
約半世紀前の三洋電機製ラジオ内蔵SANYOオールトランジスタポータブル電蓄「PG-R7」の修復修理の記録です。
[VOL1工程の経緯]
最初にスイッチを入れた途端にバリバリ、ガリガリと猛烈な雑音のみでレコードプレーヤーも回転しません。
プリント基板パターンの再半田付け強化を行いました。
低周波増幅回路のトランジスタを交換いたしました。
その結果、スイッチを入れた直後5秒間ほどはバリバリ、ガリガリと前よりは若干弱く入っていましたが、
その後はノイズなしで長時間正常動作しています。
しかし、
スイッチを切った瞬間に「シャリシャリッ」と一瞬ですが弱いノイズが消えていきます。この現象を見逃さずVOL2工程で対策を行います。

↑ VOL1工程の結果、スイッチを切った瞬間に「シャリシャリッ」と一瞬ですが弱く不規則にノイズが消えていきました。
この現象を見逃しておりませんでした。
これは電源回路のコンデンサーに蓄積された電荷が放電されていく現象です。
◎スイッチを切った瞬間に「シャリシャリッ」と一瞬ですが弱く不規則にノイズが消えていきます。
この現象を見逃さずVOL2工程で対策を行います。
6.3Vの低耐圧の大容量電解コンデンサーでしかも劣化も進んでいますので要注意です。
一応目ぼしい6.3Vの低耐圧の大容量電解コンデンサーの交換を行いました。
画像 取り外した6.3Vの低耐圧の大容量電解コンデンサーです


↑ 赤〇印が交換した電解コンデンサーです。
完璧です、ノイズレスの爽快な状態を取り戻しました。

↑ プレーヤーのターンテーブルの整備を行います。

↑ ターンテーブルはストッパーピンを外してから取り外します。


↑ アイドラー軸とモーターベアリングに少量の注油を行います。

↑ 快調です。

↑ 回転数が若干速くなっていますので、回転ストロボシートと蛍光灯照明で調整を行いました。
以上で完全復活をいたしました。

約半世紀前の三洋電機製ラジオ内蔵SANYOオールトランジスタポータブル電蓄「PG-R7」の修復修理の記録です。


↑ 今はなき三洋電機株式会社製の当時としては真っ赤なプラスチックケースに収まったコンパクトな魅力的な
デザインは現代の生活スタイルにもすぐに溶け込んでくれます。
残念なことにスイッチを入れた途端にバリバリ、ガリガリと猛烈な雑音のみでレコードプレーヤーも回転しません。

↑ 分解点検いたしますと、バリバリ、ガリガリと猛烈な雑音はボリュームに関係なく大音量です。
5分間ほど点検中も続いています。

↑ 基板を点検いたしますが原因不明のノイズ(雑音)の発生源は不明です。
多種多様な原因が考えられますが、最も多いのはトランジスタの経年劣化による不良です。
しかし今回は先ず小規模なプリント基板のパターンの半田付けの経年劣化によるものが考えられますので、
基板パターンの半田付強化を行いました。
結果は外れました。 相変わらず猛烈なノイズが出ています。

↑ 次に低周波増幅回路のトランジスタを交換いたしました。
黄〇印2個は出力トランジスタですがチェックの結果、悪くないと判定いたしました。
赤〇印2個は前段増幅トランジスタですが交換が必要と判定いたしました。


↑ 低周波増幅トランジスタは旧式の2SB186ですが、2SBタイプ互換性トランジスタを使用して交換を
いたしました。
交換をわかりやすくする為基板の裏側(パターン側)に取り付けました。

↑ 交換完了テストを行いました。 変化がありました。
スイッチを入れた直後5秒間ほどはバリバリ、ガリガリと前よりは弱く入っていましたが、その後はノイズなし
で長時間正常動作しています。
そしてスイッチを切った瞬間に「シャリシャリッ」と一瞬ノイズが尾を引いています。
しかし、納得はできませんので、続いて究明いたします。
そのまえにレコードプレーヤーを点検しておきます。
続いてプレーヤーを仮修理して音出しを試みます。

↑ クリスタルカートリッジが経年劣化で動作不良になっていますのてセラミックカートリッジに交換を行いました。
クリスタルカートリッジの耐用年数は約30年以内です。

↑ 左 不良のクリスタルカートリッジ 右 交換の新セラミックカートリッジ

↑ 取り外した不良の低周波増幅トランジスタ

↑ 33回LPレコード 動作テストの様子です。

↑ 45回EPレコード 動作テストの様子です。
ノイズの修復は更に次工程に進みます。

珍しいビクター4CHセパレートステレオ「DF-9」の修復修理はチューナーアンプの詳細点検修理とレコードプレーヤーの最終調整が終わりキャビネットに組み込み作業を行います。


↑ 前行程で補修済みのキャビネットの背面にFM用簡易アンテナを取付しておきます。

↑ 背面に300Ωフィダー線で自作したFM用簡易アンテナを取付いたしました。
この簡易アンテナは結構感度が良く重宝いたします。

↑ 完成画像


↑ ヘッドホンジャックも確認済です。

↑ エージングテストを続けます。


↑ 背面の様子です。

珍しいビクター4CHセパレートステレオ「DF-9」の修復修理でレコードプレーヤーの換装準備が順調に進み、微調整と、チューナーアンプの詳細点検等を実施いたします。

↑ チューナーアンプの詳細点検と同時にプレーヤーの微調整を行います。
スピーカーはお預かりしておりませんので、DF-11のスピーカーを接続して各部の点検調整を始めます。

↑ セクション 「AM/FM/PHONO」
モード 「2CH」 「4CHモード」その他点検 Rリアアンプ回路のヒューズ切れ発見
音質調整 等全ての機能の点検・調整・修復を行いました。

↑ レコードプレーヤーの33回転・45回転の微調整を行います。




↑ SPEED STOROBO SCOPEにより正確に回転数を微調整いたします。
スピード ストロボ スコープによる微調整には必ず蛍光灯の光源が必要です。
●自然光やlLED照明と白熱電球には反応いたしません。
理由はスピード ストロボ スコープはHzによる1秒間に60回又は50回のフリッカー(ちらつき)に反応するものです。
自然光やlLED照明と白熱電球にはフリッカーがありません。

↑ ターンテーブルの外周に4条の刻印された凹凸が静止している状態が正確な回転数になります。
上から
① 50Hz 33 回転
② 50Hz 45 回転
③ 60Hz 33 回転
④ 60Hz 45 回転


↑ 回転数切り替えボタンの左側面に半月形の調整ツマミがあります。

↑ 静止パターンの撮影はシャッタースピードが合わず出来ませんでした。

↑ キャビネットの表面材が半分以上剥がれています。

↑ 一旦剥がしてドライヤーで加熱して中央付近の凹凸を修正してから貼り付けました。
次工程でアンプシャーシーとプレーヤーの組み込みを行います。

珍しいビクター4CHセパレートステレオ「DF-9」の修復修理はDCサーボプレーヤーの経年劣化のダメージが大きく修復修理
よりも同型完動品の換装を行います。

↑ 完動品の在庫の「DF-11DX」のDCサーボプレーヤーです。

↑ 全体のクリーニングを行います。



↑ 「DF-11DX」のDCサーボプレーヤーは駆動方式が「ターンテーブルベルトドライブ」になっています。
プレーヤーの表面は同じですが、裏面内部は構造が進化しています。
静粛性、安定性が向上しています。

↑ モーターキャプスタンは太くなっていますのはサーボ制御されてモーター回転数が通常より遅くして
あります。

↑ 内部の全体像です。

↑ DCサーボモーターです。

↑ DCサーボモーター回路基板です。 ↑

↑ アーム制御スイッチです。

↑ 33/45回転微調整ボリュームです。


↑ プレーヤーの電源入力はAV100Vになっていますので、改造を行いました。

↑ 準備が完了してテストを行います。


↑ テストは良好です。 確実な動作をしています。


↑ ダイヤル照明も回復いたしました。


↑ エージングテストを続けます。

当時最先端のビクター4CHセパレートステレオ「DF-9」は「DF-11」の前期の機種ですが、大変珍しく今回初めてお目にかかりました。

↑ センター部を厳重梱包でお送り頂いておりました。

↑ 外観はDF-11とほとんど同じですが高さが74cmとなり7cm大きく出来ています。

↑ ご依頼内容はレコードプレーヤーが回転しない状態です。




↑ キャビネットからプレーヤーを取り外しました。


↑ この「DF-9」は「DF-11」と同じ「DCサーボモーター」を使用した高級プレーヤーです。
ドライブベルトは経年劣化で変質してバラバラに砕けています。
モーター防振ゴムも経年劣化で変質してかろうじて原型をとどめています。

↑ サーボ回路基板内の大型トランジスタの1個が固定ビスが外されて浮いています。

↑ トランジスタを良否をチェックしますと不良と判定いたしました。


↑ 両トランジスタが不良のため2SC1061を2個とも交換いたしました。
交換後モーターは回転しますが規定回転にならず、不安定で放熱板も異常過熱で電源を切りました。
サーボ回路基板内には半固定の小型可変抵抗器が5個付いていますが、いずれも接触不良で正しく
調整が出来ません。
最初からサーボ基板に手をつけた痕跡は理解に苦慮いたしますが、修理を中断した様子が窺われます。

↑ このプレーヤーへの供給電源は非常に変わっています。
電源トランスから、AC15V+AC15V=30Vから成り立っています。
この電源供給回路に1.8A電源ヒューズが入っています。
そしてダイヤル照明ランプに電源トランスからAC11Vを供給していますが、ここにも1.8Aの電源ヒューズ
が入っています。
ところが、このプレーヤーの不具合のサーボ回路を動作させると両方の1.8Aのヒューズが飛びます。
これは電源トランスの捲き線が0→30Vとなり捲き線中間タップ15Vがアースになっています。
詳しく調べますとサーボ回路に異常が発生すると大電流でヒューズが断線して回路を遮断して、同時に
パイロット回路のヒューズ゛が切れてダイヤル面のバックライトが消えて異常を警告する仕組みと推察い
たしました。
過去の多数のDF-11ではこのような現象の経験はありません。
レコートプレーヤーは手持ち在庫のDF-11DXのプレーヤを載せ替えることにいたします。

1971年製日立22インチブラウン管カラーテレビ「CTT-940L」が液晶テレビに変身いたしました。
予てよりお客様からご相談を頂いておりましたのは、「昭和レトロ風」にお部屋をリフォームされまして、テレビを当時の
木製キャビネットのブラウン管テレビに液晶テレビをマウントして欲しいと云うご希望でした。
この度ベースになるうってつけのテレビが見つかりマウント作業に取り掛かりました。
完成画像をご紹介いたします。

↑ ベースになるテレビは1971年製(48年前)の日立22インチブラウン管カラーテレビ「CTT-940L」です。
当時は20インチが大型テレビでしたので更に大きく豪華な造りです。
キャビネットサイズ 横幅1100 奥行470 高さ840mm(脚部含む) 重量65kg
マウントに使用する液晶テレビは 東芝 REGZA 26V(良品中古)です。











↑ 昭和レトロの雰囲気と存在感は安らぎと豊かさを与えてくれます。

無銘改造SPレコードプレーヤーに別途用意したピックアップアームを取り付けて使用できるように修復修理を行います。

↑ 完成画像です。

↑ ピックアップアームを取り付けてましたが、正常な音が出ません。

↑ ピックアップアームからカートリッジを取り外して分解しました。

↑ カンチレバーの緩衝ゴムの劣化が原因です。


↑ カンチレバーを分解しました。


↑ 新しい緩衝ゴムに交換を行いました。

↑ 組み立てを行いました。

↑ テストの様子です。 音出し成功です。

↑ ストッパースイッチの取り付け位置に苦労がありました。
元々このアームとストッパーの相性は不適合でしたが、何とかギリギリセーフの状態で収まりました。


↑ カートリッジからの出力シールドワイヤーの交換を行い音量ボリュームに半田付けの時点でボリューの
接続が逆になっているのが発覚いたしましたので、正常に戻しました。