって音が歪ます。
1973年製Technics4CHステレオ「SC-2500D」の修復修理は唯一正常動作のパワーICは問題なく動作をして
フロントSP左右同時に駆動しております。

↑ ダイヤル照明の一部に時々不点灯があります。
非常に込み入った表示灯になっています。
交換は非常にやりにくい構造になっています。

↑ 2ヶ所のランプ切れがありました。


↑ 交換完了です。


非常に珍しい1973年製Technics 4CHステレオ「SC-2500D」の修復修理の記録です。

↑ チューナーアンプとフロントスピーカーそしてリアスピーカーをお預かりしておりました。

↑ ☆参考画像 以前に修復修理を行いました同型の製品です。

↑ チューナーアンプです。



↑ フロントスピーカーを接続して電源投入、ガリガリ、ウーン・・・、電源断。

↑ 出力回路基板のチェックを行います。
予感的中、「パワーIC」 のダウンですが、致命的です。

↑ 出力回路基板



↑ パワー回路の増幅、出力の集積回路(IC)は当時の高性能4チャンネルアンプに使用されておりました。
しかし一旦トラブルが発生した場合はICの交換になり現在では致命的になります。

↑ パワICはフロントアンプR/L リアアンプR/L の4か所に使用されています。
現状を詳しく調べますとフロントアンプRのみ正常動作しています。



↑ AM→ FM→ FMST→ PHONO回路の動作及び各ボリュームのガリ、各スイッチの接触不良の修復は
接点復活剤の噴射注入で回復いたします。
ホーン型スピーカーの使用により独特の「前に飛び出す感」の切れの良い音質は維持されています。
1941年製造の国民ラジオ早川電機製「放送局型第122号受信機の修復修理は最終工程に入ります。

↑ 完成画像

↑ やはり完璧な動作を重視した方法に決定いたしました。
ロータリーセレクタースイッチを使用いたします。

↑ 接点数に余裕がありますので、直接接続できるRCAピンジャックを増設しておきました。




↑ 小さなツマミで「ラジオ」⇒「ブルートゥース」⇒「ピンジャック」と切り替え変化いたします。




↑ 手前に置いてありますシャーシーが122号ラジオの最初のシャーシーです。
蘇り、グレードアップした122ラジオは120%以上活躍してくれると確信いたします。
1941年製造の国民ラジオ早川電機製「放送局型第122号受信機の修復修理 は工程VOL2へ進みます。

↑ スピーカーグリルサランネットを貼り付てシャーシーを組み込んだ状態です。

↑ スピーカーバッフルボードを作っておきます。

↑ サランネットを張り付けてキャビネットに固定いたします。


↑ シャーシー補強と固定用の金具を取り付けておきます。

↑ 比較的小形のキャビネットですが、予定通りにマウントを行います。

↑ 小型のダイナミックスピーカーはバッフルボードに取り付けますと格段に音質音量がダイナミックに
なります。






↑ シャーシー固定用の金具を取り付後文字板の位置に少しズレが生じました。
お定まりのカットアンドトライで苦戦を強いられやっと納得の状態に漕ぎつけました。
ベースのコロムビアラジオのPHONO入力が簡単すぎて、ブルートゥース受信機の取り付には、
少々問題があり改善方法を模索中です。


↑ どうしても別付スイッチが必要になります。
最初考えたこの方法の問題点に改良を加えたいと思います。
あまり大袈裟にならず簡易的になる方法がベターと考えております。
ヒントは既に浮かんでおります。
次工程で・・・
1941年製造の国民ラジオ早川電機製「放送局型第百二十二号受信機」は78年前昭和初期の製品です。
ラジオ受信機の普及促進でNHKとメーカーが設計した標準回路により各メーカーが製造して販売されました。
真空管4球の「再生検波方式」のラジオです。
しかし、当時は不具合が多くラジオ屋が修理に苦労したものです。
正に文化財的な貴重な製品です。
「再生検波方式」の意味はごく簡単には検波出力をフイードバックして発振一歩手前の最も感度の高い状態
を同調バリコンと再生バリコンを調整して使用するものですが、混信もあり、あまり使用感の良いものではあ
りませんでした。
後には「スーパーヘテロダイン方式」になり感度も格段に良くなり、現代のラジオもこの「スーパーヘテロダイン
方式」が採用されています。

↑ キャビネットは綺麗に修復が成されております。
サイズ W395 H240 D142mm


↑ 内部は修理の形跡がありますが、スピーカーが取り外されています。
ご依頼者のご希望は外観のレトロ感を残して多目的に使用したいというお話でした。
現状ではご希望を全てクリアするは問題がが多発して不可能に近く、結局5球スーパーラジオを組み込むことに
なりました。

↑ 組み込みに使用する5球スーパーラジオの選定は難しくシャーシーの構造により決まりますが、
箱型シャーシーよりも平型垂直シャーシーが適しています。

↑ 今回はコロムビア真空管式3バンド5球スーパーラジオを使用いたします。
先ず中古のコロムビア3バンド5球スーパーラジオの修理をはじめながら進めます。

↑ シャーシーを取り外して3ヶ所のツマミシャフトの位置合わせを考えます。

↑ 元ラジオのキャビネットの3ヶ所のツマミの位置は、下側2つの間隔が80mmです。
組み込み用のコロムビアラジオのシャーシーの方は100mmですが20mm狭くする必要があります。
上のダイヤルツマミの位置は高さも横位置も異なります。
下のつまみ2つを底辺にした3角形の頂点の高さが底辺から60mmに合わせます。

↑ 100mmから80mmに20mm移動するのには部品が密集混雑しているシャーシー上では無理があります。
左側の電源スイッチ付ボリュームを20mm右絵へ移動するには「中間周波トランス」があります。
方法として「中間周波トランス」の移動を行います。
そして、その後に電源スイッチ付ボリュームを取り付けます。

↑ 電源スイッチ付ボリュームを20mm右へ移動取り付け配線を行いました。

↑ 一旦取り外した「中間周波トランス」を取り付け接続をいたしますが、規定通りの取り付け穴を
開けることは出来ません。
そこで通常は採用しない方法で既存の開口部を利用して取り付け配線を行います。
まず「中間周波トランス」のケースに取り付け脚として1.6mmの銅線を2か所に取り付けておきます。
そして4か所の接続端子にリード線を半田付しておきます。

準備の出来た.「中間周波トランス」を空きスペースに既存のビス孔などからシャーシーに脚としての銅線を
差し込み「中間周波トランス」のケースをシャーシー面から15mm程浮かせて脚としての銅線をシャーシーに
直接半田付をして固定します。
最後に4か所にはんた付けしておいたリード線を所定の回路に半田付接続を行いました。

↑ .「中間周波トランス」を空きスペースに半田付接続を行った様子です。

↑ 次は画像左の選局バリコンを所定の位置へ取り付けます。
下のつまみ2つを底辺にした3角形の頂点の高さが底辺から60mmに合わせます。

↑ そして同時進行でタイヤル文字板の取り付け方法をの下準備をしておきます。
これは前後の位置合わせもありますので更に注意が必要です。


↑ 続いて問題が出てまいりました。
バリコンを右回し全開の時羽根がブロック型電解コンデンサーケースに僅かに触れてしまいます。
これは、取り外して単体の電解コンデンサーに交換して分散取り付けに改良いたします。

↑ 選局バリコンのシャフトの穴開け位置が予定通り決まりました。
バリコン取り付けの穴開けを行います。
バリコン取り付け、シャフト延長と同時進行でダイヤル文字板の取り付けボルトの位置合わせも進めます。

↑ ブロック型電解コンデンサーを単体の電解コンデンサー3個に交換を行いました。

↑ ダイヤル文字板のバックライトの配線を新しくしておきます。

↑ ローレットシャフトにツマミの収まりを心配しましたが、想像以上にしっかりしております。



↑ ベースに使用したCOLUMBIA MODEL1206 はMW/N.S.B./SW 3バンド 5球スーパーラジオです。
状態は良好です。
ただ、PHONO機能が充実していませんので次工程で改良を行ってまいります。
ラジオの動作テストを続けます。
次工程はブルートゥース組み込みの準備に進みます。
1950年代ビクターSPレコードプレーヤー「RP-7」の修復修理は以前にピックアップアームの交換とケーブルなど
の交換を行いました。
今回はマグネチックカートリッジの音質が歪むため修理を行います。



↑ 前回交換したピックアップアームは「ナショナル」でした。


↑ マグネチックカートリッジを取り外して分解します。

↑ 馬蹄形磁石を使用した前世代より少し新しく小形になっています。
発電コイルの直流抵抗は1.5kΩです。


↑ 更に分解してカンチレバーを取り外しました。

↑ カンチレバーの緩衝ゴムの劣化を確認して新しいものに交換をして組み立てを行いテストをいたします。


↑ テストの前に音量調節用の20kΩボリュームの接触不良を接点復活剤を注入して修復いたしました。

↑ テスト中の様子です。
音質はやや蓄音機に近く、出力は先に修理を行ったコロムビアより低目です。
フォノモーターのトルクが弱くスタートの初速が低速で暫くして定速回転になります。
色々対策しますが効果が出ません。
エージング中。
1950年代コロムビアレコードプレーヤー「RP-450」の修復修理は仕上げの作業を行います。


↑ 完成画像


↑ スライド式フレーヤーボードをキャビネットに収納いたします。
内部の電源コードが短くて難しいため少し長いコードを付け替えます。


↑ フォノモーターのスタート/ストップスイッチが切れる瞬間のスパークによりショック性のノイズが酷いため
ノイズ軽減用のコンデンサーを取り付けておきます。

↑ 赤丸印がフォノモーターのスタート/ストップスイッチの最初の状態でコンデンサーがありません。

↑ 完成したプレーヤーボードの裏面の様子です。


↑ 最終テストの様子です。
このプレーヤーのフォノモーターは50Hzと60Hzの切り替えタップがありますが、
60Hzに切り替えますとモーターが回りません。
調べますとモーターコイルの導通がありません。 コイルの断線です。
結局50Hzに戻しました。
速度調整でかなりブレーキがかかっておりますので最初はトルク不足でスロー回転になりますので、
調整が必要になります。 長時間の使用で安定して来ます。
1950年代コロムビアレコードプレーヤー「RP-450」の修復修理はクリスタルカートリッジ搭載のピックアップアーム
を別のプレーヤーから外したマグネチックカートリッジ付のピックアップアームを載せ替える作業になります。


↑ コロムビアレコードプレーヤー「RP-450」です。 78回SPレコード専用クリスタルカートリッジです。


↑ 換装に使用するマグネチックカートリッジ付のピックアップアームです。
マグネチックカートリッジを点検しますと直流抵抗2.13kΩでカンチレバーの状態も良好です。


↑ プレーヤーボードの取り外しが少々面倒です。 前カバーを取り外します。

↑ ピックアップアームを取り外しました。

↑ 電源の一部の配線を切り離しました。

↑ オートストップのアームレバーとオートスイッチのタイミングの位置合わせが微妙な作業になります。

↑ レコードを架けながらスタート、ストップの位置を合わせます。




↑ 音質も良好です。
続きます
2台目の1960年後期コロムビア3スピードポータブル小型電蓄「MODEL2000」緑の修復修理はケースの色違いで
その他は同様です。

↑ 外観はすごく綺麗です。

↑ クリスタルカートリッジは装着されていましたがロネット式ターンオーバーで出力線が片方断線しています。
半田付接続してテストしますが、やはり劣化で音が出ません。

↑ 新しいセラミックカートリッジを仮接続して音出しを確認いたしました。

↑ 新しいセラミックカートリッジは固定式の為接着取り付けを行いました。


↑ 回転メカの点検注油を行いました。 60Hz仕様の為安心です。

↑ フォノモーターの下部軸受けにも注油を行いました。


↑ 45EPのテストの様子です。

↑ 33LPのテストの様子です。
やはりセラミックカートリッジの方が音質音量とも優れています。
1960年後期コロムビア3スピードポータブル小型電蓄「MODEL2000」はまだカセットテープが普及していなかった
時代でお手軽にレコードが楽しめるこのポータブル小型電蓄は50万台のヒット商品でした。

↑ カラー鉄板でプレス成型されたケースは美麗・堅牢で半世紀以上の経年に耐えています。

↑ ターンテーブルゴムマットとクリスタルカートリッジが欠品しています。


↑ 交換用のクリスタルカートリッジが用意れていましたが、差し込み式の出力線が断線しているため
取り付けが出来ないのでそのままになっていたようです。


↑ このクリスタルカートリッジが使用可能かテストの結果大丈夫ですので直付半田付で取り付けました。


↑ ターンテーブルの回転が極端に遅いためフォノモーターとアイドラー軸に注油を行い動きを改善いたしました。

↑ この製品は50Hz仕様のため回転数が極端に早くなりますが、マグネット式の速度調整機能がありますので
調整範囲でカバーできると思います。


↑ 45回転はキャプスタンが太くてスリップが少なく伝導ロスが軽くてスムーズに回転しています。

↑ 33回転はスタート時にスリップがありますが、すぐに正常になります。
50Hzと60Hzでは12%の差がありブレーキによる調整は許容範囲を超えていますがなんとか使用できます。

↑ 完成です。
1970年代HITACHIポータブルレコードプレーヤー「MQ-20」の修復修理の記録です。


↑ Lady Bird テントウムシブランドでしょうか製造販売は複数のメーカーがあります。
こちらはHITACHI製の「MQ-20」です。 デザインも内部仕様も全て同じです。
●不具合の症状は「アームの支点に違和感があり音が出たりでなかったりする」と云うことです。

↑ アーム支点部の極細の出力シールドケーブルその他に異常はありません。

↑ 原因はクリスタルカートリッジの劣化不良です。

↑ セラミックカートリッジを交換取り付けを行いました。

↑ 音質/音量は申し分なしで、回転は少々速いようですが安定しています。
1970年代コロムビアポータブルレコードプレーヤー「SE-8」の修復修理の記録です。

↑ レトロ感覚より現代にも十分通用する生命力を感じる魅力的なデザインです。
お部屋に置いて年齢など超越して愛されるアイテムだと思います。
●不具合の症状は「既定の回転数にならない」様子です。

↑ Lady Bird テントウムシブランドでしょうか製造販売は複数のメーカーがあります。


↑ 原因はフォノモーターをマウントしているクッションゴムが経年劣化で溶けて位置ずれを起こしています。

↑ そのため、モーターキャプスタンとアイドラーの接触点が合わないため回転異常を起こしています。

↑ フォノモーターと取り付け板を外してクッションゴムを取り外して交換を行います。


↑ 3か所のクッションゴムの交換が完了いたしました。


↑ テスト中の様子です。 回転は安定しましたが「コトコト」騒音が出ています。

↑ 劣化したクッションゴムの破片です。
希少な東芝SOLID STATE STEREO LISBON 「MS-35」は最終仕上げ工程が終了いたしまして完成いたました。
最初に見た時に、このオールトランジスタ製の東芝ステレオ LISBON MS-35 はシャーシーの設計が当時の先進
のヨーロッパメーカーの製品を参考にしたように思いました。
兎に角当時としては斬新すぎるのです。 何もかもが、外国製の雰囲気が備わっています。
そして良質で無駄がなく、造られているのです。
本当に、最初こんなにコンパクトなシャーシーで 「LISBON」の銘にふさわしいダイナミックな音が出るのかと
疑念をいだきました。

↑ 完成画像


↑ プレーヤー部分の様子です。
オートチェンジャーの為かなり深くなっています。

↑ シャーシーの取り外しは大変でしたが、元通りマウントするのも簡単ではありません。

↑ 小形のシャーシーから接続ケーブルでつなぐものが多すぎます。
接続ケーブルが多すぎてジャングルのツタのように絡まっています。



↑ 白いコネクターと配線は「正弦波インバーター電源」用の新しく取り付けた配線です。



↑ 「正弦波インバーター電源」からは高調波の変換ノイズが発生しています。
ノイズを避けるため色々工夫を行っております。
しかしノイズを「0」にはできませんが最少の状態に取り付け位置などを調整いたします。

↑ テストの様子です。



↑ 回転安定・ノイズ最少・音質音量良好

↑ 簡易FMアンテナ装着のためFM放送の受信は良好ですが、
設置場所により不安定な場合があります。 その場合は外部FMアンテナの設置が必要です。

↑ エージングテスト中の様子です。

↑ 明るく画像処理を施しています。 実際のダイヤル照明はこんなに明るくありません。
福岡県のお客様からのご依頼ですが、1970年代 COLUMBIA卓上電蓄「SE-20M」です。


↑ 赤と黒のビビットなデザインのオールプラスチックのお手軽に使いやすいレコード専用卓上電蓄です。

↑ ご依頼内容は「レコードの回転が1.5倍に速すぎる」と云うことです。
この製品には50Hzの標示があります。
明らかにHz(ヘルツ)違いです。 現在地は60Hz地域ですから当然回転数は上がってしまいます。
仕方がないのです。
しかし何とかしないとならないのですが、・・・・・
インバーター電源によるフリーヘルツ化は使用できない原因があります。

↑ このプレーヤーのフォノモーターは凄く変わっています。
トランジスタアンプの電源供給用の低電圧のAC10Vの捲き線をモーター鉄心に同居させています。
そのため正弦波インバーター電源は使用できません。
このままで回転を落とすには「ブレーキ」しかありません。
無音のブレーキは「マグネット」の使用です。 試してみます。


↑ 小型スピーカーを分解して強力なマグネットを取り外しました。


↑ ターンテーブルの真下にマグネットを両面テープで張り付けて位置、高さをカットアンドトライで綿密に
調整をしながらテストを行いました。
しかし思うように回転速度に変化が出ません。
最終的にマグネットを2個使用すると規定の速度になりました。
45回転時はまずまずですが、33回転時はトルクが不足して不安定になったり停止したりいたします。
色々工夫しますが、良い結果は得られません。
今まで一度も挑戦しなかったモーターキャプスタンの研磨を残すのみです。
失敗が許されないので、キャプスタンを細くする精密な作業工程を脳裏に描き「これならいける」と自信を持って
取り掛かりました。


↑ 研磨前のモーターキャプスタンです。


↑ 途中何度も「ストロボ円盤」で回転数の変化を読みながら続けます。 削り過ぎに注意します。


↑ 研磨成功です。


↑ 回転速度と回転ムラなどを観ていますが、安定しています。



↑ エージングテストの様子です。


↑ ボリュームの接触不良のガリ音を接点復活剤の噴射により修復いたしました。
希少な東芝SOLID STATE STEREO LISBON MS-35 の修復修理はキャビネット周りの修復工程が終わり
ますと、全ての機器の組み込みを行います。

.
↑ キャビネット回り修復完成画像

↑ 新しいスピーカーケーブル取り付けをおこないます。




↑ スピーカーケーブルを取り付けて、後部板を16本×2の新しい木ネジで固定して完了です。
続いてウレタンニス2回塗りで着色を行いました。
キャビネット/スピーカーとも下部袴部分(ベース)のダメージがかなりひどくパークルボードは「崩れ」
ベニヤ合板は「剥がれ」があり、細部の修復が必要です。

↑ キャビネット/スピーカーとも下部袴部分(ベース)の材質は4辺の内、最後部はパーチクルボードで
あと3辺はベニヤ合板です。
画像は剥がれた破片です。

↑ パーチクルボードの部分は崩れた部分と崩れかけいる部分を木工ボンドを塗布して固めます。



↑ ベニヤ合板の部分で全体的な剥がれは取り除きます。




↑ 袴部分(ベース)は黒色の塗装を行いました。



↑ 上扉の開閉が中間で止まらずに扉が勝手に落ちてしまう不具合をヒンジの調整で修正いたしました。
希少な東芝SOLID STATE STEREO LISBON MS-35 は半世紀の経年劣化で全体的に劣化が進んでいます。
チューナーアンプ/オートチェンジャープレーヤー修復が進みました。

↑ スピーカーの内部の点検を行います。
真空管式のアンサンブルステレオは開放型のスピーカーですが、
セパレートステレオは密閉型の為内部の様子が見えません。

↑ 後部板を取り外しました。


↑ 低音スピーカー(ウーハー) と高音スピーカー(ツィーター)は正常です、コンデンサーも異常なしです。

↑ 最初から気になっていましたスピーカーケーブルは経年劣化で被覆が固くなり変質変形しているため
交換をいたします。

↑ 交換用のスピーカーケーブルに外した専用のスピーカープラグを付け替えておきました。


↑ 取り外した後部板は内側に吸音材が貼り付けてあります。




↑ 後部板の材質はベニヤ合板ではなく当時の合成材(パーチクルボード)です。
細かく粉砕した木片を接着剤で固めたものですが、経年劣化で変質して強度が低下して崩れが発生しています。
このまでは使用できないため、交換をいたします。


↑ 580×417mmの丈夫な12mm厚のコンパネを使用いたします。
続きます