
1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL9最終工程はメインシャーシーの固定やサブシャーシー等の固定、スピーカー後部遮蔽板の取付、その他の
仕上げ作業を行います。

↑ 電源トランスの1次側に挿入のコンデンサーは常時AC100Vがかかっているためパンク率が高いため
交換をしておきました。

↑ 密閉式スピーカーの吸音テックス張りの後部板を取り付け前に清掃を行いました。


↑ キャビネットの後部カバーを清掃いたしました。

↑ 右ピーカーの吸音テックス張りの後部板を取り付け完了いたしました。

↑ 左ピーカーの吸音テックス張りの後部板を取付とキャビネットの後部カバーの取付けを完了いたしました。
そして、脚部4本の取り付けをいたしました。


↑ この機種の脚部の取り付けは非常に難しくなります。
「先付け」と「後付け」のメリット/デメリットを考えまして「先付け」を選択いたしました。






↑ 横線と〇点は傷ではありません、光の反射で映り込んでいます。



美しく 繊細に そして豪快に 仕上がりました。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL8工程は先ず、キャビネットの細部の手入を行います。

↑ 最初は全体に黒っぽい光沢塗装のキャビネットに、とても半世紀以上前の製品と思えない美しさが印象
に残ります。

↑ 角張った箇所はこのような状況に塗装が剥がれて木肌が露出しています。

↑ 凹凸の激しいところは拭いたつもりでも、このように残ります。



↑ 気を付けて拭き取ったつもりでも残ります。

↑ 奥まった箇所に溜まった粉塵は拭き取っても隅のほうはこのように残ります。
これを取除かないと根本的に美しくなりません。
うすめた洗剤を綿棒に含ませてきれいに拭き取ります。


↑ このような細部の木肌露出傷は同色に近い色で根気よく補修していきます。

↑ 全体的にはマイクロクロスタオルを水で思いっきり固く絞り何回も乾いては拭きを繰り返すと、
本来の艶が蘇ります。
ワックスがけをする場合でも下地の汚れを取らずにワックスをかけますと、良くない場合があります。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
約50年前に製造されたこの「STL-670MG」に使用されているフルオートのレコードプレーヤー は精密機械的な
構造とアナログ電気回路を採用した当時日本では高級な部類のプレーヤーでした。
しかし、半世紀も放置されて自然的劣化により、細部の微妙な動作が損なわれておりました。
レコードプレーヤーのオート機構の懸命な修復作業により本来の動作を取り戻しましたが、
レコード演奏が終了して自動的にピックアップアームが元の位置へ戻る動作の「オートリターンメカ」が
レコードの終端で極たまに、アームがリターンをしないまゝ回転を続けることがありました。
調子のよい時は全くミスなしでリターンをしていますが、1日置いて次の日にトラブルが出たりしています。
そして、触っているうちに又調子を取り戻してノーミスで回転していました。
VOL6工程で修復後は完治した様子でノーミス動作を続けております。
この時点でアンプシャーシー/電源部サブシャーシー/レコードプレーヤー/ヘッドアンプ等をキャビネット
へ組み込みを行います。

↑ 組み込み前にキャビネットの内外部のクリーニングを行います。

↑ アンプシャーシー/電源部サブシャーシー/ヘッドアンプ等の接続線をアンプシャーシーに接続した
まゝでアンプシャーシーをキャビネットの所定の位置へ取り付けを行います。

↑ アンプシャーシーを垂直取り付けいたしますが、余裕空間が狭く接続線も短いためこの機種は
最も難しくなります。


↑ 取り付け前に「安心安全」使用の為電源コード/電源ヒューズホルダー/2A電源ヒューズを新しく
交換を行いました。
これはAC100V電源コンセントに常時接続しているため半世紀の経年劣化状態で今後のことを考慮
いたしました。

↑ キャビネット上部のプレーヤー搭載部とアンプシャーシー部です。


↑ 操作パネルの取り付けを行います。 ツマミの取り付けも行います。

↑ レコードプレーヤーのセッティングを行い、テスト中の様子です。 良好です。

↑ 流石に横幅140cmで50Kgの巨体は"音"も"存在感"も迫力があります。


↑ 通常はこのカメラアングルでは撮影できませんので吹き抜けの2F階段から撮りました。


↑ スピーカーサランネットのアップですが、光の関係で多少色に変化が出ていますが経年劣化等が
大してなく美しさを保っています。

↑ エージングテスト中の様子です。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL5工程でプレーヤー 「オートリターンメカの一部不具合」を修復いたしましたが、エージングテスト中に
レコードの終端で時々アームがリターンをしないまま回転を続けることがありました。
調子のよい時は全くミスなしでリターンをしていますが、1日置いて次の日にトラブルが出たりしています。
そして、触っているうちに又調子を取り戻してノーミスで回転しています。
もう少しのところですが、根競べになります。

↑ 根気よく飽きるほど同じ動作テストを繰り返しても一度もミスはありません。
完全ノーミス動作を続けています。


↑ 【通常動作】
操作レバーによりレコード盤の演奏が終わるとアームがリターンしてアームレストに戻ります。
【リピートモード】
レコード盤の演奏が終わるとアームがリターンしてアームレストに戻らず繰り返して最初から
演奏が始まります。操作レバーで停止させるまで、回り続けます。


↑ 黄色で囲った部分がリターン動作の指令メカです。




↑ この↑←が接触して既定の位置に移動してアームがリターンギヤの回転で元の位置へ戻ります。
この動作がスムーズに行われない原因は経年劣化による弱い力で動作をさせる機能が低下していました。
メカパーツのクリーニングを行い酸化防止のモリブデングリースの注入を行いました。




↑ レコード盤の終端に針先が感知するリターン溝があります。 その位置でアームがレコード面から
離れて元へ戻されます。

↑ アルミダイキャストのターンテーブルの外周部に塗装された部分が劣化して見苦しいため
サンドペーパーで磨き上げてピカピカに輝きました。
ゴムマットも洗剤で洗っておきました。

エージングテストを続けます。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL5工程はプレーヤー 関連で「オートリターンメカの一部不具合」と「レコード演奏時の音質に重大な問題点」
を追及いたします。

↑ プレーヤーの修復修理で「オートリターンメカの動作テストを慣らし動作を行いながら、
「レコード演奏時の音質に違和感を覚えながら、メカの方に集中しておりました。
しかし、テスト中のその音質には疑問を持っておりました。
表現を音響用語で言わずに普通に云いますと、「なんとも言えない粗さを感じます」
原因をを追及いたしますと、
① テスト用レコード盤の劣化・・・・・常時テスト使用しておりますが異常なし。
② レコード針の摩耗・・・・・ルーペで拡大目視で異常なし
③ MMカートリッジの不良・・・・・カートリッジからの出力をヘッドアンプを通さず、
AUX端子へ接続すると正常。
④ MMカートリッジのヘッドアンプの不具合・・・・①②③判定結果により原因は
「ヘッドアンプ」の劣化故障と断定いたしました。

↑ MMカートリッジのヘッドアンプです。
真空管ステレオ時代でしたが、新時代のトランジスタ(半導体)が一部に初めて導入されていました。
正しくハイブリットの"さきがけ"でした。
2SC536E×2と2SC536F×2の合計4個の外国製トランジスタを使用しています。
回路の詳細点検の結果このトランジスタの劣化不良に間違いありません。

↑ 取り外した劣化不良の2SC536E×2と2SC536F×2の合計4個の外国製トランジスタです。
同型のトランジスタは入手不可の為、代替品のトランジスタに交換を行いました。
しかし増幅度が高すぎて、最終的に2SC373×4個に交換を行い解決いたしました。

↑ 2SC373×4個に交換を完了いたしました。









↑ 動作テストは良好です。


↑ 左から 「電源サブシャーシー」「チューナーアンプシャーシー」「ヘッドアンプ」「プレーヤー」です。

↑ リピートモードの連続テスト中の様子です。

↑ エージングテスト中の様子です。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL4工程は「ステレオの心臓部の電源サブシャーシー」の強化を行います。



↑ 通常の真空管ステレオの電源部はシャーシー一体化になっていますが、
この「STL-640MG」はデザインの関係でサブシャーシーになっています。
電源部は最も故障率の高い部分です。
特に直流高電圧回路の整流ダイオードやブロック型大容量電解コンデンサーなどは経年劣化で、
信頼度は低下しています。 50年間も休眠して目覚めて大電流を流すのは一時的には可能でも
安全度は低下していてますので、安心はできません。
修理テスト中にコンデンサーの破裂は時々あります。
特にブロック型大容量電解コンデンサーは複数の大容量電解コンデンサーを一つの缶体に封入
していますので心配です。
ブロック型大容量電解コンデンサーは現在製造されていません。
単体の大容量電解コンデンサーに交換を行います。
交流から直流を生成する半導体の整流用ダイオードも寿命がありますので交換をいたします。



↑ 1個目の単体の100μF400WV大容量電解コンデンサーをシャーシー内部に取り付けを行いました。

↑ 2個目の単体の100μF400WV大容量電解コンデンサーの取り付けを行いました。
3・4.・5個目単体の47μF400WV大容量電解コンデンサーの取り付けを行いました。
ここまで小さなシャサブシャーシー内部に収まりました。
3個の整流用ダイオードを交換いたしました。

↑ 6・7・8個目単体の47μF400WV大容量電解コンデンサーはシャーシー上部に取り付けを行いました。
テスト結果は良好です。 電源部は音にも影響が出ます。

↑ 交換のため取り外したパーツです。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VO3工程は全動作不良のレコードプレーヤーの修復修理を行います。

↑ このプレーヤーは、まだベルトドライブのプレーヤーは出現していない時代の4スピードリムドライブ
方式オートプレーヤーMMカートリッジ搭載の最上級モデルでした。
しかし半世紀以上の経年劣化が激しく、精密機構部のグリースやオイルが劣化変質で固着により微妙
な可動部の動作が停止して正常動作が阻害されています。
2015年10月に修復修理をいたしました「1966年製Victor STL-740MG」にも同じメカのプレーヤーが採用
されていました。
この時もメカの動作異常で悩まされました。

↑ このプレーヤーのターンテーブルは大型の直径28cmのダイキャスト製です。

↑ ターンテーブルの重量はかなり重く設計されています。
これはレコード盤に対して共振を少なくして音質を向上させる手段の一環として行われています。


↑ フォノモーターは回転しますが、スピンドルからアイドラーにトルクが伝達せず、ターンテーブル
が回転いたしません。

↑ 原因はアイドラー軸が固着しています。



↑ アイドラー軸のロックを修復の結果、不完全ながら回転いたしました。
しかし、基本的にはフォノモーターの防振ゴムの劣化によりモーターのマウント位置が崩れています。




↑ 哀れ! 防振ゴムが溶け落ちて無残!

↑ 溶けて固着した防振ゴムの残骸を削ぎ落して、フォノモーターを取り外して、
新しい防振ゴムに交換いたします。


↑ 新しい防振ゴムに交換いたしました。




↑ パーツクリーナーや潤滑剤などを使用して固着化した部分を溶かしながら根気よく改善を
進めていきます。

↑ 動作テストを行いながら、各部の改善状態を広げていきます。




↑ オートリターンのみ動作不良ですが、その他の動作は取り戻しつつあります。

オートリターン機構の修復を進めていきます。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
VOL2工程でチューナーアンプの修復修理を行います。

↑ チューナーアンプシャーシーをキヤビネットから取り外して点検する場合は各部の接続線の長さに
余裕がないためキャビネット背面の全てのネジ止めボードを取外しておきます。




↑ 後部はこのオープン状態で、シャーシー固定のボルトナットを外します。

↑ 次に上部のツマミと操作パネルを取り外して2箇所のシャーシー固定ネジを取り外します。

..
↑ 超大型のキャビネットの狭小空間からチューナーアンプシャーシーを取り外しました。




↑ 通電して動作状態で詳細点検を行います。
.

↑ 上から4つのピアノ式セレクタースイッチと3つのボリュームと下の電源スイッチです。
全てに経年劣化による接触不良が発生しています。
↑ ピアノ式セレクタースイッチ AM/FM/FMSTEREO/PHONO
ボリューム VOLUME/BASS/TREBLE
電源スイッチ POWER
全てに経年劣化による接触不良が発生しています。
接点復活剤を噴射注入によりすり合わせを行い接触面の活性化を行いガリノイズを修復いたします。

AM /FMラジオの受信テスト中に内部ノイズの発生を確認いたしました。
ボリュームの大きさに関係なく一定のジャリジャリ音が発生しています。
これはガリ音ではありません。 真空管の接触不良又はカップリングコンデンサーの不良と判断いたします。



↑ 出力回路の30MP27プッシュプル回路にはノイズの発生源は認められませんでした。

↑ その前段の12AX7の低周波増幅回路基板内の真空管関連又はコンデンサーなどの劣化不良が濃厚てす。

↑ 真空管12AX7には問題はなく真空管ソケットの接触不良も大丈夫でした。

↑ 詳細点検の結果、矢印のカップリングコンデンサーの劣化による絶縁不良と断定したしました。

↑ 前段の2箇所のカップリングコンデンサーを交換してノイズはピタリと止まりました。

↑ 後段のカップリングコンデンサーの交換も行いました。

↑ 真空管の内部電極が原因の場合は振動や温度上昇により変化があります。

↑ エージングテストを続けます。

1960年代ビクター真空管HiFiStereoAudiora「STL-670MG」は当時の真空管式アンサンブルステレオでは最大サイズです。
この「STL-670MG」はSTL-670/STL-670M/STL-670MGとグレードが最上級になります。
完全修復修理に取り掛かります。

↑ サイズ W1400 H680(脚部含む) D430mm 重量 約50Kg

↑ 脚部を取り外して厳重に梱包して送られてきました。



↑ 開梱に1時間以上かかりました。

↑ 「MG」はプレーヤーがグレードアップされて28cmダイキャスト製ターンテーブルでMMカートリッジに
アップクレードをされておりました。
ターンテーブルは回転しませんが、フォノモーターは回転OKです。






↑ 背面の遮蔽板を取り外します。

↑ 密閉式の右スピーカーです。


↑ チューナーアンプシャーシーです。


↑ 電源部サブシャーシーです。
電源が入り、ラジオの受信ができましたが、ガリノイズでやっと、といった感じです。
完璧な状態に修復修理を進めてまいります。

予てよりお預かりしておりました1960年後期PIONEERモジュラーステレオ「C-250A」の修復修理の記録です。
いよいよ最終工程になりました。

↑ 完成画像です。

↑ 壁掛け用に作られたのでしょうか、長すぎて始末に困る5mのスピーカーケーブルを標準の2mに縮めました。



↑ 随分とスッキリいたしました。

↑ シャシーを組み込んだ上にプレーヤーを載せます。

↑ プレーヤーを載せて出力ケーブルと電源コードを接続しました。

↑ ダストカバーは最後に取り付けます。



↑ 完成後のエージングテストを行います。



↑ 最終エージングテストの様子です。

予てよりお預かりしておりました1960年後期PIONEERモジュラーステレオ「C-250A」の修復修理の記録です。
チューナーアンプシャーシとレコードプレーヤーをキャビネットに組み込みを行う前にキャビネットとスピーカー
のクリーニングと修復を行います。

↑ キャビネットとスピーカーの表面材は高級木材の突板を採用してあります。
経年劣化により色褪せや剥がれなどがあります。 手入れをして美しく蘇らせる作業行いました。



↑ 表面の拭き取りと蜜蠟ワックスの塗布て磨き上げて枯れた表面に潤いと適度な艶が戻りました。




↑ FMラジオを手軽に聞けるようにFM簡易アンテナを取り付けておきます。

↑ 300Ωフィダー線でダイポールアンテナを手作りしてキャビネットの底面に取り付けを行いました。
指向性によりキャビネットの設置の方向により感度が変化しますが、結構感度が良く使いやすい
FM簡易アンテナです。


↑ 突板の剥がれ部分を木工ボンドで修復を行いました。 乾くと透明になります。
次の最終工程で組込みを行います。

予てよりお預かりしておりました1960年後期PIONEERモジュラーステレオ「C-250A」の修復修理の記録です。

↑ プレーヤーを完全な状態に修復していきます。


↑ リムドライブ式の30cmの大型で重いターンテーブルを取り外します。

↑ ベルトドライブより厄介なリムドライブですが、当時のプレーヤーでは相当精度の高い製品でした。
当然ワウ・フラッター・ゴロを意識して作り上げた高性能プレーヤーです。
しかし、半世紀以上の経年劣化でその性能を100%発揮できないのは当然ですが、何とか元へ戻して行きたいと思います。


↑ リムドライブ式プレーヤーの生命線はアイドラーですが、 この状態では不安がよぎります。


↑ アイドラーを回転シャフトから取り外しました。


↑ 取り外したアイドラーを清掃して安堵したのは、そのゴムの弾力が残っていたことです。
そして、「ゴム製パーツ保護剤」を塗布してメンテナンスを行いました。



↑ アイドラーに「ゴム製パーツ保護剤」塗布をして取り付けを行いました。

↑ 回転テストの結果、正常回転を取り戻しました。
ところが残念なことに、回転中に「コトコト」と間欠音が出ています。

↑ アイドラーを取り外して詳しく調べますと、ゴムの一部が陥没しています。
これは永い間切替レバーが33回転に合わせたままになっていたためスピンドルに接触したままになり、
ゴムが変形して凹みが生じてしまい、回転中にアイドラーから「コトコト音」が出ていました。
対策としては、サンドペーパーで凹み部分を削って周辺を滑らかにしました。

↑ 対策を行ったアイドラーを取り付けてテストを行いました。

↑ 結果は効果がありコトコト音は減少いたしました。 しかし、皆無にはなりません。 許容範囲内です。


↑ 不良交換針「PN-10」は後で新しく交換を行います。

↑ フォノモーター防振ゴムは異常ありません。

↑ オートリターンメカ部分に潤滑剤を塗布いたします。

↑ アーム連動のスタート/ストップスイッチです。

↑ プレーヤーボード裏面全体像です。

予てよりお預かりしておりました1960年後期PIONEERモジュラーステレオ「C-250A」の修復修理の記録です。

↑ シャーシーをキャビネットから取り外してセレクタースイッチや各ボリュームの経年劣化による接触不良
の修復を行います。

↑ 当時はオートメーションではなく、手作業の時代ですから大変だったと思います。
品質が良く丁寧に作られて半世紀以上の経年劣化でもこの状態は素晴らしいことです。



↑ 半世紀以上のほこりの堆積はありますが、シャーシーは錆もありません。

↑ シャーシー内部はきれいで新品のようです。
プリント基板は初期の方式で迷路のようで表面への接続が全く不明な方式です。

↑ セレクタースイッチや各ボリュームの接触不良の修復を接点復活剤を噴射注入を行い擦り合わせにより
接触面の活性化を行い接触抵抗をなくしてガリ音を解消させます。

予てよりお預かりしておりました1960年後期PIONEERモジュラーステレオ「C-250A」の修復修理の記録です。

↑ モジュラーステレオとはステレオチューナーアンプとプレーヤーを一つの筐体に一体化して小型スピーカー
をセットにしたステレオです。
数年で姿を消し「ミニコンポ」時代に突入いたしました。

↑ 全体的なメンテナンスを行い性能を引き出して、安心して使用できるようにいたします。

↑ スピーカーを接続して電源投入を行いました。
AMラジオから動を確認を行いますが、反応はなく、ボリュームなどのガリのみです。
は続いてFMラジオを点検いたしますと、辛うじて入感がありました。
どうやらセレクタースイッチの強度の接触不漁が原因の様子です。
手ごたえを感じ次へ進みます。

↑ プレーヤーは回転動作は行いますが、針先が欠けております。

↑ 背面の様子です。


↑ 30cmの大型ターンテーブルを取り外します。

↑ ベルトドライブはなく、アイドラー使用のリムドライブでした。


↑ 直径5cmの大型アイドラーです。

次工程へ進みます。
予てよりお預かりしておりました、非常に珍しい1950年代Columbia「全蓄連推薦」真空管式卓上電蓄「R-117」の修復修理の記録です。
このレトロオ卓上電蓄のプレーヤーはリムドライタブ方式です。比較的簡単な構造で、ベルトドライブ方式より
安価で小型化が可能なため為採用されておりました。
新品の時は殆ど問題はありませんが、劣化したプレーヤーの修復修理には毎回苦労いたします。

↑ 78/33/45/16回転の4スピードでアイドラーを使用したリムドライブ方式です。
一応、回転をしますが、スタート時の回転不調・回転が遅い・不安定・回転しないポジションがあるなど
不具合が多重しています。

↑ ターンテーブルを取り外します。

↑ 回転不調で注目する箇所は「アイドラー」「モータースピンドル」「ターンテーブル」です。
78/33/45/16回転の4スピード切替ツマミの動作がスムーズに行えません。
切換えメカの動作がギクシャクしているため潤滑剤をスプレーして動作をスムーズにいたします。


↑ ターンテーブルのリムの内周面がところどころに錆が盛り上がっていました。
これはまずいです。回転の妨げになります。

↑ 早速、サンドペーパーで丁寧にムラのないように磨き落としました。

↑ アイドラーの接触面を清掃してスリップ止めに、「ゴム製パーツ保護剤」を試験的に塗布しました。

↑ 回転ストロボシートを使用して蛍光灯の光を当てて回転調整テストを行います。

↑ アイドラースプリングの調整も効果があります。


↑ カットアンドトライで根気よく調整を行い正常回転を確保いたしました。


↑ カートリッジの針先についたレコード盤のホコリの様子です。


↑ フォノモーターに注油を行います。

↑ モータースイッチの接点が荒れていますので磨いておきます。



↑ テスト中の様子です。

↑ 楕円形スピーカーを使用しています。
出力管パワーは1.5W程度ですが、結構大音量で、丈夫な木製キャビネットと相まって迫力があります。
予てよりお預かりしておりました、非常に珍しい1950年代Columbia「全蓄連推薦」真空管式卓上電蓄「R-117」の修復修理の記録です。

↑ 昔、「全蓄連」略称? という団体があったのでしょう。 非常に珍しい製品です。
製品型名がありません。



↑ 木製キャビネットでコンパクトにまとめられて、デザインも良く立派な製品です。

↑ 通電して動作を確認いたします。
何とかレコードが回転して音も出ていますが、レトロオーディオ特有のノイズと不安定に覆われています。

↑ プレーヤーもがっちりした作りで好感が持てます。


↑ シャーシーは標準的なトランスレス方式のミニチュア管2バンド5球スーパーラジオです。



↑ 当時の最高のパーツを使用して、シャーシーも頑丈に作られています。
設計者のセンスが窺われます。

↑ 先ず、シャーシーの清掃を行い、ボリュームやセレクタースイッチのガリの修復を接点クリーナーの
注入とすり合わせにより修復を行います。

↑ 電源コードが経年劣化で被覆硬化によりポキッと折れそうですので交換を行いました。

↑ レコード回転、音出しは不安定ながら可能ですが、メカのメンテナンスが必要です。
カートリッジは珍しく生きています。 針先は摩耗しています。

次工程へ進みます。