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◆1960年真空管式コロムビアステレオ電蓄「SSA-551」の修復修理

.26 2013 レトロオーディオの修理 comment(0) trackback(0)
8月末にご相談のあった、1960年真空管式コロムビアステレオ電蓄「SSA-551」が
修復修理の為に送られてきました。



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↑ サイズ W1020 H540 D360mm


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↑ ピックアップのアームが真ん中から折れています。


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↑ 長い間眠っていたらしく、昆虫類の巣になっていたようです。


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↑ 内部の清掃から始まります。


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↑ 右スピーカー 20センチのパーマネントダイナミックスピーカーと
16センチパーマネントダイナミックスピーカーです。


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↑ 左スピーカーと当時流行のエコーの残響装置です。


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↑ 大型のシャーシーを抜き出しました。


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↑ 時の流れを感じます。


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↑ 手前のサブシャーシーのようなものは、エコー装置の回路です。


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↑ 珍しくシャーシーの底部をシールド板で遮蔽しています。
ノイズのシャットアウトに神経を使っています。


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↑ シールド板のおかげでシャーシー内部は比較的きれいです。
電源投入で音出しの結果、
●シャーシー写真の左端のセレクトスイッチの猛烈な接触不良
●各ボリュームの接触不良
に対して接点復活剤を噴射注入して改善を行いました。
●音量調整の2連ボリュームの劣化が酷く、音量が絞りきれず、
0の位置でもかなりの音が出ています。


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↑ 真空管とソケット部の超アップです。腐蝕が見られます。


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↑ 結局、音量調節用2連ボリュームを交換することにしました。


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↑ 交換した2連ボリュームはシャフトの長さが1cm程のためシャフト接ぎを使用して長さを
合わせることにしました。


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↑ 上が外した不良の2連ボリュームです。
シャフトが長くギザギザの入った「ローレットタイプ」ですが。現在このような部品は
入手不能のため、シャフト接ぎで不良ボリュームから切り取ったギザギザの入ったシャフト
を繋ぎます。


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↑ これでご覧のようになり、ツマミも上手くはまりスムーズな音量調節が出来るようになりました。

ここまでが、アンプ部の仮修理の工程ですが、仕上げ段階では、真空管を外して、脚部とソケットの
接触のすり合わせを行います。




次にレコートプレーヤーの修復修理を行います。

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↑ プレーヤーはご依頼者が仰っていたように酷い状態です。
まるで「ジャンク」です。
 

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↑ アームが折れて哀れな姿になっています。
アームを交換したいところですが、そう簡単に適合するものはありません。
やはり、オリジナルを踏襲して修復が最善と思います。


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↑ ターンテーブルボードの内側も一見大丈夫に見えますが、大問題が潜んでいます。

ターンテーブルシャフトに余計な振動が伝わらないような構造になっていますが、
その三角形の分厚い鉄板の防振ボードを支えている3箇所のクッションゴムが劣化しています。


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↑ 同時にフォノモーターを吊っている防振ゴム3箇所も劣化が見られます。


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↑ 防振ボードを外してクッションゴムを交換します。


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↑ ボロボロになっています。


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↑ ご覧のようにきれいになりました。
電源コードと雑音防止用コンデンサー2個を交換します。


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↑ 次にピックアップアームとカートリッジの修復修理に入ります。


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↑ クリスタルカートリッジは完全に劣化してレコードの音が出ません。
新品のセラミック/クリスタルカートリッジに交換します。
形が違うため工夫してセットします。


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↑ 左が最初の不良のカートリッジです。右が新しく交換するカートリッジです。


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↑ 折れたピックアップアームの修復は色々考えましたが、これが最も無難な方法と思います。
針圧の問題がありますから、あまり重くなっても、バランスに困ります。


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↑ きれいにクリーニングして動作テストを行いました。
回転むらも全くなし、カートリッジの音質、音量も申し分なしです。
50年以上前のものとは思えない迫力です。


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↑ 修復したアームの感じも、そんなに違和感がなく、見ている内に良くなって来ました。


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↑ キャビネット本体に組み込んでテストしました。
ボリュームをアップしてもハウリングもなく快調です。


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↑ キャビネットの補修は最後に行います。他に集中して今はお預けです。




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