
予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。
最終のエージングテストになる筈でしたが、レコードプレーヤーが変な動きを時々しています。
オートリターンはレコード演奏中にトーンアームがレコード盤の終端に差し掛かって、
カートリッジの針先がレコード面から離れて浮き上がりアームがリターンしてアームレストに戻る一連の動作を
しないで、リフトアップのタイミングが遅れてリターンするため、針先がレコード面を擦る状態になります。

↑ プレーヤーをキャビネットから降ろして点検を行い原因を究明いたします。

↑ オートメカの構造上の調整などは最適な状態に修復を行った結果、異状はありません。
そこて、目を付けたのがマイクロスイッチ関連の不具合が考えられますので、
2箇所のマイクロスイッチの交換を行いました。

↑ 2箇所のマイクロスイッチの交換の結果、効果が的中いたしました。

↑ 正常動作を取り戻しました。

↑ 回転数を「回転ストロボスコープ」でピッタリ合致していることを確認いたしました。








↑ 不良プレーヤーの残骸ですが、保管をしておきます。

予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。

シャーシーとレコードプレーヤーをキャビネットに組み込み作業を行います。

↑ 最初の修復前の画像です。 ガムテープ跡が目立ちます。

↑ 組み込み前に気になることがあります。
前面の3箇所の大きなガムテープ跡と天扉の3箇所の大きなガムテープ跡は、酷すぎます。
かなり古く固まり手の施しようがありません。
いろんなテープ跡の剥離は経験しましたが、今回のは強力です。 幅広で枯れ過ぎて化石化しています。
無理をすると下地を痛めます。 しかし、見過ごすわけにはまいりません。

↑ シャーシーとレコードプレーヤーをキャビネットに組み込みました。

↑ 左から根気よく下地にダメージを与えない方法でテープ跡を取り除きました。
右端はもう一息まで来ていますが厳しいところです。




↑ 光の具合でかなり変わります。


↑ 天扉の方も見違えるようにきれいになってきました。



↑ エージングテスト中の様子です。

↑ 密閉式スピーカーの後部遮蔽板の取り付けビスを全て新しくいたしました。

予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。

↑ 電源スイッチの破損の修復が、交換パーツの調達が難航したため、後回しになりました。



↑ 左のタクトスイッチを使用いたします。 右のスライドスイッチは取り付けに無理があります。


↑ タクトスイッチを金属製の操作パネルに強固に取り付けができました。 丈夫で長持ちいたします。

↑ リード線を半田付けして、シャーシーとの接続はコネクターを介して行います。

↑ このようになります。
MT管は小型で高性能な真空管です。管内の劣化は殆どありません・
しかし、欠点と云えば7ピン又は9ピンの脚ピンの経年劣化による腐蝕で真空管ソケットとの接触不良で
動作が不安定になっています。
14球全ての真空管の脚ピンを1本づつ丁寧に磨いて酸化した部分を削って取り除きます。






↑ 真空管にショックを与えてもノイズが入らなくなりました。

予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。

↑ プレーヤーのダメージも相当酷い様子です。 「回転せず」 「音です」の状態です。


↑ プラグインタイプのトランジスタカートリッジは固定部、画像→印の箇所が亀裂によりパイプアーム
から脱落しそうで、テーピングしてあります。
普通に考えますと瞬間接着剤で・・・・・となりますが、これは一時的で継続使用は不可能です。
プラスチック自体が劣化しています。 このままではホロポロと崩れます。

↑
救済に出現した姉妹機のたナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-5500」です。
全く同じプレーヤーが搭載されています。
しかし、こちらもプレーヤーが壊れていますが、修復の見込みがありますので、このプレーヤーを
取り外して修復を行い移植交換を行います。


↑ クリーニングを行いました様子です。

↑ プレーヤーボード裏面のオートメカの修復を行います。 セミオートプレーヤーです。

↑ フォノモーターをマウントしている防振ゴムが激しく劣化して原型をとどめていません。


↑↓ 経年劣化して溶けて固まったゴムを取り除いて新しい防振ゴムを装填いたします。
ほとんどのレトロプレーヤーはこの状態です。



↑ フォノモーターが所定の位置にマウントされました。


↑ 動作調整テストを始めます。



↑ 半導体カートリッジの動作は良好です。



↑ ターンテーブルの回転はやはりアイドラーのゴムの劣化による弾力の弱体により、
かなりスリップ気味になります。
あらゆる対策により、調整を行ってパフォーマンスを高めていきます。



↑ 調整テストの様子です。
流石にプッシュプルOTL方式の真空管アンプは凄い音が出ています。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ 愈々最終工程を迎えました。
心配しておりました、センター/スピーカーのベース部分が欠品していました。
直置きには出来ない為、W1500×H300×D400mmの大型テレビ用の置台を利用することになりました。

↑ 3点セパレートの全長が1520mmですので両端10mmづつ出っ張りますが、安定感・強度から云っても
先ず問題はありません。
シャーシーとプレーヤーの組み込みを行いました。

↑ テストは良好です。

↑ 下の開口部は棚を取付けて、設置時に外部機器など収納いたします。
両サイドは引き出し式収納になっています。




↑ 背面の様子です。

↑ 8個の頑丈な固定式のキャスターが付いていますので、接続などで移動時は非常に便利です。

↑ キャビネットの手入れを行いました。 潤いと輝きを取り戻しました。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ 簡易FMアンテナをキャビネットの背面に取り付けました。
これによりFM放送を簡単に受信が出来ます。
FMアンテナに指向性がありますので、設置の向きにより感度が変わります。
直角方向が最も感度が良くなります。 水平方向が最低になります。
簡易FMアンテナを取り付け中にキャビネットの底面のダメージの酷さを見て、
このままでは、益々剥離が進行して側板が崩れて行く懸念があります。今のうちに強化を行っておきます。

しかし、実際のセッテイング状態は下に台座がありますから、何か直置きにしなければならない
問題があったのでしょうか?疑問が残ります。
そして、スピーカーの方は底板にダメージはなくきれいな状態です。
想像ではセンター部分とスピーカーは並べてセットで置かずに別置きになっていたのでしょうか。


↑↓ 酷いです。


↑↓ パーチクルボードの側板がここまですり切れた状態は、コンクリートの上を何回も引きずったりしないと
ならないと思います。 謎が残ります。


↑ 木工ボンドを塗り込んで圧着して接着を行います。

↑ 完全に乾燥すると透明になります。

↑ 前面下扉の下側はレザー貼りの表面材の剥がれが広がらないように接着を行っておきます。

↑ 10時間かかって完全に固まりました。 これて安心です。