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◆1960年代ビクター大型真空管ステレオ「STL-670M」の修復修理 VOL1

.10 2020 レトロオーディオの修理 comment(0) trackback(0)


以前に修復修理をいたしましたビクター大型真空管ステレオ「STL-670M」ですが、ご愛用者ご自身で設置場所
を2階から4階へ移設の際に横幅140cmの大型重量のアンサンブルステレオの為、螺旋階段を縦移動で無理して
運び終り、設置が終わって電源を入れた時に白煙が出た為電源を切った。 と云う内容です。

異常があった時はすぐに電源を切ることは正しい処置です。
発煙と発火ではかなり緊迫度が異なります。



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↑ 5年3ケ月前の2014年10月に修復修理をさせていただきました時の修理前の最初の画像です。


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↑ 今回修理前の画像です。
お預かりして、とりあえずそのまま電源投入でテストいたしますと、正常に動作をしています。
長時間テストを行っても異常はありません。

こうなると厄介です。「症状が出ないと出るまで待つ」か、それとも「見込み修理」を行うことになります。
しかし「発煙」となると事情が変わります。 緊急に確実な修理が必要です。

発煙原因を探すことにいたします。


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↑ 背面の遮蔽板を外した様子です。


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↑ 電源サブシャーシーが左にありますが、最も確率が高いため最初に点検を行います。




参考画像と記事  2014年10月に修復修理を行った時の電源サブシャーシーの様子です。



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↑ 最初の電源サブシャーシーの様子です。

ブロック型電解コンデンサーを全て交換いたしました。


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↑ 電源サブシャーシー内の小さなペーパーコンデンサーが1個パンクしていました。
大型電解コンデンサーとペーパーコンデンサーを全て交換します。


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↑ コンデンサーの内容物の破片が飛んでいました。


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↑ コンデンサーの内容物のバラバラになったアルミ箔とバラフィン紙です。

以上が前回に修復修理を行った時の記録を掲載いたしました。



最も確率の高い回路ですので詳細に発煙現象につながる痕跡を調べます。

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↑ 3本の金属皮膜抵抗に耐熱スリーブが被さっており一部が変色していますが、これは問題ありません。

現在、異常はありませんが今後の為に倍電圧整流回路の半導体整流素子(ダイオード)を交換いたします。


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↑ 画像上が新しいシリコンダイオード      画像下が最初の取り外したダイオード   です。


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↑ 交換後の様子です。


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↑ 次にレコードプレーヤーAC電源コース―ド・プラグ・スイッチ・コンデンサーなどをチェックいたしましたが、
怪しいところは見当たりませんが、スイッチ接点の接触不良の改善を行いました。


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↑ 次はメインシャーシーを降ろして総点検を行います。


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↑ 発煙が考えられる原因は、

●小型抵抗器に想定外の電流が流れて過熱して外被が焼けて煙が出ることがあります。
この場合は痕跡がはっきり残ります。

●コンデンサー類の場合は焼けることはありませんが、急激な発熱膨張で破裂する場合があります。
この場合は煙ではなく蒸気のような気体を放出いたします。

●配線のショートで被覆のビニールが焼けて溶ける場合は、電源ヒューズが切れます。

あらゆる角度から点検しますが、痕跡が見当たりません。


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↑ 元通りメインシャーシーをキヤビネットに戻してテストを繰り返します。


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↑ 音質・音量は素晴らしく、ノイズもなく安定しています。


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↑ 最後に全真空管を1本づつ取り外して真空管の脚ピン(7本と9本の2種類)接触不良を修復のため
クリーニングを行います。

この作業中に出力真空管30A5-PP計4本のガラスバルブ表面に溶けたビニールがこびりついていましたので
綺麗に削り取りました。

この真空管は発熱が大きく4本が集中しています。
ビニール配線がタッチすると溶けて長時間で煙の出る可能性があるかも知れません。
配線はタッチしないようになっていますが、衝撃で固定部分が外れて接触する場合が考えられます。
断定は出来ませんが、150℃以上に上昇した場合は発煙の可能性は否めません。


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↑ FMアンテナ端子の接続端子とシャーシー間のケーブルを交換しておきました。


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↑ 結局最後まで症状は再現されずに、あらゆる角度から詳細に点検を行いながら再発防止の可能性を.
追求いたしました。





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