ビンテージ電蓄1940年代MADE IN USA PHILCO MODEL 650の修復修理は、
前回VOL1でご紹介の通り分解して判明したことですが、過去にも何回かの修理が行わ
れている痕跡が窺われます。
そして、電源スイッチ付ボリュームが空回りしてツマミを回してもぐるぐる回って電源が入
らず、配線が中でもつれて断線しています。
ある意味「壮絶」の言葉通り覚悟の修復作業と考えています。
未知との遭遇・・・・・
電気工学の初歩から学び60年以上の、経験、をしても、容易に修復できるとは限りません。
ふと、不安がよぎります。
NHK中継の競泳日本選手権で若きアスリート達が一瞬にかける壮絶な闘いを観て力を
もらいました。

↑ キャビネットからシャーシーを取り外しました。 非常に頑丈に作られています。
シャーシー内部の様子です。
当時の配線銅線の被覆はゴムと繊維が使用されていますので劣化が激しく、
ポキポキと折れてしまいます。

↑ シャーシーの上面です。 円形のダイヤル文字盤です。

↑ 真っ先に、劣化の電源コードを新しく交換を行いました。

↑ すべての真空管の脚とソケットの.接触を改善するためクリーニングを行いました。

↑ 電源スイッチ付ボリュームが不良の為交換を行います。

↑ 電源スイッチ付ボリュームを交換しました。
シャフトが短いため後で延長シャフトを取り付けます。
電源を投入するのは、かなりの不安が伴いますので、事前にボロボロの電源コードを
交換いたしました。
最重要な電源トランスの断線、絶縁状態検査を十二分に行いました。
回路のショート、絶縁の点検も完了して、
いよいよ通電テストを行います。
その前に緊急時の保護の為の仮の電源ヒューズを取り付けておきました。



↑ 無事に電源投入して真空管のヒーターが点灯することが必須条件です。

↑ 電源投入・・・・・取り付けしてない整流管以外の7本の真空管のヒーター電圧の
供給は正常に行われました。
数十年ぶりに真空管が点灯しました。
第一関門を突破いたしました。
ここで広い作業台に移動いたします。

↑ いよいよ8本目の整流管を挿入して全ての真空管にB電源をAC250VをDC250Vに変換
して供給します。


↑ ラジオの受信回路は3バンドになっています。
3連バリコンを取り付けてあり、その裏側にコイル類があります。
複雑な受信回路です。
ラジオとレコードの切り替えのセレクタースイッチはレコードプレーヤーボード上にあり
ますので、キャビネットからプレーヤーを外してシャーシーに一旦切断した部分を仮に
半田付けをして接続します。

↑ 一旦切断したケーブルを再接続しました。
各部を丹念に点検を行います。
劣化したすべてのコンデンサー類の交換が必要ですが、とりあえず、動作を優先して
進めます。

↑ 準備万端電源オン・・・・・AMラジオの受信に成功です。
まだ、色々交換、調整などが必要ですが、鳴っています、 感無量です。
おまけに夜間になって短波帯も受信に成功しました。
現在はハム音がありますが電解コンデンサーの交換により解決の予定です。

↑ ラジオ受信のテスト中の様子です。

↑ レコードプレーヤーはフォノモーターは回転しますが、注油などのメンテナンスと
オートストップスイッチの不具合、マグネチックカートリッジの不良など次回修理の予定です。





↑ お見積もりの仮修理は予想以上に好発進をいたしました。
- 関連記事
-
trackbackURL:http://yonedenblog.blog.fc2.com/tb.php/704-b04b57cc