
希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ 次の工程に進む前に気になる部分の修復とその他の確認を行います。

↑ ダイヤルバックライトが消灯していることがありました。
6.3Vのパイロットランプが使用されていますが、交換をするために外そうとしますが外れません。

↑ 差し込み式のパイロットランプで固着して外れませんのでソケットごと外しました。
交換用には普通のネジ式ソケットとパイロットランプを使用いたします。

↑ 交換を行ました。

↑ 点灯の様子です。 当時は50年後にパイロットランプの不良で交換は全く考えていなかったと思います。

↑ プレーヤーを接続してスコーカー・ウーハー交換後の音質を確認いたします。




↑ 絶好調です。

↑ あまり目立たないエンブレムですが、ひっそりと目立っています。

↑ 次工程でスピーカーケーブルの交換を行います。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ チューナーアンプシャーシーのメンテナンスを終えてフロントスピーカーを接続して音出しテストを
行いました。
流石に25cmウーハー3WAYは低音が素晴らしい。

↑ いい感じで音出しテストを続けておりました・・・・・
途中、FMから流れる音に違和感を感じました。 直感的に右スピーカーがおかしい音です。

↑ スピーカーをチェックしますとスピーカーコーンが破断しています。
強力な低音のドライブに耐えられなかった様子です。



↑ 手持ち在庫の中古スピーカーの中からPIONEER S-77の25cmウーハーを代替に使用いたします。


↑ ボイスコイルインピーダンスも8Ωで合致したします。

↑ 左も交換を行います。

↑ 両ウーハーの交換を行いました。

↑ PIONEER 25cmウーハーの品質は良好です。



↑ これで安心です。 アコースティックレンズの高音と云い音が飛び出して来る感じです。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ シャーシーを取り外しました。

↑ 大型のパワーICを使用したパワーアンプ基板と大型ヒートシンクです。

↑ 各回路のプリント基板の裏面の様子です。



↑ 安全の為、100V電源コードの交換を行っておきます。

↑ 電源コードの交換を完了いたしました。

↑ 各ボリュームとセレクタースイッチを接点復活剤の注入によりすり合わせを行い劣化ガリノイズの
撲滅を行い正しい調整を行います。
非常に奥まった箇所の為、至難の業が要求されます。


↑ この辺りはボリュームは見えますが、開口部が下向きで見えませんが、何とかなりそうです。

↑ パワーアンプ回路の保護ヒューズ4箇所を交換しておきました。

↑ ここで又もや問題発生。
フロントスピーカーの接続端子の固定爪が折れてグラついています。
このままでも使用は可能ですが、・・・・・こんなパーツは今どき入手不能です。。



↑ ラジオの選局の途中でスリップして指針が停止したまま前後に動きません。

↑ ダイヤルロープが緩んでいますので直しておきました。
続きます
1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の再修理 を行いました。
レコード再生で片方出ずは、カートリッジの出力シールドワイヤーの極細芯線の断線でした。


↑ 断線しています。

↑ 半田付けを行いました。

↑ 回転数微調整方法
① ゴムマットを外して、ターンテーブル円盤を上に持ち上げて取り外します。
② 矢印のマグネットブレーキをブレーキ円板にかからないようにずらします。それで回転が速くなります。

↑ ターンテーブルを載せる時の注意
ターテーブルを載せる前に大きな歯車に刻印で矢印と注意事項が書いてあります。必ずご覧ください。
要するに手で大きな歯車を矢印の方向に回してこの画像のように赤い矢印の凹みが軸受けの位置に
なるように合わせてから、ターンテーブルを載せてください。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ オリジナルのスピーカーグリルサランネットは樹脂系素材ででした。
しかし、半世紀の経年劣化で縮小して、強力な引っ張り力でフレームの木枠を変形させていました。
ご依頼者が自作の木枠に適当な布を張り付けて使用されていました。
今回、サランネットを張替えをさせていただきました。



↑ 先ず木枠から布を取り外します。
接着剤とホッチキスで丁寧に貼りつけられた布は簡単には外せません。

↑ フレーム木枠が白木のままではサランネットから下地が透けて見えるため、黒色に塗装をいたします。


↑ サランネットの色はブラウン系に決まりました。
多種多様のサランネットの中から最適な素材は経験から「難燃性」「退色性」「伸縮性」「音の透過性」
「強靭性」「施工性」に優れた高級サランネットを使用いたしました。

↑ 部屋の照明や、撮影条件により発色に変化があります。


↑ リアスピーカーと似た色合いでマッチングが良かったと思います。
↑ TOSHIBA”IC BOSTON”「SP-717」は写真の通り台座あります。
そして、「CONCAVEスピーカー」のネーミングで音響凹レンズを表現した音に乱れの無い特殊な
スピーカーとして人気がありました。
そのせいもあって、かなりシースルー度の高いサランネットでスピーカーユニットが透け透けでした。








↑ 最初のサランネットから「CONCAVE」のエンブレムを取り外しました。

↑ きれいにクリーニングを行い取り付けピンを接着してサランネットに負担にならないように取り付けました。
かなり雰囲気が変わりました。


↑ 裏面から見た様子です。

希少な東京芝浦電気製の東芝4チャンネルセパレートステレオ”BOSTON”「SP-717」修復修理の記録です。
真空管や半導体分野ではトップを走っていたお堅いイメージの「技術の東芝」が本格的にオーディオに進出
した当時のセパレートステレオ"IC BOSTON"です。 最先端のICをふんだんに使用した4CH STEREOです。

↑ 大型3WAYエンクロージャーのスコーカーのエッジが経年劣化で破断していました。.特に右が酷く
スカスカでボイスコイルダンパーで持っている状態てした。


↑ ↓ R/L共 12cm 8Ω 20W スコーカーの交換が必要です。
今の時代は12cmスコーカーを調達するは難しくなっています。
色々調べましてカーオーディオ用のものでKENWOODで使えそうな製品を見つけました。

↑ 開口部に制約を受けますので収まるかが問題です。

↑ KENWOODの12cmが届きましたので、早速取り替えを行いました。


↑ コアキシャルの2WAYですが、フレームがコンパクトになっています。

↑ 取り付けネジ穴がピッタリです


↑ コーンは12cmで同じですがフレームのツバの部分がコンパクトになっています。

↑ 極性を確認して結線を行いました。

↑ 大きい平ワッシャを黒に着色して取り付けを行いました。

↑ 音出しを行っています。メリハリがグンと上がりました。 やはり、中音部は大事です。

↑ 右も同様に交換をいたしました。

↑ 新しいスピーカーはインピーダンスが4Ωですが、マルチアンプで中高音と低音が別々になって
いますので全く問題はありません。

↑ エージングテスト中の様子です。

予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。

↑ 電源が入らない原因は何重にも重なっています。
一つずつ原因を修復していきます。
① 電源スイッチ 3線式の電源スイッチが壊れています。とりあえず、直結いたします。
しかし、一部の真空管のヒーターがやや弱く点灯していますが、もちろん動作は致しません。
② 半導体整流回路の1Aの保護ヒューズが断線していました。 交換しても再度とびます。
③ 点検の結果100μF300V電解コンデンサーのパンクで交換を行いました。
一瞬電源が入りましたが、立ち消えになります。
④ 100V電源ヒューズホルダーの劣化不良で接触片が金属疲労で折れかかっています。
新しいヒューズホルダーと電源コードの交換を行いました。
これでやっと電源が入り全部の真空管のヒーターが点灯して、整流回路の直流電源が入りラジオの
動作が確認できましたが細部の調整が必要です。
B直流電源整流回路ですが経年劣化の整流回路の整流ダイオードと電解コンデンサーの交換を行いました。

↑ 2個のブロック型大容量電解コンデンサーです。 (シャーシー裏面からの様子です)
現在はブロック型大容量電解コンデンサーの製造はされておりません。
複数個の単品の大容量電解コンデンサーを使用して交換を行います。

↑ 交流から直流に変換する整流回路の整流ダイオードと電解コンデンサーの交換を行いました。


↑ シャーシー表面の様子です。


↑ 交換したパーツの様子です。




↑ 各ボリュームやセレクタースイッチの接触不良を接点復活剤を噴射注入して擦り合わせを行い
ガリなどの不快なノイズを除去いたしました。
レコードプレーヤーの修復を行います。

↑ プレーヤーのダメージも相当酷い様子です。
「回転せず」 「音です」


↑ プラグインタイプのトランジスタカートリッジは固定部、画像→印の箇所が亀裂により
パイプアームから脱落しそうです。

アンプシャーシーと同様にプレーヤーの経年劣化も酷く対策を考えます。

予てより遠方からお持ち込みを頂いておりました1960年代ナショナル真空管式HiFi Stereo「SE-8800」の修復修理の記録です。

↑ W 1040 H 520 D 400mm (脚部を外してあります)
全く動作を致しません。

↑ 操作部は天板が大きく開きます。


↑ プレーヤーは当時のナショナル自信の半導体プラグインカートリッジです。

↑ ラジオはMW/SW/FMの3バンドです。


↑ 背面の様子です。 スピーカーは密閉式になっています。

↑ チューナーアンプシャーシーの取り外しを行います。

↑ 操作パネルを取り外します。

↑ スピーカーの背面板を取外します。
シャシーを固定しているボルトを外してシャーシーを降ろします。







↑ スピーカーは20cmと小型ホーンツィーターでボイスコイル400Ωの2WAY仕様で高音質が期待できます。
(真空管パワーアンプ回路が出力トランスレスになっています)

↑ このサブシャーシーはFMステレオマルチフレックス回路が収納されています。

1970年代TRIO 4チャンネルステレオ「ST-5V」の修復修理の記録です。
VOL4工程では、レコードプレーヤーとシャーシーをセンターキャビネットに組み込みを行います。
↑ 完成画像です。

↑ 背面の様子です。
50年前と違って、現在はFM放送が「ワイドFM化」によりFM放送のリスナーが増えています。
外部アンテナ無しでも簡単に聴ける「内蔵簡易FMアンテナ」で便利になります。

↑ レコードプレーヤーボードを取り付け前にクリーニングを行いました。

↑ 4ch MMカートリッジとダイヤモンド針の様子です。



↑ 組み込み完了でエージングテスト中の様子です。



↑ エージングテストを続けます。

1970年代TRIO 4チャンネルステレオ「ST-5V」の修復修理の記録です。
VOL3工程では、約半世紀ぶりに目覚めたレトロな オーディオを安心安全使用を考慮した対策を行います。
そして、レコードプレーヤーとシャーシーを組み込む前にセンターキャビネットとスピーカーのクリーニングを行っておきます。
外観の美しさは、人目に触れる環境では特に大切な要素になります。
アンティークの重厚な輝きは存在感を高めます。

↑ いつも100Vコンセントに差し込んだままの経年劣化の酷い電源コードは新しく交換をいたします。


↑ パワーアンプ基板内のトランジスタ回路の保護ヒューズ4箇所の交換を行いました。

↑ FM放送を簡単に受信できるように内蔵簡易FMアンテナをキャビネットの背面に取り付けました。

↑ 元々付属のFM簡易アンテナがありましたが、室内の壁面に取り付けるため取り付けが面倒で
美観もよくありません。

↑ AMはバーアンテナが付いていますが指向性などで感度が悪い場合に備えて補助アンテナ線を
取り付けしておきます。



↑ 「センターキャビネット」「フロントスピーカー×2」「リアスピーカー×2」を経年の汚れを何度も
拭き取り、きれいに磨き上げました。

1970年代TRIO 4チャンネルステレオ「ST-5V」の修復修理の記録です。
VOL2工程ではチューナーアンプシャーシーをキヤビネットから取り外して点検修理を行います。



↑ キャビネットからシャーシーを取り外してフロントスピーカーを接続して通電点検を行いました。
レトロオーディオ特有の操作部のスイッチ類やボリューム等の「ガリ・劣化ノイズ」があります。

↑ 背面からのシャーシーの様子です。

↑ セレクタースイッチやボリュームは基板に直付けされていますので、奥まったところにあります。
接点復活剤の噴射注入には少々工夫が必要です。

↑ フロントスピーカーとリアスピーカーのバランス調整ボリュームです。
接点復活剤の噴射注はスライドボリュームは密閉型ですので、これも工夫が必要です。

↑ 接点復活剤の噴射注入はスライドボリュームは密閉型ですので非常に難しいですが、
前面のスリット部からの噴射注入なら何とかなります。これも少し工夫が必要です。

↑ シャーシー裏面のプリント基板のパターンの様子です。 劣化がなくきれいですが、トランジスタや
パーツ類の劣化が心配です。

↑ AM/FMラジオの受信回路の点検を行います。

↑ TRIOは元々無線機メーカーてしたので、受信回路はなんとなく安心です。

↑ 拭いても取れない汚れがあります。 後ほど取り除きます。

↑ ここまでの点検修理により、憂鬱なトランジスタの劣化による内部ノイズは確認いたしませんが、
エージングにより潜在的な不具合が浮上してくる場合がありますので要注意です。

↑ ここで先のVOL1工程にて修復を行ったレコードプレーヤーを接続してエージングテストを行います。


↑ 動作状態は非常に良好です。 このまま何も起って欲しくない胸中ですが・・・・・









↑ フロントスピーカーの様子です。 スピーカーに不具合はありません。



↑ リアスピーカーの接続を行いテスト中の様子です。
4CH modeの [RM] [SQ] [CD-4] [DISCRETE] にノイズなど異常はありません。
Victorオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の音質調整
1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」には
当時では珍しい先進の音質調整 STETREO SEA SYSTEM GRAPHIC CNTROLLR が搭載されて
います。[グラフィックイコライザーとは]トーンコントロールの一種で、通常の高音、低音だけでなく、可聴周波数帯域 (20Hz ~20kHz) を
5 ~ 33 分割した中心周波数のレベルを独立してブースト、カットできるものです。
レベルの変化量は dB で直読できるものが多く、きめ細かな調整が可能な装置です。
●搭載されている5分割周波数帯域とブースト、カットの効果についてご説明いたします。 [60Hz] ベース、ドラム、コントラバス、パイプオルガンなどの重低音がこの音域でブーストすると音に
重みや安定感が増します。カットするとホールなどの空調ノイズ・低域のこもり感などを取り除く
ことができます。
腹にこたえる低音と呼ばれる音域です。音楽の土台になっている部分です。ブーストすると低音
に ふくらみを生じます。カットすると室内のこもりがとれてすっきりした音が得られます。
[250Hz]中低域の音域ですが、全体の感じに影響します。ブーストすると弦楽器の厚みが増します。
カットすると比較的小さな室内のこもり音を取り除けます。
楽器や人の声の最も基本となる音を含んでいます。音の力強さ、量感に影響します。
ブーストするとパンチのある音になります。
[1000Hz] 音が張り出す、引っ込むなどの効果に影響するところです。ボーカルなどの臨場感、拍手や
歓声を 引き立たせるのに有効です。
人間の耳には刺激的に感じる音域で、金管楽器の明るさ、華やかさ、打楽器の歯切れの良
さが強調 されます。カットするとキンキンする音には効果的です。
[5000Hz] 音の艶の増減に影響する音域です。ブーストすると弦の張りなどが浮き上がって華やかに
なります。 またカットすると聞きやすく疲れない音となります。
ブーストするとシンバルの”シャーン”という余韻が綺麗に表現できます。
またカットすると刺激的に聞こえる歌手の子音やテープのヒス・ノイズを減らす事ができます。
[15000Hz] この音域は楽器そのものの音(基音)ではなく余韻の領域になります。
ブーストすると音の広がりや繊細感が増します。
[LOUDNESSの活用]LOUDNESSとは小音量時に自動的に低音と高音をブーストして音に迫力を加える装置です。
静かに聞きながらメリハリのある音が得られます。

↑ 「らくらく開梱」の梱包を完了いたしました。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の修復修理の記録です。SSL-95のプレーヤーと機構部が全く同じ形式のプレーヤーが搭載されていますが、少し変更されている箇所があります。
故障状態は難易度の高いソリッドステートカートリッジの針交換中にトラブルが発生しています。
ダブルアイドラー方式のメカとその他の駆動系メカにも不具合があります。 重症のプレーヤーです。
真空管時代からソリッドステート(半導体トランジスタ)に.移行した初期の製品です。
フルメンテナンの記録です。
ランダムなエージングテストを行いました。
レコードプレーヤーは最もデリケートなところがあります。
ターンテーブルのスタート/ストップの制御スイッチは点検から漏れておりました。
もう一度プレーヤーを取り外して制御スイッチを分解して接点と最もパンク率の高いスパークノイズ
軽減用のコンデンサーの点検を行いました。
↑ 誤動作率の高いフォノモーターON/OFF制御スイッチです。

↑ 制御スイッチのカバーを外して.スイッチ接点とスパーク軽減用コンデンサーを調べます。

↑ スイッチ接点を#1000のサンドペーパー磨きました。


↑ スイッチ接点スパーク軽減用コンデンサーを新しく交換いたしました。

↑ AC100V電源ヒューズとトランジスタ回路のDC電源用のヒューズです。


↑ AC100V電源ヒューズとトランジスタ回路のDC電源用ヒューズのの交換を行いました。

↑ 取り外したAC100V電源ヒューズとトランジスタ回路のDC電源用のヒューズです。
電源ヒューズの経年劣化によりトラブルが発生することがありますので要注意です。


最後の最後まで目が離せないのがレトロオーディオです。 永く付き合うほどに馴染んできます。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の修復修理の記録です。SSL-95のプレーヤーと機構部が全く同じ形式のプレーヤーが搭載されていますが、少し変更されている箇所があります。
故障状態は難易度の高いソリッドステートカートリッジの針交換中にトラブルが発生しています。
ダブルアイドラー方式のメカとその他の駆動系メカにも不具合があります。 重症のプレーヤーです。
真空管時代からソリッドステート(半導体トランジスタ)に.移行した初期の製品です。
フルメンテナンの記録です。
最終工程のキャビネット周りの補修とクリーニングを行います。

↑ 完成画像です。


↑ 上部扉を開いた時、垂直に全開しないと、扉が開いたままになりませんでした。
背面の2箇所のヒンジの調整により半開き状態でも止まるように修正いたしました。


↑ 下扉に斑点状の傷がありましが、詳しく調べますと過去に何かが付着して固まっていることが判明
いたしましたので、適当な処置により取り除きました。 その他の小傷やくすみを取り除きました。
前面操作パネルのクリーニングを行いました。
↓ 最初は表面材の突板が剥がれ陥没しているように見えておりました。



↑ ラジオでエージングテストを続行中

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の修復修理の記録です。SSL-95のプレーヤーと機構部が全く同じ形式のプレーヤーが搭載されていますが、少し変更されている箇所があります。
故障状態は難易度の高いソリッドステートカートリッジの針交換中にトラブルが発生しています。
ダブルアイドラー方式のメカとその他の駆動系メカにも不具合があります。 重症のプレーヤーです。
真空管時代からソリッドステート(半導体トランジスタ)に.移行した初期の製品です。
フルメンテナンの記録です。
チューナーアンプシャーシーとプレーヤーのエージングテスト行なっておりましたが、
愈々シャーシーをキャビネットにマウントしてテストを行います。
これは環境の変化により潜在的な不具合を浮上させるために行うエージングテストにもなります。

↑ シャーシー組み込み前に、電源コードの交換をいたします。
これは、今後の「安全安心」使用の為に行います。
60年前の劣化した電源コードが、将来まで100ボルト電源に接続する時に安全に対して不安があります。


↑ 新しい電源コードに交換を行いました。

↑ キャビネットの内部を清掃してシャーシーを組み込みました。



↑ 次の工程でクリーニングを完了したプレーヤーの組み込みを行います。

↑ 外部FMアンテナ無しでFM放送が受信可能な内蔵簡易FMアンテナを300Ωフィダー線を使用して
手作りを行いキャビネットの背面に取り付けました。


↑ 外部に取り付けの大型FM専用アンテナには敵いませんが、FM電波の波長から計算しています
ので放送電波を効率よく受信いたします。
しかし、指向性があるため、ステレオを設置する向きにより受信感度が変化致しますので、
完全ではありませんが、結構重宝する簡FMアンテナです。
次工程でプレーヤーの組み込みを行います。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55TS」の修復修理の記録です。SSL-95のプレーヤーと機構部が全く同じ形式のプレーヤーが搭載されていますが、少し変更されている箇所があります。
故障状態は難易度の高いソリッドステートカートリッジの針交換中にトラブルが発生しています。
ダブルアイドラー方式のメカとその他の駆動系メカにも不具合があります。
重症のプレーヤーです。フルメンテナンの記録です。
真空管時代からソリッドステート(半導体トランジスタ)に移行した初期の製品です。

↑ センターのみをお送りいただいておりました。
プレーヤーとチューナーアンプシャーシーをキャビネットから取り外しました。


↑ 先ず気になるところですが、プレーヤーから詳細点検を行います。
難易度の高いソリッドステートカートリッジの針交換中にトラブルが発生しています。
この当時の最先端のソリッドステートカートリッジですが、カートリッジシェルの脱着不可能の為
針交換は難しく、メーカーSSが行うことになっていたようです。
無理にソリッドステートカートリッジを取り外したため極細の出力線が断線したようです。
当時この厄介な「ソリッドステートカートリッジ」は他メーカーも採用されていました。
しかし、一時的で長続きは致しませんでした。
今回、このまま修復を試みましても、今後の寿命と針交換時に同様の問題が発生することは避けられません。
そこで、この際、一部改造に困難は伴いますが、最も信頼性の高い針交換が簡単で音質の良い「MMカートリッジ」に換装
する事にいたします。

↑ 固定式シェルに収まるMMカートリッジを準備いたします。
シェルのカートリッジマウント用の「コの字型金具」の幅10mmに合致するMMカートリッジが必要です。
↓ 持ち合わせ在庫の中から適当なものが見つかりました。

↑ 幅10mmに合致するMMカートリッジが見つかりました。
↓ カートリッジの両サイドの取り付けネジ貫通孔の部分を切り取り、更にヤスリで少し削ります。



↑ ピッタリ収まりました。 軽く接着剤で固定いたします。
↓ 専用ダイヤモンド交換針を挿入いたしました。(この交換針は今後も入手可能です)

↑ MMカートリッジの端子がやゃ太くなりますので合致する接続片4個を付け替えておきました。

↑ R/L出力線を接続してMMカートリッジの換装が完了いたしました。
カートリッジの換装が終わり、音出しテストを行いたいところですが、
レコードプレーヤーのメカに不調がありましてターンテーブルの回転やすべての動作が完全ではありません。
プレーヤー機構部の点検修理を行います。


↑ ターンテーブルを取り外した様子です。
左手前の33/45回転切換えのレバーがロックして全く動きません。

↑ 潤滑剤を注入して擦り合わせを行い、何とか動き切り替え可能になりました。

↑ オートリターンギアの動作もギクシャクして時々誤動作を繰り返します。
潤滑剤を注入して擦り合わせを行いました。

↑ リターンギアの不具合が続きますので、繰り返し根気よく修正を行いました。


↑ 可動部分すべてが、枯渇していますので、潤滑剤や注油を行い、動きを滑らかにしていきます。



↑ ターンテーブルを載せて、レコードの回転と音出しを行っています。

↑ 順調にきれいな音が出ていますが、MMカートリッジは、以前のソリッドステートカートリッジよりも
出力電圧が低いためアンプのボリュームを最高にしないと明らかに音量不足を感じます。




もう既にカートリッジ換装計画の時点で音量不足は分かっており、PHONO増幅回路の強化を考えておりました。
現状での音出しの結果により実施と決めて改造作業を進めておりました。
次工程で公開をさせていただきます。
次工程にご期待を
半世紀前のビクター真空管式ポータブル電蓄「SPE-8200」の修復修理の記録です。


↑ 「正規の回転数にならない、回転が遅い、回転ムラもある」という状態です。
「回転が遅い」と「回転ムラ」は原因が分かれます。
↑ 「回転が遅い」・・・この原因は50Hz圏内なのに60Hz仕様のプレーヤーの為約10%程回転数が
遅くなります。
60Hz仕様のプレーヤーを50Hzに対応させるためには50Hz用モータースピンドルに交換の必要があります。

↑
50Hz用の「SPE-8200」の中古品からモータースピンドルを取り外して使用することにいたしました。

↑ 60Hzのモータースピンドルを取り外します。


↑ 50Hz用モータースピンドルに取り替えました。

↑ アイドラー軸のクリーニングと注油を行い、50Hz用モータースピンドル取り付けを完了いたしました。

↑ 少し太いスピンドルで回転が確実に速くなります。 速度調整レバーで余裕で調整を行います。

↑ 確実に正規の回転数で安定回転を維持しています。

↑ 音質・音量も良好です。

↑ ターンテーブルマットを取り付けておきます。


↑ 部品取りの「SPE-8200」中古品から50Hzモータースピンドルを取り外した様子です。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55T」の修復修理の記録です。

↑ レコードプレーヤーのエージングテストは順調で回転も安定して、ソリッドカートリッジの音質も
良好です。
綺麗にクリーニングを完了してキャビネットに組み込みを行いました。 (完成画像)


↑ どんどん修復が進みますと、益々愛着が深まります。


↑ 希少なソリッドステートカートリッジはいい音がしています。





↑ FM簡易アンテナを取り付けましたのでFMの受信が良くなりました。


↑ このやや小型のSSL-55Tはスピーカーをお預かりしておりませんでしたが、
オリジナルのスピーカーの接続が楽しみになります。
SONY業務用拡声装置付カセットレコーダーTCM-1390の修理のお問い合わせを頂きました。
早速、宅急便でお送り頂きました。

↑ メインベルトの交換で修理完了後のエージングテスト中の様子です。

↑ 分解を行いベルト交換をいたします。


↑ 分解方法の複雑な分解が進み伸びたベルトが発見できました。


↑ 伸び伸びのベルトを取り外しました。

↑ 新しいベルトを取り付けました。

↑ 組み立てを行い完成です。

1970年代TRIO 4チャンネルステレオ「ST-5V」の修復修理の記録です。
予てより兵庫県より直接お持ち込みを頂いておりました。
大変お待たせいたしておりましたが、やっと完全修復作業の開始となりました。

↑ 1970年代TRIO 4チャンネルステレオは4チャンネル時代の製品です。
「ST-5V」 「ST-7VD」 「ST-8VD」等が ありました。
ラジオは何とか入りますが、レコードプレーヤーは動作を致しません。
全体的に完全動作を目指してメンテナンスを行います。


↑ 電源が入り、AM/FMラジオが受信できます。
セレクタースイッチやボリュームなどにレトロオーディオ特有の劣化ノイズ(ガリガリ音)が発生しています。
これらはシャーシーを取り外して修復を行っていきます。


↑ レコードプレーヤーが動作不全の状態です。

↑ ターンテーブルも普通は手で軽く回して空回りをしますが、動きません。
無理やり力いっぱい回しますと回転軸が回らずターンテーブルだけがずれ動きます。
これは明らかに回転軸がロックしています。

↑ 潤滑剤を注入して回そうとしますが、効果がありません。

↑ ターンテーブルボードから回転軸を取り外して、処置を行います。

↑ ターンテーブルボードから回転軸を取り外しました。

↑ 最後の手段として「加熱処理」を行い軸受けから回転軸を抜き取りました。
回転軸と軸受けを清掃いたしました。

↑ 軸の最下部のベアリングボール球が油切れもあり摩耗して、経年劣化で破片がさび付いて固着して
びくとも動かない状態になっていました。

↑ 最下部のベアリングボール球が無い状態でも低速回転で影響はありません。
注油して組み立てを行いました。


↑ 動作テストは良好です。





↑ カートリッジは問題なく動作をしております。


↑ スピーカーを接続しての点検テスト中の様子です。


以上が初期点検の結果です。
次工程はシャーシーを取り外して詳細な点検作業を続けます。
1970年代PIONEERマルチアンプセパレートステレオ「S-77」の修復修理の記録です。
このPIONEER「S-77」の修復修理は少々複雑な経緯があります。
最初はレコードプレーヤーのみの修理依頼がありましたが、修理不能の結果、センター部本体をお送り頂き
別の稼働品のプレーヤーを載せ替えることになりました。

↑ PIONEER S-77 センター部です。
S-80isやS-88などSシリーズは4CH前のマルチアンプ 構成で音のいいステレオでした。

↑ 修理不能のレコードプレーヤーです。
修理不能のに至るまでの修復修理の作業内容はカメラ撮りの余裕もない状態で集中致しました。
① ピックアップアームが支点ジャイロ部分から取り外されています。ウエイトも脱落。
② アーム内部を通っているカートリッジから極細出力ケーブルがパイプアーム出口で断線修理形跡あり。
③ カートリッジシェルのマウント部分が欠損しています。シェル支持金具も欠損。
④ フルオートメカ部分の不具合多数。
⑤ 1~5のすべてを仮修復を行い、テストの結果、どうしても片方の音が出ません。
⑥ 動作テストを繰り返す内にリターン用コントロール部に致命的な不具合が発生いたしました。
◎ この時点で修復を断念いたしました。



↑ ご依頼者と相談の結果、同型中古プレーヤー動作品を載せ替えることにいたしました。

↑ シャーシーを取り外しました。 プレーヤーヤー換装前にシャーシーの点検を行っておきます。

↑ ダイヤルバックライト 交換後の画像です。
最初に電源投入した時点でダイヤル面の暗さが気になっていました。
AC8Vのガラス管ヒューズ型の電球2個で左右から透過する方法です。片方が断線しています。
現在、ガラス管ヒューズ型電球は入手が難しくなっています。
自動車用のルームランプなどに使用されているLEDタイプのものを使用いたします。
通常LEDはDC電源の使用ですが、最近はAC/DC両用もあります。

↑ きれいに明るくはっきりいたしました。


↑ 操作パネルを取り付けました。


レコードプレーヤーの組み込みを行います。
プレーヤーは組み込みの場合は同系列のものでないと、開口部の形状により収まりません。



↑ プレーヤーの換装が成功いたしました。

↑ レコード演奏テストを行います。




↑ 全てのオート動作が行われました。


↑ カートリッジの動作も良好で問題ありません。

↑ FM放送が外部アンテナ無しで受信できるようにFM簡易アンテナを取り付けておきます。
この機種以降ではメーカーで取り付け済になっています。

↑ 外部アンテナ無しでFM放送が手軽に聴けることは、レコード以外に楽しみ方が広がります。

↑ FMステレオ放送受信時のチューニングインジケーターとFMST表示ランプです。

↑ 画像右がLEDランプです。
SONY拡声装置付カセットレコーダーTCM-1390の修理のお問い合わせを頂きました。
早速宅急便で送られて来ました。

↑ 完成後のテスト中の様子です。

↑ 点検では症状は時々回転ムラが発生するようです。


↑ 分解を行います。

↑ メインベルトが伸びています。

↑ 新しいベルトに交換を行いました。
交換時は、注意しないと小さなスプリングが外れたりすると、元へ戻すのに苦労する場合があります。

↑ 基板を元へ戻して組み立てを行います。

↑ 完成です。 エージングテストを行います。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55T」の修復修理の記録です。



↑ セパレートステレオでオールトランジスタ 採用初期の製品の為、シャーシーの構造とプリント
基板がかなり古めかしく感じます。
セレクタースイッチや各ボリュームにレトロオーディオにはガリを避けて通れない感がありますが、
その他に目立った不具合はありません。

この機種にはマニアックなスライドボリュームが使用されています。
直線的な調整が流行していました。 全てのスライドボリュームに接点復活剤を噴射して擦り合わ
せを行いました。

↑ 背面の入出力パネルは大型のパワートランジスタの放熱を兼ねたアルミ板です。

↑ 目立ったホコリの清掃を行いました。




↑ テスト中にノイズの発生などの不具合はありません。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55T」の修復修理の記録です。


↑ センターキャビネットが通常よりやや小型の為作業台に乗せて修復修理を行います。


↑ 回転数が速すぎる原因を調べます。
元々の使用状態が不明ですが、シンクロナスフォノモーターの「切り替えタップ」が「50Hz側」にセットされて
いましたので50Hzで使用されていた公算が大きいと思います。

↑ 50Hz用を当地の60Hzで回しますと当然回転数は極端にアップいたします。
そここで、「正弦波インバーター電源」を使用して50Hzで回して見ます。

↑ 50Hzで回しますと回転数は確かに落ちました。
しかし、それでも楽曲を聞いてはっきりわかるほど回転数が速すぎます。
33回転で45回転EPが少し遅い程度です。
この時点で原因がはっきり致しました。
これは相当前に誰かがスピンドルを交換するときに偶然誤って違う機種のスピンドルに交換したようです。
分かりやすく言いますとサイズの太いスピンドルを使用したようです。

↑ テスト用の小型スピーカーを接続して修復作業を行っていきます。



今回のターンテーブルの回転数の修復方法は「正弦波インバーター電源」は使用不可のため、
正規のスピンドル交換しかありません。
しかし、これは入手不可能なため、最後に残されたのは「スピンドルの研磨」しかありません。
このスピンドル研磨にはコンピューター化された高価な精密旋盤が必要です。
そこで、以前から実験的に研磨方法を試した結果、最善の方法を会得致しました。
今回はその方法で研磨を行い最適値に近い状態にもっていきます。
(:研磨時の様子の公開は控えさせていただきます)

↑ 研磨の最初は45回転の太い方から研磨して少しずつ変化を確認しながら削っていきます。
アイドラーとスピンドルの接触面は平坦で段差があってはならない為、直径が1.5~3mmの真鍮製
スピンドルの研磨はコツがいります。 削りすぎると失敗します。
45回転スピンドル下側の部分が上部の33回転部分とほぼ同じ太さまで細く削り込みました。

↑ 続いて上側の33回転部分を細く研磨して削っていきます。

↑ 削りすぎや偏りや僅かな凹凸の無いように少しずつ目視で変化が分からない為、ターンテーブルを
回転させて、その都度ストロボスコープによりチェックをしながら、根気よく続けていきます。

↑ 正確に33回転を目指して根気よく研磨して細くしていきます。 45回転部分と差がついてきました。

↑ 更に注意しながら削っていきます。

↑ ストロボスコープの変化がはっきりしてきました。削りすぎを警戒しながら、根気よく続けていきます。

↑ ここまで来ると削り過ぎが心配で、チェック回数が増えます。

↑ あと僅かになってきました。

↑ もうこの当たりで研磨を停止します。


↑ アップ画像です。
アイドラーとスピンドルの接触面は平坦で段差があってはならない為直径が1.5~3mmの真鍮製スピンドル
の研磨を慎重に行います。 上々の仕上がりになりました。

↑ シンクロナスモーターの周波数切り替えタップを60Hzに切り替えました。


↑ このプレーヤーはアイドラーがダブルについています。
ゴロ音が少なく当時高級プレーヤーに採用されていました。



↑ 45回転EPレコードのテスト中の様子です。





↑ 33回転のテストも良好でした。

↑ 当時のVictor Stereoに採用されたマニアックなラジオダイヤルです。


↑ シンクロナス フォノモーターはアメリカ GE社製です。
次工程はチューナーアンプのメンテナンスを行います。

1960年代後期のビクターオールトランジスタセパレートステレオ「SSL-55T」の修復修理の記録です。

↑ センター部のみお預かりいたしました。 スピーカーなしの為、ヘッドホンで初期点検を始めます。
チューナーアンプは通電テストで動作を確認いたしましたが、レトロオーディオ特有の経年劣化による
「ガリや特有のノイズ」があります。
プレーヤーは全く動きませんがめかのロックの為で、修復を進めていきます。

↑ 一応ターンテーブルが回転するようになりました。

↑ 真空管アンプからトランジスタアンプに変わりつつある初期の製品です。


↑ プレーヤーの分解点検を行います。

↑ 回転しない根本原因はセミオートプレーヤーのカムスイッチのロックの為連動不能になっていました。

↑ しかし、.回転が非常に早すぎます。 33回転で45回転EPレコードが聴けます。


↑ アームリフターが上下しません。



↑ 次工程でチューナーアンプシャーシーのクリーニング点検等を行います。

予てよりお預かりしておりました、1960年代ドイツ製真空管式卓上電蓄「BRAUN SK-5」修復修理の記録です。

↑ 当方は60Hzですが、50Hzで正確な回転数が得られるかをテストいたします。
先ず、SK-5のの電源回路の一部配線を改造してフォノモーターのみ回転の準備をしておきまして、
「正弦波インバーター電源装置」から50Hz電源を供給いたします。

↑ 「正弦波インバーター電源装置」からの出力電源周波数は50Hzてす。 60Hzから50Hzに変換
されています。

↑ 出力電圧は105.9Vです。

↑ 一瞬ですが50.01Hzを表示しています。


↑ 回転ストロボスコープにより33/45/78回転全てぴったりと正確な回転数を維持していることが
証明されました。
回転ストロボスコープは蛍光ランプの光が1秒間に60回又は50回の点滅を反映してパターンが
静止した状態が正常回転数になります。
早すぎるときは回転方向に進んで行き、遅い時は逆方向に戻っていきます。
今回のプレーヤーの修復処置が生かされています。

↑ 因みに基本になる現在の周波数です。 60Hzピッタリです。

予てよりお預かりしておりました、1960年代ドイツ製真空管式卓上電蓄「BRAUN SK-5」修復修理の記録です。
↑ 横幅58cmの真空管式卓上型小型電蓄ですが有名なBRAUNの半世紀以上前の製品です。
「AM/FMラジオの受信感度が悪い」 「レコードの回転が若干遅い」この2点の修復ですが、
これが結構厄介な問題が潜んでいます。
キャビネットは分厚い鉄板製で、両サイドのみ木製です。 全体重量も日本製の2倍以上あります。
内部の造りもシャーシーやパーツ類すべてがしっかり作られています。
部品配置や配線等も後の修理時の対応はあまり考えていないようです。
絶対故障はしない自信があったのでしょう。



↑ プレーヤーを取り外しました。 プレーヤー裏面の様子です。
50Hz仕様のフォノモーターに異常はなさそうです。

↑ ターンテーブルの駆動方式はアイドラーによるリム駆動ですが、通常はターなテーブルの内周で駆動
していますが、全く逆で外周駆動になっています。


↑ この製品は世界モデルで電源が50Hzで110V→125V→150V→220→V240Vと5段階切り替えに
なっています。
当然110Vに切り替えてありますが、単純に考えますとモーターの回転が10%遅くなると思いますが、
しかし、実際はこの種のレコートープレーヤーのフォノモーターは回転精度の安定した交流周波数に
同期したモーターを使用しています。
そのために電圧が10%下がっても回転数はほとんど変化致しません。
私が以前に実験したときに85Vまで下げても聴いた感じでは微妙な変化しか確認できませんでした。
更に電圧を低くしますと回転数に影響が少し出ます。その時点でトルク(力)が極端に低下いたします。
今回の場合はフォノモーター/アイドラー/ターンテーブルの「油切れ」「スリップ」等を軽減するよう
クリーニング注油を行いました。


↑ 45回転EPレコードテスト中の様子です。

↑ 33回転LPレコードテスト中の様子です。
「AM/FMラジオの受信感度が悪い」
この問題は非常に厄介な多重故障がありますので対策前に確実な原因究明が必要になります。


↑ 当時のこの製品はMW/LW/UKW(FM)ラジオの受信は外部アンテナの接続が必要です。
しかし、現在は放送電波の出力も大きくなり外部アンテナ無しでも、ある程度受信は可能です。
それは、電灯線がアンテナの代わりをしているからです。
ところが、実際に受信テストをしてみますと、確かに感度不足は否めません。


↑ 内蔵FMアンテナを作り仮取り付けをして受信状態を検証致いたします。
VHF帯のFM電波の平均波長を考えて、300Ωフィダー線を160cmの長さに切り、
その片線の中点の80cm部分を給電点として給電用のフィダー線をT字型に半田付けします。
80cmの左右の先端は直結に半田付けします。 これで完成です。
55.5cm×22.5cmのキャビネットの小さな底カバーに取り付けます。
金属製のキャビネットの為このこの部分しか取り付け位置がありません。

↑ 内蔵アンテナを取り付けて受信テストを行いました。
効果はありました。MW(AM)は顕著に現れました。 良好です。
全然受信できなかったUKW(FM)も辛うじて入感がありますが、かなり感度不足の様子です。
指向性がありますので、最良点でもかなり弱い感じです。


↑ 内蔵アンテナの取り付け構図がT字からかなりずれていますので、受信効率が悪いためと判断して
取り外して再製作を行い取り替えました。
しかし、結果は殆ど変わりませんでした。
これで、はっきりと感度不足要因が判明いたしました。

↑ スーパーヘテロダイン回路全体に問題があります。
局部発振/周波数変換回路用真空管「ECC85」が怪しい様子です。
欧州仕様の「ECC85」は手元にありませんがNETで入手可能ですが高額で日数もかかります。
日本製で互換性の真空管は「6AQ8」です。
しかし、普段はあまりお目にかからない「6AQ8」です。手持ちの約120本ほどの東芝真空管新品箱入り
の中から2本出てきました。 ラッキーです。




↑ 取り外しも、取り付けも難しい奥まった箇所にありますが、交換いたしました。
祈る気持ちでスイッチを入れ起動を待ちました。
当たっていました。 感度は上がりました。
スーパーヘテロダイン回路の補助調整を行い感度を上げていきます。
アンテナコイルのインダクタンスのダストコアの調整を行いFM簡易アンテナ入力とのマッチングを行います。


↑ 中間周波トランスの微調整を行いました。
相当感度が上がりました。

↑ 代替に使用したTOSHIBA真空管「6AQ8」です。

↑ 感度不足の欧州製の「ECC85」です。

↑ 当初から時々電源が切れますが、ヒューズホルダーの接触不良でした、接触片を磨いておきました。
尚、ヒューズが自動車用の5Aが入っていましたので、オーディオ用の3Aに交換いたしました。